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悩み多きパスポート更新


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Three Corners(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
紫外線対策で、私は一年中UVカットの日焼け止めクリームを塗り、帽子も被っている。
 
暑かった昨年夏の終わりのある日、火照った頭を冷ますために帽子をとったその時だった。
 
にわか雨が降ってきた。
 
まだ川や池の水面で雨が降っているのが確認できなかったものの、頭皮が雨滴をシッカリと感じとったのだ。実際、その数分後に目でも雨粒が確認できるぐらいに降ってきた。
 
「ついにこの時がきたか……」
 
「この時」というのは、雨が本降りになったことではなくて、薄毛をふたたび自覚するようになったこと。最近髪が細くなってきたなとは思っていたが、何年ぶりだろうか。
 
 
物心ついた時には、既に父親の毛髪はほとんど残っていなかった。今でいうAGAだったのだろう。
 
薄毛は父方ではなく、母方の祖父の遺伝子が大きく左右するといわれている。父親が薄毛の場合、遺伝的に自分も50%の確率で薄毛になり、母方の祖父の遺伝子がプラスαで効いてくるわけだ。
 
たとえば、サザエさんのカツオが薄毛になる遺伝的な確率は、波平があの状態なので、50%が最初から約束されている。カギを握るフネ方の祖父は、公式サイトの情報だとフネの兄が薄毛なので、100%薄毛ということになる。
 
私の家系も両親ともども代々薄毛だから、カツオと置かれている立場は同じだ。
 
 
社会人になってから頭髪の将来は多少気にしていた。ちょうど折よく知人の付き合いで、とある毛髪ケア会社の頭皮チェックを受ける機会があった。
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持参した抜け毛とマイクロスコープで診た頭皮から、ㅤㅤ
 
「このままだと40歳までに髪と哀しいお別れをしなければならなくなるよ」
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という予想通りのレスポンスをもらった。
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「ということは、髪が頭皮から逃避しちゃうんですかぁ」
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みたいにボケたかったところだが、その時はそれどころではなく、ただ毛穴から皮脂があふれている頭皮の、あまりの汚さに衝撃を受けてしまった。
 
オシャレに気を使っていなかったものの、毎日洗髪はしていた。それでもここまで汚れるものなのか……
 
ただ、まだまだ20代で、一カ月に2回は理容店に通うくらい髪の毛は元気に伸びていたので、将来薄毛になる危機感を持つまでには至らなかった。
 
さらにこの直後、母親、それが終わったら父親と、立て続けの介護が始まり、とてもではないが自分の頭髪ケアをするゆとりはなくなってしまった。
 
 
十数年後、やっと父親の介護が終わったときには、生活習慣の乱れから健康を害して年齢以上に老けてしまい、当時のセルフィ画像を見ると頭髪はスッカスカの状態だった。
 
自身の健康管理をする余裕が生まれたことで、医者の指導の下、健康回復に向けた第一歩として代謝をあげる一環で取り組んだ血流改善は、今でも有効な薄毛対策として続いている。
 
男女差はあるが、髪の毛のターンオーバーは2~6年ほどで、他の体毛と比べて非常に長い。このため、一朝一夕で効果は出ないので息の長い対策をし続けなくてはならない。その間一時的に抜け毛が増えることもある。
 
人間の毛髪は約10万本。平均値の4年でターンオーバーする場合、1日あたり68本抜ける。よくいわれている「抜け毛は1日100本程度」の根拠はおそらくこの計算だろう。
 
私の場合、一番抜ける洗髪時でも20本程度で、ほぼ許容範囲に収まっていたと思われたが、やはりそう簡単にスカスカは改善しなかった。
 
 
この年、パスポート更新時期が迫っていた。
 
年に一回は海外渡航をしなくてはならないので、更新は必須だ。焦点は5年にするか10年にするか。そう、写真が問題なのである。
 
ドイツ駐在時に若い同僚のパスポートを見たことがあったが、薄毛の彼の4,5年前の写真はフサフサ。「一体誰だよ?」と薄毛の面々に散々酒の肴にされていた。もちろん悪気はなかったと思うけど、あまりにも違いがあり過ぎると日本でなくてもネタにされる可能性はあるのだ。
 
いろいろ悩んだ挙句「髪の毛を復活させてみせる」と、規定ギリギリの半年前の写真を使って10年で更新した。
 
ちなみに、10年以上前の調査になるが、日本人の薄毛率は27%。欧米人は日本人よりかなり高い。
 
 
ようやく私の薄毛が改善したのは、健康状態改善に取り組み始めて5年以上たってからだった。栄養バランスのとれた食事で体全体の健康状態がよくならないと、血流が改善しないし頭皮状態もよくならない。
 
頭皮状態によい食べ物を食べても、それを身体が消化吸収できなければ全く意味がない。身体は全体で機能する。毛髪だけが健康ということはありえない。
 
この当たり前すぎる理屈は、実際にやってみないとわからないものだ。
 
体重の増減だけ着目する〇×制限みたいな極端なダイエットや偏食は、身体全体の代謝力を低下させる。そして、喫煙や飲酒は血行不良やミネラル浪費の大きな原因となる。これらはいずれも頭皮状態の悪化につながるのだ。経験上、血流や育毛養毛に関しては食事や生活習慣の見直し、つまり、時間はかかるが、自己努力でかなりの部分をカバーできるといえる。
 
 
しかしというか、やはりというか、遺伝子が本質的な原因となると、改善策はAGA治療しかない。私は一度は克服した薄毛をまた実感するようになってしまっている。時間をかけて、もう一度食事内容を最適化すれば、実はうまくいくのかもしれない。でもその一方で、今の延長線上では限界があるのかもしれない。いずれにしても、薄毛対策をするなら髪の毛があるうちにする必要がある。
 
さあて、どうしたものか……
改めて徹底した食事療法をするか、思い切ってAGA治療に踏み切るか、それともいっそのこと今後は方針転換し、自己受容とポジティブな自己イメージを育むようにするか?
 
時期が迫ってきた次回パスポート更新まで悩みは尽きそうもない。
 
 
 
 
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2024-02-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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