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高校野球チームの編成はルパン3世が理想?


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記事:菅 宏之(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
2023年8月6日から、第105回全国高校野球選手権記念大会が始まった。異常気象の炎天下の中、好ゲームを期待したいところである。
今回の夏の甲子園が始まる前に、出場校の紹介と分析をテレビのニュース番組や特番で観ていたが、その中で某高校の監督さんが、「うちにはキャプテンを選ばないのでいません。我々のチーム作りの理想は、ルパン3世なんです」と話をされていた。どういうことなのかな? 話が進む中で、「ルパン、次元大介、峰不二子、石川五右衛門は、目的のものを盗むために手を組むプロの集団。その中にキャプテンはいない。それぞれがお互いの動きを見て、自分でどうするか考えて、行動に移す。それがうちのチーム作りなんです」
 
私も息子が高校で硬式野球をしていたこともあり、3年間部活の保護者会でいろいろと世話をした。当然、チームづくりを目の前にしてきたわけだが、監督やコーチはその年、その年のキャプテンを選出して、そのキャプテンを中心に築いていた様に思う。
確かにキャプテンを選んで、そこから主力の選手を決めていけば、チーム作りも築いていく様が見えやすいかもしれない。なぜなら、キャプテンを選んだ時点でチームカラー、即ち方向性が見えるからだ。
息子がいた高校だけだはなく、対戦する各チームも同じようなチーム作りをしていたと思う。この過程で誰が一番チームのことを考えるだろうか? 多分にキャプテン自身ではないだろうか? 日々の練習の中で、一番監督から怒られるのがキャプテン。対外試合で監督と共にあいさつや先行後攻を決めるのもキャプテン。試合前にチームの気合を入れるのもキャプテンだった。
 
息子の世代はコロナ禍により、夏の甲子園が中止となった。そんな中で県大会や地方大会で負けた際には、キャプテンがチームや保護者に詫びた。監督からは「今年はキャプテンの○○君の色が出た良いチームだった」と、例年同じことを語っていた様に思う。
それはそれで、保護者の方からも涙を流しながら「よくやった!」となったわけだが、選手一人一人の成長の視点から見た場合、一番成長したのはキャプテンだったということだ。恐らくチーム全体のことを考えて一番悩んだ結果、そのご褒美として一つ上の成長のステージに上がったんだと、感じた瞬間だった。
他の選手も日頃の苦しい練習に耐えて、チームのために応えたと思うが、果たしてキャプテン以上に考え抜いただろうか? と感じてしまうのである。
 
練習試合を観ている中で、他の選手たちはキャプテンが決める、判断する、とある種他責になっていなかっただろうか? そう感じてしまうシーンが何度かあった。「あっ、彼は考えてプレイしていない」と心の中で感じたものだった。
 
そこである。冒頭に記した「我々チーム作りは、ルパン3世なんです」だ。
これはどういうことかと考えると、「キャプテンだけにチームを任せずに、選手一人一人が考えて、プレイしろ」ということだろう。
自分を含め保護者は、それぞれ息子をどうしても親の立場で観てしまう。「どうして主力から外れたの?」「監督はわかっていない」とか、そういうエゴの目線である。
要は選手たち自身がどう感じたか? が大事で、チャプテンを据えてチーム作りをするのは、その機会を逸してしまうのではないか? と某高校の監督は考えた様だ。
 
息子は大学に進学しても、野球を続けている。主力ではなかったので、高校で区切りをつけると思い込んでいたが、大学でも野球を続けると言った。時折球場に足を運ぶことがあるが、大学野球を観ていて感じるのは、高校野球と違って選手一人一人が考える機会が多い様に感じる。息子が野球を続ける「選択」をしたことは正解だったと思う。なぜなら、会って話する内容からそれを感じることができるからだ。
 
最近は、元プロ野球のOBが資格回復をして高校生を教える機会が増えた。一番は大リーグでも大活躍したイチローさんがOFFに高校巡りをして、指導していることだ。イチローさんの中でも選手には全部教えず、考えさせる程度に課題を残していくらしい。
そうした取組みが功を奏して、今年の甲子園では強豪を倒して初出場を果たした高校が例年に比べて多いと感じる。
 
ちなみにルパン3世は、1971年にテレビ放映されたもので、はや50年以上続いているアニメだ。始まった50年前と現在と比べて、世代や情勢が大きく変化している中で、きっとルパン3世も変化し続けているのだろう。アニメが野球にも大きな影響を与える時代になったわけで、これからもいろいろな作品が出て、好影響を与えてくれることを期待したい。
 
私自身もプロ野球を含めて、今は社会人野球、大学野球、そして高校野球を半世紀以上、観てきた「野球ファン」だ。その中で感じたこと、学んだことを仕事に活かしたこともある。
これまでの概念を崩して新しい風が甲子園に吹くことを、「野球ファン」として見届けていきたいと思う。
 
 
 
 
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2023-08-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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