メディアグランプリ

片づけスイッチを入れる方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事: K(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
とにかく、片づけが苦手だ。
実家は常に整理整頓されていたのになぜだろう、と、考えてみるに、実家の父が厳しかったのだと気づいた。
現在の私の家族はありがたいことに、部屋の整頓についてはかなり寛容と言ってよい。忙しい私に対して理解があって、本当に助かるわ。
 
と、思っていた。
 
ある日夫に聞いてみた。
 
「部屋片付いてないの、気になってた?」
 
忙しいから仕方ないよ、自分も片づけてないし。という答えを期待したのだったが、違った。
 
「気になるよ! 散らかりすぎてどうしようもないから、部屋はあきらめて、車の車庫を毎日きれいに掃除してる」
 
お、おう。
 
言わないだけで、寛容ってわけではなかったのか。
 
だったら代わりに掃除してくれたらいいのに!
 
なんか悔しかった。
 
私だって、きれいに整頓されたおうちで快適に過ごしたい。
 
ただ、片づけをしようとすると、要るもの、要らないものを判断する、とか、要るものをカテゴライズして場所別に分ける、とか、要らないものはまとめてゴミの日に出す、そのために市役所指定のゴミ袋を買いに行く、とか、膨大なやることリスト、タスクをこなしていく必要がある。
仕事で死ぬほどタスクをこなしたあと、家でも膨大なタスクをこなすだけの気力はとても残っていない。
 
そうして放置しているうちに、さすがに汚部屋というほどではないがそれなりにちらかってしまい、片づけのための最初の一歩がでなくなる悪循環。
 
こういうのは片付けが好きな人、得意な人には決してわからないと思う。
 
それでも、片づけたい、と、突然思い立つタイミング、つまり片づけスイッチが入ることは時々あって、スイッチが入ったときは集中して片づけることができた。問題はその時間が短すぎて、片づけ終わる前にスイッチが切れてしまうことだった。最近は特に、在宅ワークもあって家に持ち帰る書類や仕事の本などがどんどん増えてしまい、片づけるスピードより、散らかるスピードが圧倒的に増している。これではいつになっても片付きそうにない。
 
そんな時、SNSに同じような悩みを抱えていた知人が投稿していた。
整理収納の方ってすごい! 家が片付いて快適です!
 
いいなあ。
私も、ダメ元で、一度プロに相談してみよう。
 
夫に言われた悔しさもあって、さっそく片づけサポートOさんが自宅に来ることになった。Oさんのアプローチは片付け代行ではない。「ライフオーガナイザー」といって、「思考の整理から始めるコンサルティング型片付け支援サービス」なのだという。完全な代行にしなかったのは、要る要らないの判別は結局自分でしなければならないと考えたためと、片づけ方法自体をこの機会に習ってみたいと思ったためだ。
 
依頼すると、まずは自分の価値観についてのヒアリングシートを記入してほしいという。ちょっとかったるい。要するに片付けばいいんだけど。
相談の結果、とりあえず3回コース、1回3時間でお願いすることとした。もっと1回を長くすることもできるとのことだったが、私の片づけスイッチが3時間以上もちそうにないためこの長さが良いということだった。
1回目はヒアリングと、ちょっと片付けてみましょう、ということで手掛けてみた診断結果としては、
 
「やる気が出た時は集中して片づけるスキルは高いので、やる気を出しやすくするため、片付いた理想のゴールを一緒に考えましょう。また、一気に片づけをしなくてよいよう、部屋にモノをためないような流れを設計しましょう。 この調子でやれば、何回かできれいになりますよ!」
 
とのことであった。そうそう。ゴールが見えると頑張れるのよ。
 
在宅ワークをする仕事部屋はすっきりと。キッチンは機能的に。最近夫婦で楽器を習いだしたので、私はピアノ、夫のギターを置いた楽器部屋が一つ。お客さんが来たときにお通しするリビングには、好きなお花を飾りたい。などなど。よさそう。ただ、一人でやり切れる自信はない。
 
「そりゃあ、一人じゃなかなか難しいですよ。みなさん、そうおっしゃいます。一緒に頑張りましょう!」
 
ありがたい。一緒に片づけをしてくれる人ってなかなかいない。いや、本来それば夫であるべきだ、とも思うけど、今までの経緯から期待するほうが無理といえよう。
 
2回目は本格的に片づけに入った。夫が部屋の奥に隠していたらしい古いグラビア雑誌が大量に出てきた。若き日の藤原紀香の水着写真が掲載された雑誌などなど。すぐ捨てたい、と思ったが、そういえば数年前、同様に保管された若き日の優香のピンナップを捨てて喧嘩になったことを思い出した。彼の持論ではいつか高く売れるのだそうだが、まあ、そんな日は99%、こないと思う。
そもそも、誰が売りに行くのか。
 
「旦那さんのモノを捨ててしまうと片づけが進まなくなることがあるので、まずは固めて横においておきましょう」
 
なるほど、それはそうだ。どうせ何年も放置するのだから、箱に入れて固めておけばよい。実際、私がいきなり掃除を始めたので夫は何事か、と不安に思ったようだったが、「あなたのものは一切捨ててないから」というと、安心して応援してくれるようになった。さすがプロだ。
 
2回目の片づけによりでた不用品は多すぎてごみ袋に入りきらなかったので、近所の焼却炉に直接持ち込むことにした。出た不用品の重量はなんと145キロもあった! 自分ひとりだったらとてもできなかった。非常に疲れた。
 
それでもまだまだ部屋には大物が残っている。例えば夫がどこかからもらってきた古い学習机。ボロボロだしインテリアとしても失格で、なんでこんなのをもらってきたのよ! と思う物体だが、大きすぎて処分もできず、何年も部屋を占拠している。
 
「これは大型ゴミとして引き取ってもらうよう業者に依頼しましょう」
 
出た。めんどくさいタスク。第3回目の宿題だ。
でも、Oさんとなら一緒に頑張れそうな気がしている。
 
まだまだ先は長い。しかし整理整頓は衣食住と同様、一生避けられないタスクだ。一緒に汗をかいてくれる人がいて、ゴールのイメージがある。ありがたいことだ。自分の片づけスイッチと付き合いながら、ちょっとずつ進めてみようと思っている。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2023-06-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事