コロナに罹った人への差し入れは是非これを!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:kana((ライティング・ゼミ6月コース)
「何かしてあげたい、でも、どうしたらいいんだろう」
別のところに住んでいる大事な人がコロナに罹ったとき、こう思う人はたくさんいるだろう。
実際にコロナに罹ってみて、必要とするものが「想定と違っていた」点が、いくつかあった。
このコロナ闘病記を読んで、皆さんがコロナ患者さんへ差し入れをする時の、ヒントになったら嬉しい。
※私は医療従事者ではなく、本記事は私見です。
※人によって症状は大きく異なりますので、あくまでご参考程度にお読みください。
「………k…こえが…でません…………」
蚊の鳴くような声すら出ない自分に、驚いた。
朝から喉が乾燥している気はしたが、熱はなかったから出社した。
そうしたら午後から、あれよあれよという間に声が出なくなった。
抗原検査はバッチリ2本の線。
コロナ陽性だった。
コロナ禍に入ってから、アルコールスプレーを持ち歩口など、すごく気をつけて生活してきた。
正直なところ、突然声が出なくなる異常さには驚いて病院にいったけれど、自分はコロナに罹っているわけないと思っていた。
「明日から自宅療養かー」
病院を出て自宅に帰る前に、最後のチャンスと思って買い物をした。
5日も家にいたら、きっと冷蔵庫の食糧は底を尽きる。
さながら冬眠前のリスのように、美味しそうな冷凍食品など、簡単に食べられるものをたくさん買い込んだ。
家に帰ると、だんだん喉が痛くなってきた。
とりあえず、水分をとって今日はもう寝ることにした。
風邪をひいた時のように、たくさん眠れば具合はよくなるだろう。
この時の私は、まだコロナを舐めていた。
本番はここからだった……
2時間後、喉の焼けるような痛みで飛び起きた。
「なにこれ。火災起きてるよ」
消火活動にあたらねばと、冷蔵庫の冷たい水を飲む。
ごっくん、と飲み込んだその瞬間、激痛が走った。
炎の勢いの凄まじさに、消火活動はあえなく諦めた。
「頼む、寝かせてくれ」
横になっていても、喉はジンジンとその存在感を主張してくる。
喉を潤したいけど、飲み込むと激痛が走る。
飲み込まずに喉を潤せる、のど飴が欲しいと思った。切実に。
引き出しを漁ると、いつ貰ったのかよくわからないのど飴がいくつか出てきた。
それは、溶けかかって包装紙にベチャベチャくっつき、健康な時なら決して食べたいと思わない代物だった。
でも喉が灼熱地獄の今となっては、砂漠で見つけたオアシス同然だ。
「捨てずにとっておいた私、ナイス!」とすら思った。
のど飴を舐めて、多少痛みが緩和した気がするうちに寝る。
しかし、喉の痛みで2時間おきに起きてしまい、そのたびに貴重なオアシスのど飴は減っていった。
そして迎えた翌朝。のど飴はすでになくなっていた。
のど飴を今からネット注文しても、明日にしか届かない。
詰んだ、と心から思った。
しかしここで、友人からの「栄養ゼリーのパウチとポカリと、トローチを送っといた」という旨の連絡に気づいた。
「ト、トローチがくるだと……!」
まさかの救援物資の到来に、心の中のすべての私が手を取り合って涙を流し、歓喜した。
友人、ナイスすぎる。私が国王なら、ぜひ彼の銅像を建てたい。
「ヤマトでーす」
早速、宅急便のお兄さんがきた。
インターホンに出て、「玄関先においてください」とカッスカスの声で伝える。
開けてみると、入っていたのは栄養ゼリーのパウチとポカリだった。
トローチはまだか…、と一瞬落胆した。
しかし、買い込んだ冷凍食品もろくに喉を通らないため、栄養ゼリーも非常にありがたかった。
ゼリーが到着する前に、固形物じゃないから食べられるはずと思い、カップスープを作って飲んでみた。
しかし、トマトの酸味が喉に染み「っくぅ〜〜〜〜」となった。
こんなこともあり、恐る恐る栄養ゼリーのパウチを飲んでみると、喉に染みないし、喉をツルツル通る。
こりゃいいや。
私が自宅療養前に買い出すべきだったのは、冷凍食品じゃなくてこれだったみたい。
しかし、ゼリーとはいえ、喉を通る時はやはり激痛が走る。
なんとかしたいと考えた私は、妙案を思いついた。
パウチを凍らせてしまうこと。
凍ったパウチを揉みながら飲むと、シャーベット状のゼリーが、喉を冷やしながら滑り落ちる。
冷たさに、喉がいっしゅん麻痺して痛みを感じにくくなる。
諦めかけた消火活動を、再開できる兆しが見えた。
ポカリも冷凍庫に入れて、凍らせて飲むことにした。
夜中に痛みで起きてしまった時も、シャリシャリに凍ったポカリが喉を滑ると痛みが少し和らいだ。
なんでも冷凍したくなった私には、一つ問題点があった。
それは、「一人暮らしの冷凍庫は小さい」。
パウチやポカリを冷凍しておく場所が、十分確保できない。
熱もあり氷枕も冷凍庫に入れているから、なおさらだ。
今回、友人がくれたポカリは、偶然にも300 mlという小さいサイズだった。
これは、冷凍庫の隙間にちょこちょこと入れることができ、非常に便利だった。
もしこ2Lのサイズだったら、冷凍庫に入れることはできなかっただろう。
荷物を受け取った時には、「なぜこんな小さいサイズのペットボトルをたくさんくれたのだろう」と疑問に思ったが、ここで感謝に変わった。
こうして、のど飴が切れてから遅れてトローチが届くまでの間を、なんとか乗り切ることができたのである。
後日、落ち着いて調べてみたら、私が発見したようなコロナ対応ライフハックは、たくさんネット上に転がっていたようだ。
私がコロナ闘病でもらって嬉しかったものは、①栄養ゼリーのパウチ、②スポーツドリンクの「小さい」ペットボトル、③トローチの3つ。
そして、ぜひ冷凍庫で凍らせて、喉を冷やしながら摂取することをおすすめして欲しい。
もし、遠くに住んでいる大事な人がコロナに罹ったら。
心配でいてもたってもいられないけど、あなたは落ち着いて、救援物資を送ったり、コロナ対応ライフハックを教えてあげたりしてくださいね。
***
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