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「tsundoku 万歳!」


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:猪原皆子(ライティング実践教室1DAY)
 
 
書名が気になる、読みたい! と思ってお金を出して買った本なのに読まれずに「積読」(つんどく)されている本の数々を見ると、何だか後ろめたい気がしませんか?
いや、後ろめたく思う必要はないのはないでしょうか?
 
本によっては、はじめにと、あとがきを読んだだけで、あっ、大体こんな本だなと思ってしまい、ぱたんと閉じられてしまってまさに「積読」コーナーに直行されてしまうパターンの本、中には買っただけで読んだ気になって満足してしまった本も
たくさん、我が家にはあります。
そんな思いをずっと続けているときに、「積読でもOKなんだよ」と勇気づけられたのがこの本でした。
 
その名もずばり『積読こそが完全な読書術である』(永田希著)という本です。
この本のことを知ったきっかけは、『日本講演新聞』の社説の中でこの書名を目にしたときに、「読んで~」って
並んでいる文字が叫んでいる声が聞こえてきたのでした。その後、
「近くの図書館の在庫見てみよう」
「ああ、蔵書にはなっているけど予約4人待ち。これでは手元に届くまで2カ月ぐらいかかりそう」
「近所の書店の在庫検索をスマホで見てみよう」「残念、新刊本でもないし書棚にはもうない」
「リサイクルサイトを見よう。見っけた!
「でもいつ届くか分からないし、
やっぱり気になるから少しでも早く読みたい」
「中古品で少し割安のが見つかった! しかも3日位内に届く、ポチっ」
といういくつものハードルを超えて7月10日に、とうとうこの本が我が家にやってきたのです。
 
手に取ってまず思ったのは、「ブックカバーのデザインが意表をつく、字並びですばらしい!」
「タイトルはライティングゼミで習ったようにワクワクする、何でだろうと最後まで読み通そうと思えるなあ」
ということでした。
そしてまえがきを読み始めたところ、
「本の概要が目次に沿って、とても論理的に完結にまとめてある」
「好みの書き方だなあ」と興味津々に。
 
次はあとがき。「エピグラフ(巻頭や章の冒頭に記す引用文など)から始まっていてそれも魅力的だなあ。どんな番外編のお話を書かれているのだろうか、やっぱりさすがだ」と納得。
 
速読タイプの私は感じたのでした。
この本は、期待通り今まで知らなかったことが書いてありそうだ、中身を読みたい!
 
読み始めたら「どんどん読書術をテーマにした本が引用されている!」
「その各本の紹介の仕方がとっても端的でよくわかる」
「一体何冊読破してこの本を書き上げてられるんだろうか、巻末を見て数えてみたらなんと参考文献は100冊も」
「あ、そうか書評家だものね、さすがやわあ」
その次は感動した、気になった、読み返したいと思う箇所にどんどん小さな付箋を貼る作業に。
その箇所はあっという間に20カ所を超えていきました。
時間がすぎるのを忘れて、夢中に読み進めることができました。
で、終わったらすぐに、今度はじっくりと付箋のつけたところを意識しながら、ポイントとなる文章に鉛筆で傍線を引いていく作業へ。
 
ああ、やっぱりページをめくって進んでいく本っていいなあ、このわくわく感じは大好き!
と思わずにいられませんでした。
この本は積読の対象本ではなかったと一安心。
 
ところで、本1冊を出版するのには、著者だけでなく出版社、編集者、デザイナー、DTP、印刷会社などなど様々な人の手を通してできあがるのですが、素材である紙のことを忘れてはいけません。
何年もかかって育った木が伐採されます。そのあといくつもの工程、人手を通って1枚の紙にようやくできあがるのです。
 
なのに、ある一定期間本屋に並んだものの、売れなければ残りの在庫の梱包は開かれることもなく、裁断されてしまうのです。
1日に200冊も発行される世の中のシステム上、仕方がないと言えばそれまでなのですが、あまりにももったいないではありませんか。ということを、とある100年続く価値のある本と思う本しか出版しないという小さな出版社さんからお伺いし、なるほどと思いました。
そのように考えると、我が家の本棚にまでたどり着いただけでも、たくさんのハードルを超えてよくやって来てくれたなあ、万々歳と感無量になります。
 
買った本でなくても、図書館の本でも一時期、我が家の本棚に並んでいることで嬉しくなります。
 
今回は閉じてしまったとしても、後々思い出して読んでみたら感動することもあります。
 
ひょっとして遺品になるかもしれません。けれどこの本を見つけた次の人が、タイトルにドキッとして本を開けてくれる可能性だってあります。
 
特にこの『積読こそが完全な読書術である』という本は背表紙でさえ、横向きに積まれていても読める字並びのデザインです。
あれっ?
って目に留まる確率高いです。
 
中古品として出品したっていいのです。誰かがこの本に惹かれて読んでくだされば、この本の使命は全うされたことになります。
1冊の本が自宅の本棚に存在しているというだけで、十分精神的な影響を与えると思いました。
 
そして、この積読が「tsundoku」になっていたなんて知りませんでした。つまり、外国語で同様の概念を表す単語はなくローマ字表記として普及しているのです。
なんと明治時代に考案されていた、このすばらしい日本語、積読が。
さて、次はどんな本を自信を持って、我が家にお迎えしましょうか?
 
 
 
 
***
 
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2023-08-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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