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クローゼット大改造!黒子人生からの脱出劇


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Tamuko(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 

あなたのクローゼットはどんな色が溢れていますか?
黒やグレーばっかり? それとも、カラフルでしょうか。
 

毎日着る洋服に対して無頓着だった10代〜20代前半の私は、
大したこだわりもなくただ“着回しがしやすい”かつ“オフィスで
悪目立ちしない”という理由で黒やグレーばかりを身につけていました。
 

黒はお洒落で、洗練された高級感のある色という認識だったことから
毎日黒い洋服ばかりでも何ら問題ないと思っていたのです。
ただ、そんな私のなかの常識が見事に覆されていくこととなります。
 

新卒で入社した会社が超多忙。毎朝7時出社の終電帰り、土日返上で働く
ルーティンを繰り返して約3年が経過した頃でした。
心身の調子が日に日に悪くなり、いわゆるうつ病一歩手前の自律神経失調症に
なっていました。上司が迅速に対応してくれたこともあり、すぐに休職。
3ヶ月の自宅療養を命じられ、久しぶりにベッドでゆっくり眠れる生活を
取り戻しました。
 

ただ、もともと働くことが大好きな根っからの働きウーマンだった私。
1ヶ月ほど休んだ時点で、やることがない物足りなさに飽きてしまい
上司に相談しました。
「もう元気になってきたので、復職させて欲しい」と電話越しに話したところ、
何かを上司は察知したのか復職OKとはなりませんでした。
その代わりに、「俺の姉貴がいるから会ってみないか?」と提案されたのです。
 

「なんで?」と思いながらも、親身になってくれる上司の提案だったため
一度はそのお姉さんに会ってみることにしました。
待ち合わせしたのは、渋谷の東急百貨店本店に程近い喫茶店。時間よりもちょっとだけ早く着いてしまった私は、内心ドキドキしながらお姉さんの到着を待ちました。
 

時間ぴったりになって現れたのは、それはカラフルなサマードレスを着た素敵な女性でした。歳は40代半ばぐらいでしょうか。ツヤツヤの黒髪がよくお似合いの日本美人なお顔に、清潔感が感じられる薄化粧。一瞬で女の私が見惚れてしまうような女性でした。
 

「こんにちは。はじめまして。あなたが優希さん?」
ニコッと微笑みながら話しかけられ、目が離せません。憧れの韓流スターに
でも会ったみたいなドキドキ具合で上司のお姉さんとの会話はスタートしました。
 

お姉さんは、普段は筆跡鑑定士を生業としており、テレビ番組にも出演して
いるような方だと話していくうちに判明し、ますます緊張していくのが
わかりました。
 

「わたしなんかが、こんな素敵な人と話していていいのかな?」
 

なんだか時間を使ってもらっているのが申し訳ない気持ちになり、今にも
帰り出したい心境になっていました。そんな私の心の声が聞こえたのか、
お姉さんは優しく話題を振ってくれたのです。
 

「そんなに緊張しなくても大丈夫(笑)。ところで優希さん。今日は
全身黒ずくめだけど、何かポリシーがあってそうしてるの?」

 
「え、洋服?」 私の頭は一瞬フリーズしました。人生の中で、洋服のことを
話題に出したことがない生き方をしてきたため、面食らったのです。
「いえ、特にポリシーはありません。洋服は黒かグレーかぐらいしか
持っていないので、あるものを着てきただけです」
そう恐る恐る答えると、お姉さんは満面の笑みを浮かべながらこう言いました。
「今から、あなたのお部屋に行きましょう!」
 

断る間もなく、電光石火のお姉さんは素早くお会計を済ませ、私から住所を聞き出し
2人でタクシーに乗り込みました。
あれよあれよと訳もわからず都内1Kの小さな我が家に到着。
 

部屋の鍵を開けるや否や、お姉さんは
「クローゼットを見せてちょうだい!」と意気揚々と前進していきます。
おい、ここは私の部屋だぞと内心思いつつ、あまりの勢いに押されてクローゼットに
案内してしまいました。
 

バーンっと開け放たれたクローゼットの中には、黒黒黒、グレー、黒の洋服が
無造作にかけられている状態でした。その光景をみたお姉さんは
「なるほど、だからなのね」と何かに納得したご様子。さらには下着の棚までも
見られてしまいました。全身丸裸にされたような気持ちになり、いたたまれなく
なっていると、お姉さんは私にとんでもない提案をしてきたのです。
 

「優希さん。休職中ということで、時間もあるだろうから。これから
一緒に素敵なお洋服を買いに行きましょう」と。
 

その時、お姉さんに選んでもらった洋服は、お姉さんのサマードレスの
妹ブランドが出しているワンピースでした。お姉さんは目や肌の色、
肌の質感や厚さ、髪質、骨格など細かい情報をさりげなくチェックして
くださり、私に似合う一着を丁寧に選んでくれました。
「あなたには、このグリーンのワンピースがお似合いよ」と。
 

お姉さんに買っていただいたグリーンのワンピースが、黒ずくめの
クローゼットに足された瞬間。私の心のなかに、ポッと灯りが灯ったような
気がしたのです。何の変わり映えもしない黒やグレーの毎日に、カラフルな
色がポツンと一滴落とされただけで、不思議な心の変化が巻き起こっていった
のです。
 

一着しかない色もののワンピース。どこに来ていこうかな? と楽しく
笑顔で考えている私がいました。今までの人生の中で、そんなことは一度も
ありませんでした。
「なんとなく」「無難」「目立たない」
これらで選んできた洋服たちとは違い、お姉さんと楽しく会話をしながら
私のために選んでもらったカラフルな洋服は、袖をとおす度に嬉しい
気持ちが込み上げてきたのです。
 

洋服って、こんなに私を幸せにしてくれるものなんだ。
新しい人生の楽しみを見つけた感覚でした。
 

それから復職するまでの間、月に数回お姉さんの特別レクチャーを受けられる
幸運に恵まれました。
毎日の自分の心や体の調子に合わせて色を選ぶカラーセラピー、似合う色や
骨格をベースにファッションを楽しむパーソナルカラー理論を中心に学び
実生活に取り入れていくことで、私のクローゼットは少しずつ黒ずくめから
カラフルな虹色へと変化を遂げていったのです。
クローゼットを開くのが、毎日の楽しみになりました。
 
 

心や体のメンテナンスを洋服と色で簡単に出来ることを知った私は、その面白さに
ハマってしまい復職して数年後、会社を退職し、専門的に色の勉強をしながら
色彩心理カウンセラーとして活動するまでになっています。
 

「わたしなんかが」と、自信がなかった私が洋服や色の力を味方につけて、少しずつ
自分の心や体と向き合えるようになっていきました。次はあなたの番。
カラフルな色を身に纏って、心も体も豊かに楽しく生きていきましょう。

 
 
 
 
***
 
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2024-08-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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