「ママじゃなきゃイヤ!」にモヤっとするパパ
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記事:曽布川洋平(ライティング・ゼミ9月コース)
「ママと一緒じゃないと、お布団行かない!」
子育てしているパパにとって「ママじゃなきゃイヤ!」は、喉に刺さった小骨のようなものです。わがままを言う我が子も可愛い。めちゃくちゃ可愛いのです。それでも、ほんの一瞬、モヤっとする瞬間が、ないと言えば嘘になります。
ママには、このモヤ、は理解できないかもしれません。そこで、ちょっと言葉にして説明してみたいと思います。
「モヤ」は、パパとママの、育児の経験の差から生まれています。そして、二人の育児経験は、我が子が生まれた瞬間から差がついています。生まれた時を、想像してみてください。
当たり前のことですが、赤ちゃんはママのお腹から生まれてきます。最近は病院での出産が多いでしょうから、生まれてから一週間くらいの間、赤ちゃんはママと二人きりになります。パパは、これから訪れる育児の苦労も知らず、家で呑気に我が子が来るのを待っています。
育児経験の差は、その後も広がっていきます。ママと我が子が自宅に戻ってきた時には、赤ちゃんという小さくてデリケートな生き物を扱う技術には差があります。パパは、抱っこをすることさえ、おぼつきません。
中には、出産後に一ヶ月ほど実家に戻る、というママもいます。実家ではベテランのママであるばぁばがいて、育児経験ゼロのパパよりも出産後の気持ちをわかってくれます。パパの出番はまだ来ません。
こうして生後一ヶ月ほどで、育児経験の点でママに大きな差をつけられたパパは、それでもパパとしての使命感、そして何よりママへの愛情から、できる限りの育児を手伝ったり、家事を分担したりします。
この頃、初めての育児のストレスでママの機嫌が悪くなったり、我が子の夜泣きに悩まされたりします。パパも、彼女が愛くるしい天使を産んでくれたことに感謝しながら眠れぬ夜を過ごします。
時にはこんな体験をします。夜中に目覚めてしまった我が子を寝かしつける時、どんなに一生懸命あやしても泣き続けた赤ちゃんが、ママに替わった途端にスッと寝付くのです。やっぱりママの抱っこが一番なんだな、と無邪気に考え、とにかく平和が訪れたことに感謝してその時は眠りにつきます。
日本では一年ほど育児休暇を取得するママが多いように思います。もちろん専業主婦のママもいます。一方で、パパの育児休暇はまだそこまで一般的ではありません。育児休暇の間、ママが我が子と一緒にいる時間は、パパに比べて長くなっていきます。ママは一日中我が子のことを見ています。ママ自身は自分の時間がない、などの悩みもありますが、我が子について、何ができるようになった、何が好き、こんなことを言った、と細かいことまで知っています。
ママが我が子と過ごしている間、パパは仕事をしています。育児は新米のパパも、職場では新米ではありません。時に重要な仕事を任され、うまくいくこともあれば、上司や顧客に怒られて、へこむこともあります。時には仕事を辞めたい、と思うこともあるでしょうが、父親としての責任がそれを許しません。パパはパパなりに、ママと我が子をしっかりと養っていく責任があると思っています。
パパの目線で書いてきましたが、ここに至るまで、ママは苦労の連続です。パパは優しいけど、役に立ちません。可愛いはずの我が子に24時間付き纏われると、どうしてもイライラしてしまいます。しかしそんなことは誰にも言えません。自分の時間は全くありません。大好きだった趣味に使う時間も、友達と遊ぶ機会も……。母乳が出ない自分に悩んだり、我が子の発達を不安に思ったりもします。せめて実家がもう少し近ければ、などと考えたりします。でもそれは、人生のほぼ100%を育児に使っているための悩みでもあります。
生まれてからわずか一年の間に、パパとママの間には、育児の経験に関する格差が生まれています。この格差は、育児休暇が終わってママが職場復帰した時にも影響します。共働きであれば、理想的には家事・育児負担は均等になることが望ましいのでしょうが、できることに差がある以上、育児の負担は均等にならないことが多いように思います。そしてその差は、パパにとって、もはや埋めがたいものに感じられます。
パパとママの、子どもといる時間の差が明確に表れるのが、「ママじゃなきゃイヤ!」なのです。愛情に差はないはずなのに!
こうして、どうしてもママと一緒にいる時間が長くなり、パパはどこかで育児が他人事になってしまうこともありがちです。
それでも「モヤ」を振り払って良いパパを続けていけるのは、愛する我が子の、そしてママの笑顔が見たいからなのです。
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