メディアグランプリ

アメリカで生活する叔母夫婦の生活から、自分の大切にしていることに気づいた話


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記事:馬場さゆり(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「2週間は休みを取ってきてくれる?」
叔母からメールで返信があった。
叔母はアメリカ人の夫と結婚し、アメリカで生活している。
以前より、アメリカ旅行に誘われていて、妹と一緒に行くことになった。
 
しかし、私は2週間の休みが取れなかった。
私は、総合病院の病棟で看護師として3交代勤務をしている。
1ヶ月に2週間も休みを取ると、ほぼ1ヶ月夜勤ばかりの生活になってしまう。
それに私が長期の休みをとることで、他のスタッフにも負担がかかってしまう。
今回は、なんとか上司と同僚の許可を得て、10日間の休みをとることができた。
日本から夜勤明けでフラフラの状態で到着した私と妹を、叔母夫婦は空港で暖かく迎えてくれた。
 
叔母夫婦はアメリカで、365日キャンピングカー生活を送っている。
キャンピングカーは、大型のバス程の大きさで、6人乗りだ。
叔母夫婦には子どもがいないので、私と妹が乗っても十分な広さがある。
キャンピングカーは、まるで小さな一軒家だ。
 
叔母に、観光よりも興味のある普段の生活について聞いてみた。
「キャンピングカーで生活しているから、旅行中は、1つのキャンプ場に長く定住することはあまりないの。二人とも自然が好きだから、アメリカの国立公園をまわっている。だいたい50くらいあるから、全部制覇するのは、かなり時間がかかると思う。寒くなってきたら、暖かい地域へ移動し、暑くなってきたら、涼しい地域へ移動して過ごしている感じかな」
うらやましいほど自由な生活だ。
私だってそういう生活をしてみたい。
でもそれを実際にやっているなんて。
 
でも、生活費はどうしているのだろう?
私が質問すると叔母が答えてくれた。
「だいたい1年のうち半年は、仕事をすると決めているの。キャンプ場内のレストランや売店でアルバイトをしている。夫は、料理が上手だから、レストランで働くことが多いし、私は売店で働いている。アルバイトしている間は、キャンプ場代もかからないから、その時にお金をためているの」
なるほど。半年は移動せずに、アルバイトをしているのか。
半年のアルバイトで、半年は旅行して生活できるのか。
私なんて、たった10日間の休みを取るのにも、周りに気を使っているのに。
私の生活と全く違う!!
 
叔母夫婦は、キャンピングカーで、国立公園を旅することを心から楽しんでいる様子だった。
私も国立公園の自然が嫌いなわけではないが、半年間も旅行を楽しめるだろうか?
私に半年の休みがあっても叔母夫婦にように、上手に過ごせない気がする。
時間があっても、ダラダラと怠惰に過ごしてしまうかもしれない。
叔母夫婦のように楽しむのは難しそうだ。
私は、どうして長い休みを有効に使えないのだろう?
 
それは、看護師として働いていることに理由があるのかもしれない。
看護師として働いていると、日々、病気で闘っている人や亡くなっていく人と関わることが多い。
そういう中で、時間の大切さを痛感する。
患者さんは訴えてくる。
「まだまだいろんなことに挑戦してみたい!」
「明日の朝を迎えたい!」
「大事な人ともっと一緒に過ごしたい」
そういう切実な思いを何度も聞いてきた。
私がなんの努力もなく迎えている一日が、どれほど奇跡で素晴らしいことか気付かされる。
だから私は時間を大切に、有意義に、何よりも濃く使いたいと思っている。
長い休みをダラダラと使う自分が許せないのかもしれない。
そして、毎日仕事で疲れていても、短い休みを楽しんでやる! と意気込んでしまうのだ。
私には、長い休みよりも短い休みの方が、集中して楽しめるのかもしれない。
 
それに看護師として働くことは、決して忙しくて辛いことばかりではない。
元気に退院していく患者さんと一緒に喜んだり、辛くても懸命に生きる姿に感動したり、看護しているつもりが癒されたり。
様々な場面で看護師という仕事にやりがいを感じることができる。
だから、忙しくても長い休みがとれなくても仕事を続けられるのだ。
 
叔母夫婦とのアメリカ旅行を通して、私は看護師という仕事と休みに対するに思いについて、改めて気付くことできた。
それに長い休みが欲しいと言いつつ、長い休みを上手に楽しめない不器用な自分を知ることもできた。
 
仕事と休みのバランスは、人それぞれ優先順位が異なっている。
正解や不正解はない。
自分が何を大切にしているのかを知ることで、貴重な時間を有意義に、後悔なく使うことができる。
私は、今日生きられることに感謝しつつ、仕事も休みも全力で過ごしたいと思っている。
 
 
 
 
***
 
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2024-04-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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