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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:京 みやこ(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
「みやこちゃん、おはようさん」
「……」
「すみませんね、恥ずかしがり屋で。みやこ、おはようさんは?」
そう言われると、いつも母のスカートの後ろに隠れていた。
覚えているのは、ただ恥ずかしかったことだけ。
 
小学校に入ってからも恥ずかしがりは変わらなかった。
「答えがわかった人は手を上げて」と先生。
しかし答えがわかっても、手を上げる勇気はなかった。いつも決まった子が手を上げ、先生に得意げに答えるのを見ていた。別に羨ましくはなかった。答えが間違っていたら恥ずかしい、とかではなく、みんなの前で発表することが恥ずかしかった。
一番嫌いな授業は、作文と絵だった。
「お母さんについて作文を書きましょう。今からこの時間内に書いてください。どんなことでもいいですよ。自分が思うことを何でも書いてみましょうね。」
これが一番困る。自分が思っていることを書くことが一番恥ずかしいからだ。大体、自分が思っていることをなぜみんなに言わなければならないのだ。
国語の授業で「この文章の中で、◯ページの◯行目の『それ』は何を指していますか」と先生が聞く。それに答えるのは簡単だ。なぜなら、答えは決まっていて、私がどう感じたのかなんて答えなくてもいいからだ。
母のことを自分がどう思っているか、そんなこと人に聞かれるのも恥ずかしいし、その前に目の前の原稿用紙に書いて自分がそれを見るのさえ恥ずかしい。だから、そのような作文の時間内に私が作文を完成させたことは一度もなかった。
絵も、目の前に何かが置かれていて、それを写生しましょう! だったら何とか描けた。しかし、写生遠足というものが年に一回あった。みんなで校外に出かけ、公園のようなところで何か描けと言われる。そんな時は何を描いて良いのかがわからなかった。
まず対象のものを選ぶことができない。そして時間は過ぎていき、友達はすでに何かしら描き始めている。私は真っ白の画用紙と睨めっこして、もう何でもいいやと観念して、目の前の大木を描き始める。
結果、クラスの後ろの壁に張り出される絵はいつも悲惨なものだった。その頃から私は自分が、ただ絵が下手なのだと思っていたのだが、実は描くこと、自分を表現することができなかったのだと大人になってから分かった。
 
大きくなっても恥ずかしがりは変わらなかった。中学、高校、大学と進むにつれ知らない人たちの集まりに出席する機会も増えた。そういう場では初めに必ず自己紹介をしなければならない。これが本当に苦手で、車座に座って順番を待つ間、心臓のドキドキが周りの人に聞こえているのではないかというぐらい大きくドキドキと鳴り、順番が回ってくると、顔は赤くなり、何かしどろもどろに喋り、そして終わってから、あ〜あ、もっとあんなことを言えばよかった、といつも後悔をした。
大人になってからも、基本的に自分の考えていることや感じていることを人に伝えるのは苦手のままだった。
 
アメリカや西洋の国ではディベイトと言う授業があると大人になってから聞いた。反対意見を持つ相手と自分の主張をぶつけ合い、それを採点するらしい。私は子供の時にそう言う授業がなかったことに感謝した。
しかし、そういう授業がなかったから、自分の意見を言う経験をしなかったから、こんな私になったのかもしれないと思った。そう言えば子供の頃から、
「あまり、自分のことばかり言うんじゃありません。他人(ひと)のことを考えなさい」と言われ続けてきたからなのか。
しかし、いやいや、自分の性格を親のせいにしてはいけない。自分の性格を学校教育のせいにしてはいけない。そう思い直した。
 
私は自分で絵が下手だと思い込んでいた。それで最近絵画教室の門を叩いた。
そして私は文を書くのが下手だと思い込んでいた。そして天狼書院のライティング・ゼミに申し込んだ。
 
そして分かったことがある。私は絵を描くことが本当は好きであること、そして文を書くことが本当は好きであることに気づいたのである。
 
自分を表現することが子供の時は苦手だった。しかし今、自分を表現することが楽しいことに気づいた。何にでも時というものがあるらしい。
 
今、私は自分が描きたいものを探して描く。教室の人たちが描いた絵にはそれぞれ各人の性格や人柄が滲み出ている。上手、下手という見方もあるが、それぞれの絵にはその人の個性が溢れているのである。それぞれの人のそれぞれの絵が素敵だなと思えるようになり、自分の絵もいい絵だなと思えるようになった。すると教室の仲間の人たちに自分の絵を見られることにも恥ずかしさは無くなった。
 
そして作文。天狼書院のライティング・ゼミに毎週2千字前後の作文を書く。これは昔の私には、苦行を意味する。作文の時間、うんうん唸りながら白紙の原稿を睨んでいた時を思い出す。あの時は、自分の意見、考えを書くことが恥ずかしかったし、何より何も頭に浮かんでこなかった。
しかし、今、自分の考えたことを書くことが楽しい。合格の時もあるし、不合格の時もある。合格をもらう方がいいに決まっているが、しかし不合格でも私は私の文章が大好きである。なぜなら、そこに私がいるから。
不合格もまた楽しからずや、なのである。
 
 
 
 
***
 
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2024-02-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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