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「同窓会」を「ミニシアター系映画館」的に楽しんでみるススメ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:punneko(ライティング・ゼミ9月コース)
 
 

皆さんは「同窓会」に、行く派だろうか、行かない派だろうか。
歳を重ねるにしたがって参加者が固定化、減少化していく同窓会。
様々な統計結果があるものの、
行く派よりも行かない派のほうが上回っている印象を受ける。
 
行く、という人たちに理由を聞いてみると、
「友だちや恩師の近況が知りたい」
「様々な業種の話が聞ける貴重な機会」
中には、
「愛校心」という人もいた。
 
一方で、
シンプルに忙しくて行けない、という人たち以外に
行きたくない、
だんだん行かなくなった、という人たちもいる。
曰く、
「会いたい人がいない」
「会いたい人には個別に連絡を取って会っているから、
 わざわざ同窓会で集まる必要がない」
「互いの近況報告がいろんな理由で苦痛」
「過去の人間関係に興味がない」。
 
私は「同窓会」は、深く理由や目的を考えずに
「ミニシアター系映画館」だと思って
とりあえず誘われたら行ってみるのがいいんじゃないか、と思っている。
「ミニシアター系映画館」は、
マニアックな、一部の人にしか受けないような映画を流すこともあるし
割合マジョリティうけしそうなものや
昔の映画のリバイバルを流すこともある。
よほどの映画好きでなければ、
自らがつがつと行く場所ではないのではないかなと思う。
 
私はそれほどミニシアター系の映画を観る方ではないのだけれど、
親友が映画好きで、時々チケットを買ったから一緒に行かない?と
誘ってくれることがある。
私はタイトルも内容もきかずに、
彼女に誘われたらとりあえず行ってみることにしていて、
行くたびにいろんな感想を自分の中に秘めている。
 
「なんか全然よくわかんなかった……」
「中身なさすぎ……お金と時間を返してほしい……」
「子どもの頃一度観たけれど、今観たら全然違って見えたな」
「これは人生でなかなか出会わない、自分の中のヒット!早く誰かに言いたい!」
 
当然のことながら自分の好みに合わない「はずれ」もあるし、
思いがけない「当たり」に出会うこともある。
期待していない分、「はずれ」の回に頭にくることはないし、
「当たり」はこの上ないラッキーに思えてくる。
 
私が「同窓会」に対して気持ちがライトなのは、
恐らく人間関係の場として捉えていなくて
ミニシアター系の映画、くらいのエンターテイメントとして
捉えているからなんだろうな、
と最近気づいた。
「過去の人間関係」ととらえると自分にとって有益か無益か、
今の自分はあの頃と比べてどうか、
などと色々と重く考えてしまうけれど
期待しないエンターテイメントは、当たったらラッキー、
当たらなくてもまあそんなものか、と軽やかに流せる。
 
水戸黄門みたいに繰り返されるお決まりのオチや
その時代に煌めきを放っていた思い出話など
その決まり切ったパターンに安心して盛り上がれるときもあれば
またか、もう飽きた、と思う時もある。
一度もみっちりと話したことがなかった人と
たまたま隣り合って話してみたら
十数年知らなかったけど意外と面白かった!
ということもあったり
恩師の近況報告に良くも悪くも自分の今後を考えるきっかけをもらったり。
 
面白い、興味が湧く話題に出会ったら、
出会った映画で面白かった監督の作品をつづけさまに観るみたいに深めればいいし
興味がなかったら「これじゃなかったな」と別の人の輪や話題に移ればいい。
 
万が一いたたまれなくなるくらい不快な場だったら、
映画館で、上映中に出るときみたいにこっそり途中退席してもいい。
 
「同窓会」。
そのノスタルジックで重々しいワード。
このワードの重さに気負わず
映画を観るときくらいのライトさで参加したら、
変に傷ついたり疲弊したりがっかりしたりすることなく、
軽やかその場を楽しめるのではないかと思ったりする。
 
みんな、見た目だけはその日をめがけて「変わらない」感じに仕上げていても
中身はその後の様々な経験を経て変わっている。
自分自身も含めて当の本人は気づいていなかったとしても、
確実にあの頃とは違う要素が追加されている。
その変わった部分のプロセスを映画のように互いに無責任に眺めてみると、
案外いろいろなドラマがあってオモシロイ。
 
会いたくない人がいても、
その人が自分に対して嫌な人だった時のままではないかもしれないし、
(これは意外と、よくあることだなと感じている)
そうはいってもあいつだけは許せない、というレベルの人だったら
スルーして、
今まで話したことがなかった人たちと話してみるのも新しい発見があるかもしれない。
 
少なくとも、あの頃、あの学校に通っていた、という共通項だけは確実にある。
出会ったのは「縁」なのだから、
よほどのことがない限りすっぱり切ってしまわないで
もう少し人生を深めて楽しむきっかけにするべく味わいなおしてもいいのかな、と思う。
 
次の同窓会の案内が来たら、
映画館に誘われた時みたいな気軽な気持ちで参加してみてはどうだろう。
リバイバルの名作や新しいニッチな作品にたまたま出会え、
新たな楽しさを伝えてくれるミニシアター系の映画館のように
過去の再会ではなく、意外にも目新しい未来の自分に出会える場になるかもしれないから。
 
 
 
 

***

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