メディアグランプリ

小洒落OLを目指して


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:水戸 綾香(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私にとって、「衣・食・住」の中で最も優先順位の高いものは「食」だ。
 
だから旅行に行くときは観光名所よりも先にご当地グルメを調べ、
行ってみたい飲食店を中心に予定を立てる。
 
日常生活も同じで、週末の予定を立てるときは、
1日の食事のスケジュールから組み立てる。
 
週末の前日の夜に翌日の朝食を買って帰ったり、SNSでレシピを調べたりするのが、
至福のひととき。ささやかだけど、何よりも幸せに感じる時間だ。
 
そして、食事を楽しむために重要なのが「住」なのだ。
ここで言う「住」とは、自宅のことだけでなく、食事をする場所のことを指す。
 
衛生面で不安があったり、お店の雰囲気がなんとなくピリついていたりしたら、
目の前の料理を味わうことは難しい。
 
「食」を100%楽しむためにも、
ゆっくり心落ち着けて食事を楽しめる「空間=住」は重要なのだ。
 
そうすると必然的に「衣・食・住」の中で、「衣」がもっとも優先順位が低くなってしまう。
 
決して「衣」を重要視していないわけではない。「人の第一印象は見た目」とはよく言われている通り、その場に相応しい身なりに整えることは大切だと思うし、内面と外見は別物ではなく、やはりその人を表すものとして切り離せない関係だと思う。
 
それにおしゃれを楽しむことも嫌いではない。むしろ「これはどこに着て行こうかな」と想像しながら、色とりどりな洋服を見て回ることは楽しくて、好きなことの一つだ。
 
でも、出かける前にクローゼットの前で考えるのは、「たくさん食べてもお腹が目立たない服はどれ? 」「長い時間着用していても苦しくならないのはどれ? 」と、
「食」を楽しみことか、できる限り「楽」をすることばかり。
 
もちろん、推しに会うイベント用の服や冠婚葬祭など、
ここぞというときには「衣」を優先することもある。
 
でもそんな特別な用事もない日は「衣」の優先度は低く、最低限のおしゃれと言うよりも、
社会人としギリギリ許されそうな人に不快感を与えないコーディネートしかしていない。
 
だから「ちょっと組み合わせがイマイチだけど、清潔感があればまあ良いかな」と思ってしまうことも多々あり、私の平日の服装はとてもキラキラOLとは言えないし、そんなキラキラとはできれば隣に並びたくないと思ってしまうほどだ。
 
ファッション誌やSNSで見る小慣れた通勤コーデなんかとても素敵で憧れる気持ちもある。
でも私の生活とはかけ離れた「いつかなりたい」遠い存在だと思っていた。
 
「なんとなく微妙な服を着て生きる」
そんな人生を送るんだろうなと思っていたとき、こんなことを言われたのだ。
 
「あんたの2024年度の目標は“おしゃれなOLになること”だね」
 
こんな無遠慮なことを言うのは、もちろん私の母である。
そしてこう続けた。
 
「正直、平日の服装はひどいよ。いつどこで誰にあっても良い服を着なさい。今はコートがあるから、上着と靴さえあればそれっぽく見えるけど、春になったらどうするの?」
 
ぐぐぐ。何も言えない。確かに私の服は、とても素敵とは言えない。
「今日はこの格好だから会社帰りに駅ビルに寄るのはやめよう」と思うことすら正直ある。
自分でも「見られたら恥ずかしい」と思う気持ちがあるのだろう。
 
スマホの検索履歴を見れば、春の新作スイーツと並んで「プチプラ着回し」とある。
自分では気付かぬうちに、また見ないふりをしていただけで
「衣・食・住」の「衣」を底上げしたいという気持ちはあったのだ。
 
気持ちがあれば、あとは行動を起こすのみ。
 
幸いなことに今の時代にはSNSという便利なものが発展している
「ファッション」というカテゴリだけでも
プロから素人までが発信した大量の情報が溢れている。
 
おすすめ欄から順番にチェックしていき、
気に入ったものは後から見返せるようにスクショを撮っていく。
 
そうすると、なりたい自分、理想の姿ともいうのかな、
なんとなく目指したい方向性が見えてくる。
 
それを目指してクローゼットをかき分けながら、
憧れのイメージに近い服を見繕っていく。
 
そんなことをしていると「娘をなんとか見られる姿にしなくは!」と奮闘する母と、
「なんだかおかしなことが起きているぞ!」と野次馬根性の弟が私の周りに集まって、
「ああでもない、こうでもない」「あれが良い、それが良い」と口々に言う。
 
家族に言われるがままワイワイやっているうちに
なんと14日分のおしゃれな通勤コーデが出来上がったのだ。
 
今まで日の目を見なかった洋服たちも微笑んでいるような気がする。
そして自分を含めた皆の期待を背負い、いざ試着タイムがスタート。
みんながイチオシの爽やかコーデから試してみた。
 
「これできっと私もキラキラOLの仲間入りだ!」と
うきうきした気持ちを抱えて振り返ると、母と弟が首を傾げる。
 
「なんか、違うよね」と。
 
服を組み合わせたときにはおしゃれに見えたのに、
なぜ私が着るとイマイチなのか、小一時間考えてとある結論に辿り着く。
 
「体型だ。体型が悪い。全てを台無しにしている」
 
弟の鋭い言葉に、母は強く頷き同意を示した。
 
やはり、キラキラOLにはなれないのか……と、がっかりした私に二人は言う。
 
「でも明らかに今日来ていた服よりもおしゃれだよ」
 
「確かに、もうちょっと頑張れば小洒落た感じにはなれそうだよね」
 
頑張れば、近づけるかもしれない。
なら、ちょっとだけ頑張ってみるか。
 
キラキラしてなくて良いから、ちょっと“小洒落たOL”を目指して。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2024-04-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事