我が家の晩酌はかっぱえびせん
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:佐藤京子(ライティング・ゼミ8月コース)
私は、一般的なご家庭と比べると、半径2メートル以内に、夫がいることが多い。
夫と私は、会社が同じで、上司(夫)と部下(私)の関係性。
職場では、目の前の席に、上司の夫が座っている。
休みの日の過ごし方も一緒。
トイレとお風呂以外は、ほぼ一緒。
もう、この関係は25年にも及ぶ。
夫婦の役割と、上司と部下の役割を、無理なく果たすため、ここ15年、我が家では毎晩、夫婦で「晩酌」が行われている。
二人の晩酌時間は、19時から開始され、3時間続く。
好きなおつまみでビールを飲みながら、お互い興味ある共通の番組を一緒に観て過ごす。
「ビール取る?」以外、たいした会話もない。
しかし、この3時間が、我が家にとってはとても大切なのだ。
アルコールを摂取することで気分が高揚し、感情が豊かになることから、仕事のことも、相手の些細な言動も、気にならなくなる。
アルコールのおかげで、笑いのつぼも浅くなり、ちょっとしたことが楽しくなって、笑いが増える。
また、昨夜の出来事に関し、都合が悪いことは「飲みすぎて覚えていない!」を発言でき、相手に「仕方ない」と思わせることもできる。
その日感じた、お互いのストレスをビールで洗い流し、明日に繰り越さない。
このことが重要なのだ。
ただ、我が家の「晩酌」は、普通の枠をちょっとはみ出ている。
我が家の「晩酌」で、主に摂取するのはビールである。
厚生労働省のホームページでは、「節度ある適度な飲酒」として、一日のビール摂取量が500ml(中瓶1本)となっている。
我が家の場合は、「逸脱した過度な飲酒」に該当。
夫が1日3ℓ、私が2ℓ、計5ℓが、毎日消費されている。
一時、自宅が居酒屋仕様になっていた時期もある。
業務用のビールサーバーを自宅に設置。
週3回、酒屋さんがビールの樽(アサヒスーパードライ10ℓ)を、配達料無料で自宅に届けてくれる。
酒屋さんには「市内にある飲み屋さんより儲かります」と感謝されたほど。
ただ、グラスに注ぎ放題で、通常の摂取量をはるかに超えて飲酒してしまうことから、惜しまれつつ撤退となってしまった。
週2日は、お酒を飲むのを控えましょう。と言われている「休肝日」
「休肝日」とは、肝臓を休めるために、週に1日以上飲酒しない日を設けることを推奨する目的で作られた造語で、肝臓など臓器の回復や、アルコール依存症を防ぐために必要な肝臓の休日とされている。
我が家の場合、休肝日を設けることなく365日ほぼ毎日飲酒。
病気と依存症のリスクが伴う「過重な肝臓労働」で訴えられるレベル。
毎日5ℓ消費するビールの費用もハンパない。
「アサヒスーパードライ500ml」が1本280円。
1日10本×年間360日で計算してみると、年間1,008,000円の支出となる。
我が家の場合、1,008,000円分の水分が、体内を通過し、体外に放出され続けていることになる。
過去に一度、夫婦会議をしたことがある。
ビールはコスパが非常に悪く、空き缶のゴミも大量に出てしまう。ビールではなく他のアルコールで代用できないか。
何種類か試したが、カロリー高い、糖質が多い、美味しくない、酔えない、逆に酔いすぎる、などなど不満が生じ、結果、ビールに次ぐ第三のビール(リキュール酒)「のどごしZERO」で落ち着いた。
プリン体ゼロ・糖質ゼロ・甘味料ゼロなのが魅力的。
1本の値段も、スーパードライ(500ml)より約60円安い。
年間で比較すると、216,000円の支出が抑えられる。
この対策で、我が家の缶ゴミ廃棄量は変わらないが、出費を抑えることができ、プリン体ゼロで健康面でもプラスとなった。
長年の晩酌で心配になるのが健康への被害。
年に一度の健康診断日を、チャレンジデーと称し、お互いの結果を競い合っている。
遺伝からか、偶然にも夫婦そろって肝臓は強いらしい。
健康診断の血液検査では、若干標準値をはみ出ることもあるが、毎回結果は上々。
ただ、夫の体型には多大な影響が出てしまっている。
ビール腹という、中高年の代表ともいえる立派な腹回り。お腹に付いた浮袋を外すことができない。
晩酌を始めてかれこれ15年。
これまでの晩酌にかかった支出は10,000,000円を超える計算になる。
金額に換算すると、実に恐ろしい!
では、この異常と理解しつつ行っている晩酌を、いつまで続けるつもりなのか。
この晩酌の辞め時が、非常に難しい。
晩酌をした3時間と晩酌をしない3時間では、その場の空気が全く異なるからだ。
特に、相手だけが晩酌し、自分が晩酌しない3時間は、とても居心地が悪い。
大学進学を機に、娘が家を出てからは、尚更そう思う。
我が家は、晩酌の存在なしでは、夫婦の関係を持続できない気がしている。
晩酌は、かっぱえびせんと同じで、「やめられない、とまらない」存在となってしまった。
私の定年まであと10年。先はまだまだ長い。
昨日、結婚記念25周年を迎えた。
これもひとえに、晩酌のおかげと感謝しつつ、毎年の健康診断でジャッジを受けながら、正常寄りに修正した晩酌ができるよう、模索していこうと思う。
※ビール(スーパードライ、のどごしZERO)の金額は、値上げ前(2023年10月1日以前)の金額です。
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