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リードの使い方一つで会話が成立


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ちゃお(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
2022年2月 我が家に招いたティーカップ・プードル。
 
犬を飼うなんて絶対に有り得ないと思っていたのだが、
当時小5の一人娘が犬を飼いたいというので、決断した。
 
結婚する前、実家ではポメラニアンを飼っていたが、私は犬が好きではなく
いつも遠目で見ているだけだった。
 
犬の寿命は15年ほど。
そんなに長い間、
果たしてちゃんとお世話ができるだろうか。
 
一抹の不安。
 
家に連れてきた当初は全く餌を食べることなくどんどん痩せていってしまい
700グラムあった体重が600グラム台になりブリーダーさんに何度も連絡をとった。
 
食が細いので、かわいそうと思い、
犬の様子を見て、その子のいいようにしてあげていた。
 
散歩に行ってもあちこちいきたい放題。
食事も好きなものだけあげる。
 
こんな調子でいいのだうか?
 
今まで自分自身でお世話したことがないため
右も左もわからず、
「犬のきもち」の本を定期購読して読み漁った。
 
そして読んだことを実践してみる
おすわりや伏せなど少しずつではあるが
いろいろなことができるようになってきて嬉しかった。
 
 
犬が自宅に来てから1年経ったある日、
知人からドッグトレーニングをしている人がいると聞く。
「本で読むよりも実際に教えてもらう方がいいかも知れない」
そんな気持ちになり紹介してもらうことに。
 
月2回 1時間ほどのトレーニング。
 
初めは散歩の仕方から。
リードを左手で持ち、自分の左側 できるだけ左足のそばを歩かせる。
(人間は右利きが多いので、咄嗟の時に右手が使えるように左手でリードを持つそう)
 
掛け声も「ヒール」という言葉を使う。
(他にもいくつかあったが我が家では「ヒール」と言う言葉を選択)
 
 
「ヒール」と犬を見ながら声をかけて自分の左側を歩かせる。
 
今までやったこともないので、犬も私もお互い戸惑うばかり。
説明は受けるものの全く波長が合わない。
 
すぐに疲れてしまう始末。
 
 
そんな様子を見かねてドックトレーナーの方が見本を見せてくれる。
私では全く言うことを聞かない犬も
ドックトレーナーの方の言葉とリード使いで歩くではないか。
 
会ったばかり人なのに、
さすがとしか言いようがない。
 
毎日お世話している自分としては寂しさを感じたものの
しっかりトレーニングをすれば私も同じようにできるのだと言い聞かせる。
 
 
次の日のお散歩からドックトレーナーから学んだことを実践。
しかしながら
犬の思うままにお散歩させられる日々。
 
なかなか意思疎通するのは難しいなぁと思いつつ
お菓子作戦を実行することに。
 
ちょっとでもできたら褒めておやつをあげる。
 
褒めると犬も「私の言うことを聞いてやるよ」みたいな顔をしているように見えてくる。
 
そんなお菓子作戦が功を奏し、
3ヶ月後には「ヒール」と言う言葉に慣れてきて
私の左側をちゃんと歩くようになった。
(それでも3ヶ月かかったけれど)
 
 
そして次の段階「待て」へ。
信号が赤の時におすわりして待つという訓練だ。
 
トレーニング初日。
信号が赤のところで「おすわり」と言っても全く座らない。
 
今までやったことがないのだから当たり前といえば当たり前のことなのだが。
 
そこでドッグトレーナーの方が見本を見せてくれる。
「おすわり」と言ってからちょっとリードを引くのだ。
そうするとちょこんとすわるではないか。
 
私も見よう見まねでやってみる。
でも私がやると何故かすわらない。
たまに私の顔を見上げ首を傾げる始末。
 
何が一体ダメなのか。
はてなマークが頭の上を飛ぶ。
 
ドックトレーナーの方曰く
私のリードの使い方がいけないとのこと。
まず、「おすわり」と言う言葉と同時にリードを引っ張っていること。
そしてリードが常に張った状態である上にそのひっぱり具合が強いのだそう。
 
そう、私は座って欲しい気持ちが強過ぎたのだ。
言うことを聞けと言わんばかりに
かなり乱暴なリード使いだった。
 
 
犬も人間と一緒で
強い口調で言われたり仕草をとられたら
反発したくなるのだそう。
 
反省。
 
「ごめんね」と犬に向かって謝る。
 
そして気持ちを落ち着かせ
犬の顔を見て優しい口調で「おすわり」といい
ちょっと間を置いてリードを軽く引っ張ってみる。
 
犬はスッとおすわりをした。
 
一瞬、びっくりしたが、
感動!!
 
こんなに力を入れることなく言うことを聞いてくれるなんて。
 
 
言うことを聞かせるにはリードを強く引く必要があると
思っていたがそれは間違いだったのだ。
 
そんなことをしなくても聞いてくれるのだ。
 
「おすわり」と優しくいって
ほんの少し間を置いてからリードを軽く引く。
 
リードの使い方一つでこんなにも変わるなんて。
なんだか犬と会話が成立しているような感覚になった。
 
犬が言うことを聞かないのは飼い主の責任でもあるのだ。
 
言葉とリードの使い方。
目から鱗だった。
 
 
それからお散歩の際は必ず横断歩道があるところを通るようにして
トレーニングをするようになった。
今では1分以上も座って待つことができる。
 
その姿は飼い主としても誇らしいと思うと共に
信頼関係が結ばれているようにも思う。
 
犬は話すことはできないけれど、言葉とリードでお互いに
意思疎通ができることを体験。
 
ますますかわいさが増してきた。
 
 
 
 
***
 
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2023-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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