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メディアグランプリ

引きこもりの原石

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:(2023年・年末集中コース)
 
 
「娘ね、実は引きこもりなの。 小学校6年生から学校行ってないの」
 
と姉。
 
「え? そうなの?」
 
と私。
 
「今度、夜ご飯に行くとき、娘も一緒だけどいいかなぁ?」
 
と姉。
 
「もちろん!」
 
という私だが、少々当日まで不安だった。
コロナ渦と少し遠方に住んでいる為、会うのが6年ぶり。
且つ、学校行ってないとなると、姪と何を話したらいいのかなぁ。
 
「ユッキー、久しぶり!」
 
「あ……、こんにちは。」
少々うつむきかげんの姪。
 
「あー、お腹空いた。焼肉でも食べる?」
と姉。
 
「いいね! そうしよ!」
と私。
 
お店に入る。
姪はタンがお気に入りらしい。
その他は何でもいいと。
 
前半は、姉と私の近況報告合戦。
 
姪はごはんを食べながらスマホを触っている。
時より一人で画面を見て笑ったり。
姉も特に注意することなく自由にさせている感じ。
 
気を使っているのかな?
 
12月が誕生日だった私に、二人がプレゼントをくれた。
 
一つは、温めなさいと充電式の湯たんぽ。
もう一つは、姪が、私が趣味で声楽をやっているのを聞いたようで、
自分の好きなポケモンののど飴をくれた。
 
姪は遠くから私をよく観察してくれているようだ。
湯たんぽより目頭が熱くなった。
 
私も食事も終盤になったので、勇気をもって姪に話しかけてみた。
学校のことではなく、好きなダンスのことを。
 
「ユッキー、ダンスは楽しい?発表会とかないの?」
 
「年末あったよね!」
と姉が喋る笑。
 
すると、
「今は。ブレーキングダンスを習ってて……それが得意な好きなユーチューバーがいて……推し活中で……」
と姪が自ら私にたくさん話しかけてくれた。
 
なんかほっとした。
なんだ、普通じゃん。昔と変わらないじゃん。
 
偏見かもしれないけど、どこか傷つけないように話題や言葉を選んでいた自分がいた。
姪に申し訳なくなった。
 
そして自然と不登校の話になっていった。
 
姪は、友達にいじめられているわけでもない。
勉強がさほど嫌いでもない。
原因は、先生という大人の姿勢をよく見ていて、幻滅しているようだ。
 
学芸会の練習で、とある先生が、
 
「まぁ、(練習) それくらいでいいんじゃない?」
と言ったそうな。
 
姪はダンスや音楽が好きで、チームのリーダーで、一生懸命みんなをまとめ、最高と思える作品を作ろうと頑張っていた。
本番間近でプレッシャーもピークだった矢先、その一言で心がポキッと折れてしまったようだ。
 
先生にどんな理由や意図があったかわからない。
一生懸命やっているのを理解していて、もう充分じゃない?という意味だったのか。
単純に、自分の都合で早く練習を終わらせて帰りたかったのか。
 
姪は敏感に人を見ている。
初めて人に期待をし、裏切られたと思ったのかもしれない。
 
姪の話を聞いていて、学生の時の自分を思い出した。
 
私もどちらかと言うと、意志強めな子供だった。
先生の行動であれ? っと思うと、信用しなくなり、外をみる可愛げのない子供。
 
毎年同じ英語のプリントを使いまわし、試験問題にする先生。
1つ上の先輩にそのプリントをコピーさせてもらい、丸暗記。
授業中は机の下で漫画を読むか、夜の塾の余力を残すためにお昼寝。
見つかって怒られることもあるが、やめずに卒業した。
 
先生のその不誠実と思われる態度に言葉ではなく態度で抵抗していたのかもしれない。
 
姪もきっと同じ。
学校に行かないということで彼女なりの正義を通そうとしてる。
 
ただ、私よりも彼女の方が勇気があるというのか、
頑固なのか……。
将来を考えると、義務教育である中学校に通わないことはまだまだ世間的にNGである中で、リスクを取り過ぎている。
 
私は姪に伝えてみた。
今だから分かることを。
 
大人の理不尽と思える態度は、時にイラつかせ、軽視したくなる。
やる気さえ奪う。
けれど、そんなことで自分のもっと大きな夢を奪われないでほしいと。
相手の本音が分からない中、きっといつか悔しい思いをする。
無駄に思うこと(=学校に通うこと)をとりあえず黙ってやる。
いつかそれは、自分の大きな夢をサポートしてくれるはずだから。
 
私は、日々の仕事の中で腐りそうな今の自分にも言い聞かせるように、姪に話をしていた。
少しでもこのキレイ事が姪に響いてくれることを願って。
これから光るであろう原石を私はまだ見過ごさずにはいられなかった。
世の中を理解して、落としどころをつけるのはもっとずっと後でいい。
今は、まっすぐキラキラと夢や推しを追いかけ輝いてほしい。
 
姉は言うまでもなく、全部理解していて、我が子を見守っているように感じた。
懐が大きいなぁ。
 
“不登校”という言葉は悪で、どうにかして学校に行かせようとする親がほとんどの中、
姉はその姿勢を取らない。大丈夫か?って思うくらいに放任。
 
なぜ、それができるのか。
焦りはないの?
そういえば……姉もよく、学校から逃げ出してたっけ笑。
 
姉と姪と別れ、帰り道に携帯が鳴った。
姉からのLINE。
 
「今日は、ありがとう! ユッキーが推しリストを作って (私に) 送るって言ってるわ。
そして、学校にはまだ行きたくないけど、 (私に) 英語を習いたいそう。
時間をまたくれるかな?」
 
「もちろん!」
と私。
 
私は姪には期待をされていたいかな。
 
 
 
 
***
 
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2024-01-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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