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メディアグランプリ

障害という弱みを自分から打ち明けてみました


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山葵(ライティング・ライブ6月コース)
 
 
今の陽気な私を知っている人には驚かれるかもしれないが、
実は私は、障害を持っている。精神障害者3級の手帳持ちだ。
でも今は、あまり引け目を感じていない。
職場でも公言し、SNSにも大っぴらに障害者であることを公開している。
 
私はカミングアウトをしたからこそ、
今こうして堂々と生きている。
 
 
 
親元を離れ県外の大学に進学した私。
実家にいたころは母親がカバーしてくれていたのだと、一人暮らしを始めて思い知った。
 
床が見当たらない。
一面が物で埋め尽くされている。
 
物が見つからない。
昨日そこにあったはずの提出物が、どこにもない。
 
時計が読めない。
数字を見てもピンとこないし、何かに没頭して、気づいたときにはもう講義が終わっている時間なんてことはしょっちゅうだった。
 
 
「私、生活、できてないよね……?」
引っ越してきて一年も経たずに私の生活は破綻した。
 
 
部屋が散らかっているから常に探し物をしているし、
そしたらそれに熱中しすぎて遅刻も増えるし、
結局見つからないままの提出物が数えきれないほどある。
 
そうしたくてしているわけではないけれど、どうしても上手くできなかった。
人からの信用がなくなっていくのが手に取るように分かってしまって、悔しくて辛かった。
好きだった友人も何人も私から離れていってしまった。
 
 
当然だ。時間も守れない、何かに熱中していて連絡もつかない、落ち着きもない。
どこに好かれる要素があるだろう。たくさん困らせた。
傷つけたし、私も傷ついた。
 
人と関わるのが嫌になって、学校に行かなくなった。
行こうとするけれど体は教室へは向かず、その代わり、大学の図書館に通った。
 
 
 
私は何かを分析するのが子どものときから大好きだった。
大学図書館に入り浸っていた時期には自分のことを分析するのに熱中していた。
心理学に興味があったので、コミュニケーションの本や、マインドハックの本、心理療法の本などを片っ端から読んだ。学校に行けない私には、時間はたっぷりあったから。
 
そして、認知行動療法関連の本を読んでいるときに、発達障害のことを知った。
・片づけができない
・時間感覚がない
・聴覚や触覚、嗅覚がとても過敏
・計算ができない
・落ち着きがない
など。
書かれていることすべて、生活を見られていたのかと思うほど、私そのものだった。
 
読めば読むほど思い当たることしかない。ちょっと怖い。
でも、なんだか安心した。
 
今まで改善しようとしても、どうしても上手くいかなかったことが、
そういう“特性”のためだったのだと思うと、心が軽くなった。
読んでいた本には、症状だけでなく対策も書かれていたので、
分析好きな私はメモを取りながら熱心に読んだ。
 
私ってこう扱えばいいのか!
自分に障害があるかもしれないというのに、
知らなかった自分の部分が解明されて、しかも扱い方まで分析できるものだから、
むしろ楽しくなっていた。
 
とはいえ、本当に生活がめちゃくちゃで学校にも行けていない事実があるので、
精神科に行ってみた。
やっぱり発達障害だった。おまけに躁うつ病にもなっていたらしい。
分かってはいたけれど少なからずショックはあったので、友達には初めのうちは話さなかった。知られたら、もっと嫌われるんじゃないかって、怖かった。
自分に自信が全くなかった。それに、障害だから許してほしいというようにとらえられてしまう気がしたから、言えなかった。
 
 
 
診断書という医者からのお墨付きを得た後の
私の自己分析はフルスピードだった。
だって、自己分析が進んで生活が上手くできるようになれば人ともっと上手く関わることができると思ったから。
人間関係が嫌になっていたけれど、人と話すのが大好きな自分もいる。
たくさん自分の特性について調べて勉強してトライ&エラーを繰り返して、できるかぎり早く素敵な人間関係を取り戻したかった。
これまで以上に図書館で書籍や論文を読み漁り、体調がいい日には発達障害の当事者が集まる自助会にも積極的に参加した。
常にメモを持ち歩き、自分の生活に活かせそうなことや、試してみたいこと、自分の気持ちの変化などを、毎日書き込んだ。
 
そうして私は、これまでの自己分析メモを1冊にまとめた。
自分でも上手く扱いきれない人間だから、私と関わる人はもっと難しいだろう。
だから自分のことについて相手に伝えられる説明書のようなものがあれば、関わり方を見出しやすいと思ったのだ。
 
人に障害という弱みのことを話すのは、本音を言うと今でも怖い。
でも、特性が強く出たときに障害を知られるよりも、あらかじめ打ち明けておく方が、
相手を驚かせたり怒らせたり心配されたりしなくなるのではないかと思う。
何ともない元気なうちに言っておくことで、どうしても症状が出てしまったときに私も相手も楽だと私は考えている。
 
障害だと言うことで、相手に何かしてほしいとか、障害だから許してほしいとか、免罪符にするつもりは全くない。
ただ知ってもらえているだけで、安心する。
隠していたときは特性を抑えるのに必死で、気が気ではなかった。
いつ人が離れていくか分からない恐怖があった。
 
しかし思い切って自分の弱みを伝えてみると、意外と受け入れてくれる人が多かった。
障害を踏まえたうえで私と関わり続けてくる人がたくさんいることがとても嬉しい。
むしろ障害というバックグラウンドがあるからこその魅力だと言ってくれる人もいた。
「実は私も同じようなことがあった」と、自分の弱みも打ち明けてくれる人がいて、仲が深まったこともある。
 
 
障害の有無にかかわらず、弱みを人に打ち明けることは甘えではないと私は思う。
もちろん弱みを説明する責任はないし、無理に話すことはしなくていい。
でも、その弱みをシェアすることで発展する人間関係もあるかもしれない。
私にとってはカミングアウトするということは、弱みも丸ごと自分の一部だと肯定できるチャンスだった。
 
 
弱みと向き合って分析して打ち明けたことで、私は今堂々と生きていくことができている。
 
 
 
 
***
 
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2023-08-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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