お風呂に入るのは、どうしてあんなに面倒くさいのか
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記事:くろねこ(ライティング・ゼミ4月コース)
あなたはお風呂にすんなり入れるタイプだろうか。
お風呂に入るの面倒だな……と思ったことはないだろうか。
かくいう私も子供の頃から「早く風呂に入れ」という母からの怒りのメッセージを受け取ったことは数知れず。
ひとつお伝えしておくと、私はお風呂が大好きだ。
理想を言えば1日1時間は入りたい。
別に何をするでもなく、ただただぼーっとお湯に使っているのが好きで、その間私の脳みそはおやすみモードだ。
至福のひとときといえる。
それなのに。
お風呂に入るまでは、とてつもなく面倒くさい気持ちとの戦いが繰り広げられる。
帰宅後、お風呂はいらなくちゃ、と思いつつ、とりあえずお腹が空いたし夕飯を食べる。お腹がいっぱいになると、この状態でお風呂に入るのは消化によくないはず、という独自の理論からお風呂を先延ばしにする。
ソファーでだらだらしながら、本を読んだり、ネットをしたり、テレビをつけて興味のない番組をぼーっと眺めたりする。そうこうしていると眠気が襲ってきて、いよいよ面倒くさいレベルが頂点に達する。
あーあ。面倒くさい。
だらだらしている間に、時刻はとうとう深夜0時を回ってしまった。
ここは先人たちの知恵を借りよう(=ネットで検索する)
色々と検索した結果、私に合うのではと思われる案が絞られた。
「エサで釣る」作戦、「上様のお力を借りる」作戦、「工場直送」作戦の3つだ。
先にお伝えすると、エサで釣る作戦は早々に失敗した。
私にとってのエサは「ちょっと良い入浴剤」だったのだが、入浴後のお風呂掃除がネックとなった。
泡のお風呂も、お湯がレインボーカラーに染められた湯船もテンションが上がったが、掃除に時間がかかる上に毎日のことなのでコストもかかる。結果、使える入浴剤はバブ一択になった。バブは好きだけど、昔からの気心の知れた相棒すぎてトキメキが足りない。
というか、よく考えたら私は湯船に浸かることは大好きなのだ。
つまりは、いかにスムーズにお風呂にたどり着けるかに焦点は絞られた。
そこで2つめの作戦「上様のお力を借りる」作戦に打って出た。
上様とは、松平健様のことである。あの名曲「マツケンサンバⅡ」のリズムに乗って踊り、最後の「チャカチャン!」という締めの音に合わせて服を脱ぎ、お風呂に入るというもの。
やってみて、想像以上にテンションの上がる作戦であることがわかった。健様のセクシーな歌声と軽快なステップに、きらびやかな衣装、ひたすらに明るい歌詞、全部が相まってどんどん楽しくなってくる。しかも、見よう見まねでサンバを踊ってじんわりと汗もかける。考えた人天才! 「マツケンサンバⅡ」は疲れた心にパワーを与えてくれるので、最近聞いてないなぁという方はぜひ一度You Tubeで検索してエネルギーチャージすることをおすすめしたい。
このように本作戦は完璧と思われたが、残念ながら2日目にして同居人からストップがかかってしまった。うるさかったらしい。単純に音楽がうるさいというのもあるが、私がドタドタと慣れないステップを踏むので階下の住人にご迷惑だろうということだった。確かに。ご近所とは良好な関係を保ちたい。あと単純に仕事で疲れて帰ってきてサンバを踊るのは、結構大変だ。続けられる自信もない。ということで、被験者(私)の満足度は高かったものの、あっさりお蔵入りとなった。
最後に残された「工場直送」作戦に移る時がきた。
帰宅後、玄関からお風呂まで、工場直送のごとく一直線に向かうという作戦だ。
帰宅時間に合わせてお風呂のお湯張り予約をすれば、作戦の事前準備は完了だ。
「ただいま」と言いながら、玄関の指定された場所にカバンとスマホを置いて脱衣所に直行する。
(スマホを玄関で充電できる環境があるとなお良い)
これまでの取り組みの中でも著しく地味な作戦ではあるが、もっとも効果的で、現在では私はほぼ毎日、お風呂に直送されている。
ここで大事なポイントは、帰宅後は脳みそをからっぽにして何も考えず、ただまっすぐお風呂に向かうという点だ。
直送に失敗したときを振り返ると、「エアコン入れておこう」とか「このメッセージだけ返しておこう」とか余計な思考を働かせたときだ。別の何かを挟んだとたんに入浴が面倒くさくなって、ソファーでだらだらすることになる。
根本の疑問に戻ろう。
私達はなぜお風呂に入るのが面倒くさいと感じるのか。
それは「お風呂に入る」という意思決定をする前に、すでに脳が疲れ切っているからではないか。
ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人は無意識のうちに1日に最大で35,000回もの意思決定をしている。何を食べるか、どれから食べるか、どれだけ食べるか、何を着るか、どう着るか、道のどこを歩くか。私達の毎日は、決断の連続だ。
一方で脳が意思決定に使えるエネルギーは限られている。スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグも、意思決定の回数を減らすために着用する服を制服化していた、と言われている。
つまり私たちは、大人であっても子供であっても、1日沢山の意思決定をして、脳がへとへとの状態で「お風呂に入る」という、それなりに疲れる意思決定をしなければならない状況に置かれている。そんな状況で「お風呂に入る」という決断を日々してきた私たちは本当にすごいのだ。
だからこそ、これ以上自分を追い込まないために、ちゃっちゃと済ませたいことは習慣化してしまうに限る。「工場直送」作戦のように、意思の力に頼ることなく、なにかのトリガー(きっかけ)を活かしてAをやったらBもやる、という自分なりの仕組みを作り上げると、いつも頑張っているあなたも少し楽になるかもしれない。
最後に同居人が私をお風呂に追い込むときの、お決まりのセリフをご紹介したい。
「お風呂に入って後悔したこと、ある??」
***
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