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おばあちゃんのお花の先生は大おばあちゃん


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山下いずみ(ライティング・ゼミ2023年・年末集中コース)
 
 
「もう年だから自信ないわ……」
 
うちのおばあちゃんはアートフラワー教室の生徒である。
アートフラワーでは、真っ白い生地から花びらや葉っぱを切り出し、色を染め、針金で茎を成形し、生花のような造花をつくる。
造花といえばフラワーアレンジメント・ドライフラワーなどいろいろな種類があるのだが、それらとは趣旨が違う。
おばあちゃんの習っているアートフラワーの最終目標は、生花と見間違えるほどの外観であり、みたとたんに生花の香りがしてくるような造花をつくることである。
 
おばあちゃんは、アートフラワーを20歳から習い始め、73歳になった今では、展示会に出展するほどの腕前になった。
 
展示会は、アートフラワー教室の先生主催で、年1回開催する。
30名ほどの生徒が、アートフラワー作品を花瓶に飾って出展し、さらに、販売もする。
それぞれの作品には、テーマが付けられている。
展示会に来るお客さまは、作者がどんなテーマを付けたのか、なぜそのテーマを付けたのか、アートフラワーでどのように表現しているのか、作品を見ながら思い巡らすことも醍醐味のひとつである。
 
例えば、先日の展示会では、「一期一会」という作品があり、作者は、アートフラワーとの出会い、アートフラワー教室の生徒との出会い、今生かされアートフラワーができることに感謝し、このテーマを付けたと語っていた。
ただ単に作品をつくるのではなく、作品の中には作者独自のストーリーが込められているのだ。
だからこそ、ただの造花としてそこにあるのではなく、アートフラワーとして生き生きと存在することができるのである。
そのため、展示会に出展できる作品は、お客さまに感動を与え、お金をいただくことのできる価値があると認められたものだけである。
おばあちゃんが展示会に出展できるようになったのは、大おばあちゃん先生の厳しくも愛情深い特訓があったからなのである。
 
大おばあちゃん先生は、現在、88歳。
アートフラワー創始者である飯田深雪の一番弟子であり、日本一の腕前である。
飯田深雪は、103歳で生涯を終えた。
終戦直後から焼け跡の仮住まいでガウンの裾を利用して造花を作り始め、「アートフラワー」という造語を作り、世の中に広めた人物である。
また、NHKテレビの「きょうの料理」に初期から講師として出演し、西洋料理の普及にも尽力した。
著書は130冊以上も出版されている。
アートフラワー界には、若い世代の後継者が少なく、おばあちゃんのように70歳代でも「次世代」と呼ばれる年代で、大おばあちゃん先生のような存在が、現代まで、飯田深雪アートフラワーを引き継いでいるのである。
 
しかし、そんな偉大な大おばあちゃん先生は、88歳になった現在、展示会を開催するかどうか迷っていた。
 
「もう年だから自信ないわ……」
 
「年齢なんて関係ありません。飯田深雪アートフラワーを引き継ぐために展示会を開催しましょう」
 
おばあちゃんは、大おばあちゃん先生を勇気づけるように言った。
おばあちゃんは、フラワーアレンジメントでもない、ドライフラワーでもない、唯一無二のアートフラワーを日本国内で存続させるためには、自分が大おばあちゃん先生を支えるしかないと思っていた。
 
展示会を開催するためには、資金集め、作品集め、さらに、集客が必要である。
しかし、88歳の大おばあちゃん先生は、気力・体力ともに自信をなくしていた。
おばあちゃんはどのように大おばあちゃん先生を支えたらよいのかと考えた。
「支えたい!」という思いはある。
しかし、おばあちゃんは、年金暮らし、一人暮らしであり、財力も集客力もない。
 
そんなとき、おばあちゃんは1冊の本に出会った。
「強運の法則」(西田文郎著、日本経営合理協会出版局)という本である。
その中には、「世の中は他人を喜ばせた人が勝つ仕組みになっている」という教えがあった。
 
「そうか! 自分たちのためだけに展示会を開催するという思いではだめだ。世のため、人のために展示会を開催しよう」
 
おばあちゃんは、アートフラワー創始者である飯田深雪の信念を思い出した。
アートフラワーの始まりは、戦後の日本を豊かにすることであった。
それならば、現代も、災害、コロナ禍で元気をなくしている日本をアートフラワーで元気づけることができるのではないだろうか。
おばあちゃんは早速、「日本を元気づけるために展示会を開催する」という目標を掲げ、それを紙に書いて、冷蔵庫に貼った。
冷蔵庫に貼れば、毎日みて、意識することができるからである。
そして、会う人、会う人に、アートフラワーには関係のない人にまで、「日本を元気づけるために展示会を開催するんです」と伝えまくった。
新聞屋さん、郵便屋さん、ご近所さん、歯医者さん、スーパーの店員さんなどなど所構わず伝えまくった。
SNS発信ができないおばあちゃんには口頭で伝えることが最大の周知方法であった。
すると、どうしたことか、大手百貨店の経営者から「ぜひ、うちで、無料で開催してください!」というオファーが入り、資金集めの苦労がなく、展示会を開催できることになったのである。
 
世のため、人のためと思うことで、奇跡が起きた!
 
もう年だからとか、私には無理だとか、できない理由を考えると、無限に出てくる。
しかし、できないと思っている理由に根拠はあるのだろうか。
できないと自分が自分に限界を設定しているのではないだろうか。
自分のやりたいことが私利私欲ではなく、世のため、人のためであるならば、自分の意識に植え付け、発信してみよう。
きっと、協力者がみつかるはず。
私のやりたいことは世のため、人のためだろうかと、毎日、問いかける。
 
 
 
 
***
 
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2024-01-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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