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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:知花 知恵(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
白黒付けれないグレーゾーン。
 
かつて私は何事も「中途半端は良くない」と決め込んだ。
 
けれど、人生には「ただひたすら待つ」しかない。保留にしておくべき時もある。
 
放置するのではなく、来るべき時は必ずやってくる。そう信じて待つのも「戦略」なのだ。
 
だからこそ、女性は「あざとい」ほうが魅力的なのではないだろうか。
 
ある日ふと、テレビの電源を入れてチャンネルを変えるとすぐさま、話題ドラマのワンシーンが流れた。
 
友情で人の心を動かす台詞を、注目株俳優が真っ直ぐな眼差しで言い放って熱演する感動シーンだった。
 
ドラマの展開は、あたかもその一言で動き出した。私は、自分に向けられた言葉でもないのに、目頭が熱くなった。
すっかり感情移入して「恋愛の修羅場」と言うべきシチュエーションの自分事に変換した。もし過去に戻れるなら、あの瞬間に還りたい。こんな展開にしたいという妄想に駆り立てられて。それが以下のやり取りだ。


『私たち、もう別れた方がいい』
 
「な?こういうことになるんだよ!俺は自己満足で過去が尊かったし、君は完璧主義から」
 
「ずっと一緒にやって来た。ひとりが得意とか言うな!」
 
「お互い傷付け合った。けど自分を責めたって、もう傷付きたくないと、逃げてるだけじゃないか?」
 
「この先ずっと思う。君と別れたくたかったのに、それを伝えなかったとしたら。ずっと後悔する」
 
「いつもそばにいてくれた。今日まで一緒にやってきた。『こうあるべき』なんて、体裁にとらわれなくていい。一緒に生きよう」
 
「俺を信じろ!」


人生は選択の連続。現実でも、極力「別れたくはない」という気持ちを表現してくれた相手だった。ゆえに忘れられない尊い思い出となってしまっている。
 
この一件で私は自分の出した決断に後悔してはならないと、必死でもがいてきた。そんな私はミドル世代である。
 
パートナー犬と今だに単身、ひとり暮らしをしている。パートナー犬は2代目に突入。戻ってみたい「決断の日」はもう、20年以上もまえのことだ。
 
ある日、職場でたわいもない雑談をした。
 
「あの頃に戻れたらって、過去があって……。戻れたとしたら、別の人生を選択したいんですよね」と言った。すると
 
「私なら出会えた人達に会えないのは寂しいし、同じ自分だから、また同じ選択をする」と先輩社員が続けた。
 
オフィス内で、明るく話しやすい雰囲気を作ってくれる。そんな信頼できる先輩社員は、最近昇進した。仕事もできる。
 
「今が十分幸せだから言えることで……。確かに。そう在りたいな」
 
と切り返した私。同世代で、キャリアに役立つ資格を若いうちから取得し、やりたい仕事をしている。
 
仕事にたいする姿勢が誠実な、先輩社員の言葉は心に響いた。しばらくしてふと、思い出した。
 
私の妄想をテーマにしたかのような『プロポーズ大作戦』というドラマを。ハマって毎週楽しみに観ていた。
主人公の男性が、あたりまえのように一緒に過ごしてきた幼馴染の花嫁の結婚式で
 
「ずっとたった一言が言えなかった」と、友人としてのスピーチで大胆告白。そして会場を飛び出した。
 
告白を受け、誠実なフィアンセに送り出される花嫁。そこに妖精が現れて
 
「おまえは後悔しているんじゃないか。過去に戻ってやり直したいと思っているんだろう」
「いくら過去をやり直しても、結局自分は自分でしかない」

「過去を嘆く今よりも、今を変えようとする未来への意思が一番重要だ。今からでもまにあう」
と、花嫁の背中を押す。
自分の潜在意識を呼び覚ますことができて、本当に望む幸せを叶える姿は、人に感動を与えるストーリーだった。
しかし、私に妖精は現れない。


けれど、話しを聞いてくれる友達はいる。
社会で働く人間関係に翻弄されたりもする。神経を擦り減らし、疲れ切ってのプライベート。
ネガティブな思考に陥ると、自己肯定感も下がる。かつての私がそうであったかのように。
現実はそんなに甘くはない。
幾多の試練を乗り越えてもなお、不安や課題が解消されないでいると、キャパに限界を感じるようになってしまった。
 
だが、そんなに甘くないとひとり、まわり道をする未来を選んだのは紛れもなく、私自身である。
 
素敵な恋を経験できて、大切な仲間や友達がいるだけでも十分幸せだ。
 
こうして、人生を振り返る機会に恵まれている瞬間は、気持ちの整理もできる。新しいことをはじめるきっかけになっている。
 
だからこそ過去ではなく、未来を妄想することにした。イメージを膨らませて何が起きようともブレずに。期待し続けて生きていく。
動き出せる日が来るまで。
 
 
 
 
***
 
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2023-06-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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