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「第一印象」を大逆転させる方法


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記事:メッツィンガー広美(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 

『相当、真面目な人なのだろう』
 
それが私の第一印象だった。
 
真面目というのにも色々あるが、私が彼女に抱いたのは、勉学が好きで、自分の考えに真っすぐで、人の意見もよく聞き入れるが、お愛想をしたり、相手に合わしたりはしなさそうな少し近寄りがたさも漂わす雰囲気。
 
聞いてみると、日本で超一流大学、イギリスにて大学院を卒業し、農林水産省で長年勤めていたというから、近寄りがたさはさらに深く刻みこまれ、彼女と私の間に「進入禁止」と札が掲げられたような気持ちだった。
 
そんな一方的な印象を持ち、仕事でミーティングをすることになった日はどこか緊張して、私は「できない私」を露呈しないようにクールに努めた。
 
 
それから数カ月が経ち、彼女とオンラインで再会する。
その日は仕事というよりも共に働くメンバーを分かり合うために設けられた時間で、自分の大切にしているものや世界を仲間にシェアすることになっていた。
 
発表者は5人。彼女は5番目だ。
 
全ての発表者は次々に「大事にしているもの」「好きなもの」「自分の夢」について、写真を貼り付けた一枚のスライドを元に発表した。
愛する家族、広大な自然、飼っていた犬、大好きな料理、何度でも見たい美術、PC一台もって好きな場所で仕事をする将来。
 
全員が全員、温かく筋の一本通った世界観を持っていて、元々抱いていた印象と大きく変わらず、「こんな人たちと一緒に仕事をできてラッキーだ」と心地よい気分になった。
 
そして、最後、ついに彼女の番が来た。
おそらく、一般人には少々理解しがたい、いわば難しい世界が待っているのだろうと、私は勝手に予想しながら彼女がシェアしたスライドを見た。
 
ところが……
 
「んんんん?」
 
右に見えるのは、かの有名な韓流スター「ヒョンビン」ではないか。
そしてその下には、大人気のアイドルグループ「NiziU」の写真。
 
違う人のスライドが出てきてしまったのだと思ったが、彼女以外の人は発表を終えており、彼女はにこにことした顔で話し始めた。
 
「私、韓流スターのヒョンビンが出ている『愛の不時着』っていうドラマが大好きなんです。ヒョンビンのファンクラブに入るほど彼のことも大好きで」
 
「私、NiziUのことがほんとに好きで、彼女たちの歌を聴いていると、すごく元気をもらって」
 
何たるギャップだろうか。
私の中では、硬い甲羅をかぶったような硬い印象だった彼女が語る彼女の世界観は、「♡」に溢れていた。
 
何と可愛い人なのだろう。
愛する世界を語る彼女はとても幸せそうで、スライドを見ながらこちらも自然と笑みがこぼれていた。
 
人は見た目や経歴では分からないものだとつくづく思う。
 
第一印象もギャップも、当人が作り上げるものではなく、相手が勝手に作り上げるもの。
それをもって勝手に硬いだの、可愛いだの言うのだからいい迷惑だと思うが、このギャップは印象を180度違うものにしてくれる威力を持つと知った。
 
そして、初めて会議をした日のことを思い出した。あの日も、彼女は決して「進入禁止」の札などは設置しておらず、それは私が勝手に置いたものだったと反省した。
 
 
「第一印象は3秒で決まる」という恐ろしい言葉を聞いたことがある。さらに大体のネット情報では「第一印象は重要」と説き、後々の人間関係にまで影響するという人もいる。
 
第一印象が少し「こわめ」に見られることが多い私は、その情報におののいて、これまではメイクアップや服装など、少しでも優しい印象になるよう見た目でカバーしようと試みてきた。
 
しかし……。
今回のことを受け、そんな第一印象も武器になるのではないかとすら思い始めている。後々に印象を大逆転させ、「普通の好印象」以上を得られる武器だ。
 
もしも私と同じように「第一印象をよくしたい」と感じている人がいれば、相手と話す機会に「自分が愛する世界」について少し話してみるのはどうだろうか。
愛する家族、愛する友人、愛する本や愛する食べ物、なんだっていい。
きっとその時、私たちの顔は緩み、声が優しくなっているはず。ギャップ作戦の成功率は高い。さらにその愛する世界の中で、相手が「共通点」を見つけてくれれば効果はてきめんだろう。
 
第一印象がよければ、プライベートにおいてもビジネスにおいても「その直後」のステップはスムーズであることは認めざるを得ない。しかし、人間関係は「その直後」だけでは終わらないことが多い。
まだチャンスがある。
第一印象で勝負を決める必要はない。
私たちは、その次の大逆転を狙おう。
 
 
 
 
***
 
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2023-07-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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