メディアグランプリ

筋トレは、人生をも変えていく


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:高橋 佳代子(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
 

『始まりも、終わりも、ちゃんと受け止めなければ何事もない日常の一端になってしまう』
 

これは、伝えたい気持ちをこめて一回目に投稿した私の超下手クソな文章の一部だ。
天狼院カフェ主催のセミナー「ライティング・ゼミ6月コース」に参加してから4ヵ月がたち、恐らくは今回が最後の投稿になる。
 

本屋なのかカフェなのか? 
あるライターさんのイベント参加で渋谷ミヤシタパーク3階にある天狼院書店へやってきた。
その時に配布されたセミナーの告知ビラが今回参加のきっかけだった。
偶然手元にきたわけではないし、参加者を狙ったイベント戦略だと思われたけれども、それが何かを変えるタイミングのように思えて、即、申し込みした。
 

書くってなんだっけ? 普段なにを書いていたのだっけ? 
というように、文章に対する模索がはじまった。
 

実際に字数を意識したことがなかったし、誰かに読ませる意識が欠落していた文章だったこと、自分勝手な投稿が浮き彫りとなったこと、そんな4ヵ月だったような気がする。
職業でもないのに、そこまで考える必然性もなかったのに、なぜ変えようとしたか? 
 

まさに「人生を変える、ライティング・ゼミ」だ。
 

先ずは何を伝えたいのかを考えた。
大切にしていたことや、大事に思っていたことを少しでも伝えたかった。
おいしかったとか、これを読んで面白かったとか、日常の良いと感じたことをそのまま文にしてみたり、日常の何気ない風景を言葉にしてみたり……。
ブログやTwitterにつく不特定多数の いいねや、ただの気まぐれな反応が嬉しかったのもそのせいだろう。
 

はて? そんな日常を伝えたかったのだろうか?
いったん考え込む。
 

文章トレーニングの一環として2000字という文章の、目標課題提出をすることになった。毎週締め切りがある。
あと、文豪小説家の作品の書き写しなども併せて行うように聞かされた。
月に二回、渋谷の天狼院書店に出向くのも、無意味な時間ではなく意味のある一日となり、学ぶことも面白かったし、こんなふうに文章と向き合うのは学生以来でワクワクした。
 

が、実際は、週一の課題提出で深夜0時が締めなのにタイムアウトを連発する、書き写しも思った以上に時間がかかるなど、なかなかできずにいた。
 

当初は、一週間に一度の提出なら、いくつか書いてその中から出せばいいのか、くらいの気持ちでいたけれど、甘かった。誰かに読まれるプレッシャーと題材不足、知識不足で、文章どころかブログさえ書く気持ちにならなくて困ってしまった。
いままでのような自分本位な文章では、ゼミで求められている内容に全く沿っていない。
 

ネタ探しのなかで、自分の過去とも向き合うような感覚になってきた。
忘れていたエピソードだったり、気になっていたりした過去の感情。
そもそも、なんで自分は文字を使って表現したりしていたのだろう。
 

誰かに伝えたりすることは、学生時代の作文や論文以来でもあった。
 

普段での習慣はSNSだ。けれど、どっぷりはまると伝える要素より吐き出す要素が強くなってきて、勿論それに改めて気が付いたのもネタ探しのおかげかもしれない。
 

そう、吐き出す文章と伝える文章の違いは大きかった。
 

どちらも魅力的な文章になりそうだけれども、吐き出す文章では、まさに自分勝手だったからだ。先ずは伝える文章を完成させないと無様な結果になりそうだった。自分自身で客観的に自分にも伝えられる文章を書きたかった。
そのうえで、誰かに伝わればいいのだろうと考えた。
 

小学生の頃には先ずマンガを描くことにハマっていた。正直にいうと漫画家になりたかった。マンガを読んでいると、嫌なこともなにも忘れて没頭できたから。
我が家では夜になると両親の言い争いが毎日のように続き、それから逃れる為でもあったように思う。購入できる冊数は制限があるし現実逃避の手段として、その頃から自分でマンガを描くようになっていた。そちらのが、さらに没頭できた。
それに助けられていたと自覚したのは、だいぶ大人になってからである。
中学時代の文集などには先生からの応援メッセージなどが残っていたので、そのへんまでは漫画家を目指していたのだと思う。高校生ぐらいに手にしていたのは、もう活字の本に変わっていた記憶があるから、高校生で漫画家は諦めていたのだろうか。
まあ、図書室の本を読んで簡単な物語くらいは書いていた。か、といって作家になりたかったような形跡もないし、明確な自分の作品は覚えていない。
 

ただ、マンガにしろ、活字文庫にしろ、私の人生には欠かすことのできないよりどころだったと思う。だから、無意識になにかを伝える文章に惹かれるのだろう。
きっと、そんなふうに誰かの嫌なことを忘れさせる存在になりたかったのかもしれない。
 

ところで、『始まりも、終わりも、ちゃんと受け止めなければ何事もない日常の一端になってしまう』これは、ゼミの始まる時期に気が付いたらカエルが鳴き始めていたことがきっけだった。毎年のように田んぼに水が入ると、いつの間に鳴き始めるのが不思議だった。
そして、ちょうど今のこの時期に稲刈りが始まって気が付いたら鳴いていない。
これが、ただの日常ならそれでもいいかと思った。
でも、実際は大切な何かが、いつ始まって、いつ終わりを迎えていたか、なんてことが知らずに起こっていて残念に思うことがある。
だから、ちょっとしたことでも、始まりと終わりをきちんと受け止めるように意識したい。たいした事なくても、きっと心が動かされるに違いないからだ。
 

ゼミに参加して良かった。
 

当初書き上げた、冒頭の文章は残念ながら掲載にはほど遠かった。
いまも相変わらずそんな感じだ。文章を書くのは筋肉トレーニングのようなもの、と、言うことなので引き続き怠らず続けたいと思う。
 

筋トレの結果はスグにはでないものなのである。
なにを隠そう、私は自主筋トレが好きなのである。続ける良さを知っている。

 
 
 
 

 

***

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2024-09-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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