メディアグランプリ

占いへの誤解の解消、占ってもらうほうにも技術が必要だ


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記事:上山竜太(ライティング・ゼミ10月コース)
 
 
「占いって根拠ないですよね? 科学? 統計? 根拠ないですよね。なぜ信じるのですか?」
というのは、占いが好きでも嫌いでもない人、占いが苦手な人の大多数が抱える思いではないだろうか。私自身も占いのことは100%信じてはいないし、スピリチュアルな世界は苦手である。
 
日本人は63%と約2/3の人が「無宗教」であるという調査結果があり、国別の無宗教の人の割合は世界でも5番目に多い。
しかし、多くの日本人は無宗教なのに初詣は神社に行くし、お寺にも行く。お賽銭を入れお参りをする。信じていないはずの神や仏に図々しくも願いを伝えるのだ。そして、神社の帰りにはおみくじを引いて、その結果に一喜一憂する。
 
無宗教なのになぜ? と思うが、無宗教の人でもやはり心のよりどころというか、何か頼りたくなるものもあるのだろう。おみくじにだってその内容に根拠はないが、何かしらの「メッセージ」を受け取りたくなるのであろう。まあ、おみくじはその場で結んで帰る人も多いから、おみくじの内容を頼りに生活している人はほとんどいないと思いますが……。
 
ある団体の調査によると「占い・おみくじを信じる」人は全体の32.5%であったとのこと。やはり全体の約2/3にあたる人は占いやおみくじを信じていないようである。信じていないとはいえ、エンターテイメントとして楽しんでいる人はもっと多いように思う。
 
占いにはいくつかの種類があるようで、大きく3つに分かれる。
一つは星占いのような、生まれた瞬間に運命が決まっていると占うもの。紀元前からもう2000年以上の歴史がある。これはもう星の並び等決まったものがあるようなので、大変緻密な計算の元に導かれるが、いつ誰が占っても基本的に結果はほぼ同じになるようだ。
 
二つ目は手相のように形を占うもの。これはわかる気持ちとわからない気持ちが半々である。手相や人相というのは生まれ持ったものもあるが、人間が生きて成長する中で変化のあるものなので、そこに生き様は現れると思うからだ。
 
三つ目はタロットのような、その時の次第で結果が変わり、偶然の中に答えを導きだすものである。これは個人的に何かわかるような気がする。毎回結果が変わるはずだが、まさにこの偶然が運命と言える気もする。
 
このタロットのような偶然の中で答えを導きだす占いの種類を「卜術(ぼくじゅつ)」と言う。個人的に卜術がいいなと思うところは、上にも書いたように結果が変わり偶然の中にヒントとなるものがあることと、断言をしないという点である。
占い師のイメージに「○○をしなさい」、「■■をしないと地獄に落ちます」「あなたは結婚できません」と断言してしまうイメージがある人も多いと思う。断言できる占い師さんがもしいるのであれば、ギャンブルでは負けなしでお金には困らないことであろう。しかし、現実にそんな人は存在しない。
 
卜術は偶然の中にヒントを見出すため、断言はしないそうなのである。「こういうカードが出たので、○○のように考えるといいですよ」というヒントを与えてくれる。
タロットいう存在は多くの人が知っているだろう。一口にタロットと言っても様々なやり方があるそうなのだが、基本は出てきたカードの絵柄や並び、向きによって占いものである。向きや並びといった結果はその時によって毎回異なる。そのメッセージを読み解くのに、そこに占う側の技量が試されるようである。
 
「○○をしなさい」ではなくて、「こんな風に考えてみたらいいんじゃないですか?」という点がとても良い。絵柄からメッセージを読み解く点で結果は読み手の解釈次第にはなるが、決まった結果ではなくその時の偶然から何かヒントがもらえるのは良いなと思う。
そして、その結果を受け取る方にも解釈する技術が必要である。はっきりと「○○をしなさい」と言われないので、得られたヒントをどう解釈するかは、受けて次第ということになる。占いはするほうもしてもらうほうも、技術が必要なのだ。
 
企業の経営者等のトップ層は占いが好きな人が多いようである。トップに立つとアドバイスをしてくれる人もなかなかいない。そのため、大きな決断をするときや、転機を迎えると占ってもらうことがあるようだ。企業によっては専属の占い師もいるそう。
決して「●●社を買収しなさい」とか「○○社とはお付き合いをやめましょう」なんて答えは求めておらず、今後、自身や会社がどのように進むべきか、どのように考えるのかといったヒントをもらうために占いを用いているようである。
 
私は経営コンサルタントという、ビジネスを行っている経営者や個人事業主に様々なアドバイスを行っている。しかし、アドバイスというのは、これまで得た知識や経験の中からしかすることができない。人生や生き方については、数々の修羅場をくぐってきた経営者に向かって有用なアドバイスなんてそうそうできない。あくまで自分が積み重ねてきた経験の中や、一般論でしかお話はできない。
そこで占いを勉強してみて、何かきっかけとなるアドバイスができるようになったら、仕事の幅も、自分の言葉の重みも、増していくのかなと思う。偶然の中からも自分の中にはない目線での考えが出てくるかもしれない。
 
そう、占いの「答え」ではなく「気づきやきっかけ」なのである。信じる/信じないという観点で考えるのがそもそも間違っていた。占いのことはかなり否定的に考えていたけれども答えを求めるものではないと気付いた時、有益なツールなのではないかと思うようになった。
 
 
 
 
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2023-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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