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AI時代にあなたはガリレオ・ガリレイになれるか?


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記事:手塚幸忠(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
三浦先生の影響でAIを色々と仕事に取り入れるようになった。私が一番苦手とする、ビジネスレターや目上の人へのお礼の手紙など、言葉選びが難しい文章は、AIにお願いすることで、瞬時に文章を考えてくれる。若干怪しい部分はあるものの、それをほんの少し修正するだけで、実際に使っても問題のない手紙ができるのは本当にありがたい。今までは頭をひねって考え、何度も書き直しながら、完成までに半日近くかかってしまうことはザラだったので、業務効率が飛躍的に上がって助かっている。調子に乗って、レポートや企画書を書くのを手伝ってもらったり、広告の文章を考えてもらったりしたが、AIと何回かやりとりすれば、納得の文章ができるので、日々驚かされる。
 
私の職業は鍼灸師だ。東洋医学をベースとした治療をしている。東洋医学はキリスト教と同じだ。キリスト教は、何千年も前に書かれた『聖書』という文献を研究し、参考にしながら、今をどう生きるかを教えている。東洋医学は、中国が前漢の時代(紀元前200年頃)に書かれた『黄帝内経(こうていだいけい)』という文献を研究し、それを参考にしながら現代の病気に対する治療法を考えている。
 
「医学は最新の考え、最新の技術が大事であり、古代の治療法など役に立たないのでは?」
 
と言われることが多々ある。私自身も学生時代はそう思っていた。しかし、実際に資格を取って治療をし始めてみると、西洋医学で治らない病気が、東洋医学で治る場合が少なくない。何故そんなことが起こるのかというと、病気に対する別の見方ができるからだということが分かってきた。“西洋医学”という視点から見ると見えないものが、“東洋医学”という視点から見ると見える時があるのだ。
 
東洋医学に興味を持った私は、中国の古文献を勉強するようになった。しかし障壁となるのは、古い漢字で書かれているので漢字を一字一字調べながら読まなければいけないことと、何千年も前の文章なので、その背景を理解しながら読まなければ理解できないことだ。特に、先ほど紹介した『黄帝内経』は、中国古代哲学と深い繋がりがあるため、解釈が難しく、何千年も前から一つ一つの文章をどのように解釈すれば良いか、歴代の研究家が研究して書物に残してきた。その書物の中には、間違えた解釈、飛躍しすぎた解釈などがあり、参考にできない物もある。また、専門用語が難解なので、現代では別の用語に置き換えなければならないことが多々ある。
 
先日“まさか中国の古文献は知らないだろう”と思いながらAIに東洋医学の質問をしたら、それらしい返答が返ってきた。これは使えるかもしれないと思い、治療院のブログ用に専門的な内容の文章を考えてもらった。すると、表面上はそれらしい文章が出てきたが、内容に誤りがあり、専門用語の使い方が違うものが出てきた。やはりAIは答えが一つであるもの、科学的に証明されているものは強いが、解釈が複数存在するものや科学的に証明されていないものは、苦手なようである。
 
昨今、ブログを書くということが一般的になり、専門家から一般人まで、多くの人がブログを書いている。そして、東洋医学とは関係のないはずの、整体やエステ、パーソナルトレーナーなど、健康関係の仕事の人が、東洋医学の考え方やツボについてブログで発信するようになった。今後、このような人たちがAIに頼ったブログ作成をしたらどうなるだろう。誤った東洋医学の情報がネット上に溢れることになるのではないだろうか。私自身も、自分が勉強した事をブログに書く場合、記憶が曖昧なものは、まずネットで調べてみる。その時に上位10件の記事が自分の考えていた事と違うことが書かれていたら、自信を失ってしまうのではないか。AI時代が到来し、勉強する必要が無くなるかと思ったが、AIの真偽を見極める力を持つことが大事だということが分かった。そして、AIを上手く操るための本当の知識が大事なのだ。
 
小学校の理科の時間に習ったガリレオ・ガリレイは、地動説を唱え、天動説を支持する教会と対立した。当時の教会は地球が宇宙の中心であるという天動説を支持しており、ガリレオの主張は異端とされた。彼は異端審問にかけられ、自説を撤回することを強要されたが、その後、彼の主張が正しいことが証明され、教皇庁から謝罪が出された。自分の考えが正しいということを主張し続けるためには、きっと大量の研究と学習を積み重ねてきたことだろう。これからの時代、私たちは、AIを効率的に利用しつつも、自分の考えが正しいことを主張するために、これまで以上に研究や学習を積み重ねることが重要であろうと思う。
 
 
 
 
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2023-06-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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