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勝者になるために、必要なたった一つのこと


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小栗 健吾(ライティング・ゼミ 10月コース)
 
 
A社長のひと言で、その場の全員が凍り付いた。
 
Bさんに出会ったのは、1年半ほど前のこと。
僕がA社長と親しかったこともあり、あるビジネスコンテストの取組の取材に伺ったときだった。
姿勢がよく、強い眼力と意志を感じる女性だった。偶然にも共通の親しい友人がいてすぐに仲良くなった。
 
Bさんはあるビジネスコンテストをまとめるチームのリーダーをしていた。
「本気で全国優勝を狙っています」と意気込んでいた。
本社は広島にあり、まずは中国ブロックでまず優勝しないと全国大会には出られない。彼女を中心にチーム一丸となって頑張っている姿が見てとれた。
 
取材をすると、驚くことがわかった。
Bさんは、正社員ではなく、時短勤務の契約社員。小学生のお子さんが重度の障がいをもちながら、普通の公立小学校にいれているので、長い時間は働けない。
「そんな状況を知っているのに、A社長は私をリーダーに指名したのです。ひどくないですか?」とBさんは笑いながら言った。
 
中国ブロックの大会当日、Bさんのプレゼンは素晴らしいと思ったが、残念ながら準優勝に終わった。彼女は少しホッとした顔をしていた。
当日の夜に、報告会を兼ねた慰労会が近くのホテルで行われ、リーダーのBさんが皆の前でマイクをもち話した。
「全国大会には出られませんでしたが、中国大会の準優勝ということで大満足です」と発言をしたとき、A社長が発言をした。
 
「今の発言には違和感があるな。確かに頑張った。でも地方大会の2位で本当に大満足なの?そんな思いしかなかったの?」
そのA社長の発言に、部外者の僕ですら、全体が一気に凍り付いたのがわかった。
Bさんは、目頭をおさえながら、ホテルの会場を飛び出していった。
 
気になって追いかけると、3Fの端っこのソファで泣き崩れていた。
 
「私は、時短の契約社員ですよ! 子供も重度の障がい者! そんな中でも、こんなに一生懸命にやって頑張ったのに!」
泣きじゃくるBさんに、僕にはかける言葉もなかった。
うまくフォローもできず、何ともいえない気持ちになって、翌日僕は 広島から名古屋に戻った。
 
3か月後に広島を訪れたときに、そこで驚きの光景を目にした。
Bさんは次の年のコンテストの全国優勝を目指して既に動き出していた。
今度はチームリーダーにも立候補して。
 
驚いて話を訊いた。
 
「正直、しばらくの間、やさぐれましたよ。A社長をぶん殴りたいとも思いました。
でも、段々と自分に指が向きました。口では【本気】と言いながら、私の【本気の覚悟】が足りなかったことに気づいたのです。
どこか契約社員だから、時短勤務だから、押し付けられたリーダーだから、子供も重度障がいだからといいわけを用意していたことに気づきました。
そんなとき、ふと息子を見ました。息子も重度の障がいでも、公立小学校で懸命に色んなチャレンジをしている。そんな息子の前で私が逃げる姿を見せるわけにはいかないとようやく本気の覚悟を決めました」
そういってBさんは笑いました。
 
正直にいえば、呆気にとられて言葉がでなかった。
なんで、そんな状況で、あんな厳しい言葉をもらって、前向きになれるのか。
さらに、すごい熱量を感じるのだ。
ああ、人の本気とはここまで熱量がでるものなのか。
言い方は極めて失礼だが、時短勤務の契約社員に、正社員の管理職も完全に巻き込まれてどちらが上司かわからない状況になっていた。
 
そして、今年の夏。中国大会を優勝して、全国大会へ出場が決まった。
同日夜の慰労会では、「単なる通過点です。必ず全国優勝します!」と声高らかに宣言した。
そして、全国大会。各ブロックの代表も素晴らしかったが、Bさんのチームは圧倒し、公約通り全国優勝を果たした。
僕自身、会場でBさんの本気のプレゼンを見ながら、涙が止まらなくなった。
周りをみると、大勢の人がハンカチで目頭をおさえていた。
立ち上がって拍手を送っている人も大勢いた。
 
本気の覚悟をもった人には誰も勝てない。
勝利者に唯一必要なのは、本気の覚悟だ。
 
祝勝会の会場で、友人のA社長にあの日の発言を問い質してみた。
「俺はね、Bさんの可能性を信じきっていたからね」
 
「いや、でもあのいい方は僕が聞いていてもひどいと思いましたよ」
 
「全員そう思っただろうね。でも俺には彼女ならもっとやれる確信があった。だからリーダーにしたのだよ。時短勤務とか契約社員とか関係ない。そして、慰労会での彼女の発言は明らかに違和感があったからね、俺も覚悟をもって踏み込んだ」
 
A社長とそんな会話をした後で、ホテルの部屋に戻って自問自答した。
僕自身が、同じことを部下にできるだろうか。そこまで踏み込めるだろうか、信じきれるだろうか。
答えは否だ。とてもできそうもない。
 
そして、全国大会のプレゼンの最中にBさんから出た一言が今も頭から離れない。
「あなたの本気は、そんなものですか?」
 
 
 
 
***
 
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2023-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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