メディアグランプリ

若者にお腹いっぱい食べさせたいDNA


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:おまど(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「さぁ、若いんだから好きなものを好きなだけ頼んでね」
「若者ーーー! 残りの料理、食べちゃって!!!」
私が若かったときの、飲み会での一場面。
コロナ禍が明け、飲み会も徐々に行われるようになったが、このような言葉は聞かれなくなったように感じる。
 
「年上の人って、たくさん食べさせようとするよなーーー」
これが、若い頃の私の率直な感想。
年上の人たちは、サラダや刺身など、味付けの濃くない料理を食べながらビールをぐびぐび。
後半に登場する揚げ物やご飯ものなどが出てくると、「若者! 好きやろ! 私の分も食べていいよ!!」などと勧めてくる。
「え? ○○さんは食べないんですか?」
「こういう揚げ物とかご飯ものは、お腹いっぱいになるから、お酒が入らなくなるのよ。 それより、若い人がおいしく食べる姿を見るのがいいのよ!」
「!!!!!?????? (この人は、何を言ってるの?)」
私たち若者は、お腹がはちきれそうになりながら、修行のごとく口の中に入れていく。
「若いねーーーー!」「自分も昔は、これぐらいペロリだったんだけど、わっはっはーーー!」その姿を見ながら、笑顔でハイボールを飲む先輩たち。
これが、20代の頃の飲み会での思い出だった。
 
そういえば、小さい頃にも似たような思い出があったな……と、記憶をたどる。
そうだ、おばあちゃんの家だ。
 
おばあちゃんの家に行くと、毎食、必ず食卓の上はおかずでいっぱいだった。
「いっぱい人数がいると、どれぐらい作ったらいいのかわからなくて、作りすぎちゃったわ……」なんて恥ずかしがるおばあちゃんが、ついこの間のことのようにすぐに思い浮かぶ。
お盆と正月の年に2回しか会えない孫たちに、お腹いっぱいご飯を食べさせようという思いが、そのおかずたちから伝わってきた。
「今日は何を作ろうかねーーー」なんて言いながら、一緒に近所のスーパーに行くのが、おばあちゃん子だった私にとっては、楽しい思い出だった。
「お菓子は?」「そういえば、アイスクリームは冷凍庫になかったかいね……」なんて言いながら、かごいっぱいに食材を入れていく。
お会計をして、重いビニール袋で手が赤くなりながら家まで他愛のない話をして歩いて帰る。
一緒に台所に立つ私に、おばあちゃんは「量は、これぐらいで足りるかいな?」「ごはんは5合でよかったかいね?」なんて毎回聞く。
「多過ぎるぐらいやって!」と、おばあちゃんを安心させるのが私の役割だと思っていた。
食卓に並んだたくさんのご馳走に、みんな「おいしい、おいしい」と言いながら食べる姿を笑顔で見つめるおばあちゃん。
でも、おばあちゃんは茶碗に少しだけよそったご飯とみそ汁、お漬物しか食べていなかったなぁ。
私の中での、お腹いっぱい食べさせたい初めての人は、紛れもなくおばあちゃんだったと思う。
 
そういえば、私の母も、おばあちゃんのそのDNAを垣間見ることがある。
買い物にいくと、「足りないと思うぐらいやったら、多すぎるぐらいがちょうどいいねん」と言いながら、嬉しそうにかごの中に食材をどんどん入れていく。
家に帰ってからも、「このレシピは、この間テレビでやってておいしそうやったし、メモしたんやで!」なんてメモしたノートを私に見せながら、フライパンいっぱいにたくさんのおかずを作っていく。
机に乗り切らないぐらいのおかずたち。
「おかわりは、いくらでもあるから、遠慮せんといてや!」
「この最後の1個、あんた食べ!!」
私も、妹も、弟も、わたしの主人たちも、「もう大丈夫!」と言うまで、この声かけは続いていく。
「いつまでも食べ盛りじゃないんやで!」なんて言いながら、その言葉にこたえようとする自分たちがいる。
 
最近は、職場にも自分よりも年下の人が増えてきた。
そして、去年あたりから飲み会も少しずつ復活してきた。
「ごはん足りる?」「私、あらあげ1個でいいし、残り食べられたら食べて!」「まだ足りへんかったら、追加してくれてもいいからね!」
なんて、声をかけている自分がいることに気づいた。
若者にお腹いっぱい食べさせたいDNAは、私の中にもあったのかと、なんだか誇らしい気持ちになる。
 
最近は、相手が嫌がった時点でハラスメントなんていう寂しい世の中だという人もいる。
「飲みにケーション」なんて、時代遅れで、若い人の半数は必要がないなんて記事が取り上げられることもある。
しかし、このDNAは、なんだか懐かしい気持ちがする。心があったかくなる気がする。と思うのは、私だけだろうか。
なんだか自分より年下に対して、気をつかうことが多くなってきたこの時代。大切なのは、こういうおせっかいな心づかいなのかもしれない。
せっかく力を合わせて同じ目標に向かって働く者同士、年上の私たちから、怖がらずにおせっかいしてみませんか?
きっと、私たちのからだの中に、このDNAはあるはずですから。
 
 
 
 
***
 
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2024-04-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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