天狼院カフェSHIBUYAのカプチーノが、とてつもなく高いと感じた日
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:小城朝子(ライティング・ゼミ6月コース)
あの日のことは二度と忘れることは出来ない。
今も鮮明に思い出す。
ただ、あの日と言っても先週の6月24日のこと。この原稿を書いているのは6月27日なので、既に忘れていたら大問題ではあるが……。
6月24日は天狼院ライティングゼミの第2回目の開催日。
この日は恋い焦がれている三浦先生にリアルで会える特別な日だ。
ライティングゼミの存在を知ったその日、三浦先生に一目惚れした私は、先生のナマ講義が受けられる渋谷の天狼院カフェでの受講を迷わず決めた。
そして、全ての焦点を、この6月24日に合わせていた。
先ずは何を着ていこうと洋服選びからスタートだ。季節は梅雨真っ最中。雨ならこれ、晴れならこれ、雨で蒸し暑ければこれ……と前もって何パターンも考える。
気分はすっかり初デート。
そして、「先生、私のすべてを知って下さい!」とばかりに、この日はコンタクトにノーマスクで行くと決意する。マスクなしの顔でも何とか堪えてもらえるよう、肌のケアも怠らない。
先生のナマ講義なのに、ゼミの課題を出していないなど、もっての外と、2回目の課題も早めに提出する。あと数日寝れば、愛しい三浦先生に会える日がやってくる。
そして迎えた決戦日。6月24日土曜日の朝。
天気はいい感じで晴れている。バッチリ、ハイヒールで決められる。となれば洋服はワンピースで決定だ!
ルンルンと身支度を整え、足取り軽く家を出る。
午前中は新宿で打ち合わせ、その後はナマ三浦先生とご対面。気持ちは高ぶるばかりである。
打合わせは早々に終わり、講座まで時間がある。さて、どうしよう。天狼院に行くには、いくらなんでも早すぎる。仕事が溜まっているので、阿佐谷にある会社に行くことにする。会社から渋谷までは約40分。一仕事しても、十分に時間はある。
そろそろゼミに行く時間だ。もう一度鏡を見直し、三浦先生に見せられる顔かチェックをする。顔の造作は変えようはないが、まあいいだろう。会社を出て電車に乗り込む。
と、ここまでは順調だったのだが、電車の中でスマホを開くと一瞬にして凍り付く。
何じゃこりゃ?
なんと、ゼミの事前課題が出ているではないか。今の今まで全く気づいていなかった。
時刻は講座開始30分前。愛しい先生のナマ講義の課題を出さないなんてありえない。
頭をフル回転させ、課題を一気に書き上げる。送信ボタンを押すと同時に渋谷に到着。
時刻は講座開始15分前。
しかし、ここで自分の学習能力のなさにぶち当たる。
天狼院書店は渋谷駅から3分あれば到着するが、それはあくまで改札を出てからの3分だ。
土曜の渋谷駅というのは死ぬほど混雑しており、電車を降りてから改札にたどり着く迄、余裕で5分は掛かることをすっかり忘れていた。
周囲の迷惑も顧みず、人を押しのけ改札までたどり着く。そこからは小走りで書店までまっしぐら。暑さで汗をかき、遅刻するかもと冷や汗もかき、身だしなみなど何処へやら。
顔は崩れ(どんな顔だ?)、髪はグチャグチャ、ワンピースは汗まみれ。
化粧室に寄りたいところだが、憧れの三浦先生のナマ講義。遅刻するわけにはいかない。
ビルのエスカレーターを駆け上がり、何とか書店にたどり着いた。
時刻は講座開始6分前。ギリギリセーフだ。
カフェカウンターでお約束の飲み物を購入する。
暑いのでアイスコーヒーといきたいところだが、先生の熱い講義で頭がカニミソ状態になった1回目の講座のことを考えると、少しでもカロリーが必要だ。
ということで、ホットのカプチーノを注文する。お会計は550円也。
カプチーノを片手にいざ先生のもとへ!
だが、一瞬、頭の中にクエスチョンがよぎる。前回の講座が行われたスペースは一般のお客様でギッシリだ。
そうか、今日は別の場所で講義なのか、とウロウロすると、スタッフの平野さんの爽やかな顔が見えた。
平野さんに挨拶をし「課題を出すのがギリギリになって申し訳ありませんでした」と言うと、平野さんは一瞬、不思議そうな顔をする。
そして次の瞬間、私がライティングゼミの受講生であることを思い出したようで
「今、終わったところなんですよ」と、私に言う。
「今、来たところなんですよ」と、私は心の中で呟く。
今、終わった? 何がなんだが分からない。
平野さんは、申し訳なさそうに言葉を続ける。
「今回だけ時間が変更になって、3時からスタートだったんです。今から別の講座が始まるんですよ」
現在の時刻は……4時58分。
そうなのだ、私は講義の開始時間を5時と勘違いしていたのだ。
なんてこった、なんたる大失態。三浦先生とのご対面をあんなに夢見ていたのに、私の1か月越しの夢は儚く散った。
思わず心の声が口に出る。
「三浦先生にお目に掛かれることを、とても楽しみにしていましたのに……」
すると
「三浦先生、いらっしゃいますよ」という平野さんの声と同時に、神が降臨した。
人の気配が全くしない秘密基地のようなスペースから、突然、先生が現れたのだ!
先生は画面を通して見るより、ずっと若々しく神々しい。
憧れの先生を前にして固まるだけ。
「好きです」
という言葉は辛うじて飲み込む。
講座に出られなかったお詫びと「今後とも宜しくお願い致します」と挨拶をするのが精一杯。
先生も「こちらこそ宜しくお願いします」とにこやかに挨拶をして下さる。
そのお姿に人間として、男性としての器の大きさを感じる。
一目惚れした私の感性に間違いはなかったと、自分を褒める。
しかし、時、すでに遅し。ナマ講座は終わってしまった。
平野さんは、「どうぞゆっくりしていって下さいね。講座も、もうすぐWEBにUPしますから、カフェで聴いてもらえれば、すぐに質問にも答えられますよ」と神対応。
しかし、イヤホンを持っていない私はこの場で講座を聴くことができない。
お礼だけ伝えて、カプチーノ片手に席に着く。
なぜ、先にカプチーノを買ってしまったのだろう。
天狼院カフェのカプチーノは確かに美味しい。濃い目のしっかりしたエスプレッソにフワフワのフォームドミルク。
前回は、居心地の良いスペースで、先生の熱い講義を聴きながらカプチーノを飲むという、何とも贅沢な時間を過ごすことができた。
550円でこんな至福の時間を過ごせていいのだろうかと感激した。
しかし、今は違う。講義はすでに終了。ショックでカフェの雰囲気を楽しむこともできない。なぜ、私はここにいるのだろう。550円のカプチーノが、とてつもなく高く感じる。
ならば、さっさと帰れ! という声が聞こえてくるが、ケチな私は飲み物を残すことができない。
チビチビと飲みながら、更にどケチな私は、この550円を取り返すスベを考える。
そして、閃いた。
そうだ、この出来事を課題のネタにすればいいのだ。原稿にしてフィードバックをもらえれば、この残念な出来事が一発逆転、花開く。550円など安いものだ。
そして、貪欲な私はさらに思う。
そうだ、次回は講座開始の1時間前に来て、先生を質問攻めにして、550円のカプチーノの価値を5500円、いや5万5千円にすればいいのだ。
転んでもタダでは起きない。タダどころか100倍にして取り返す。これが私の生き方だ。
***
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