推しのススメ
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：ふみふみ（ライティング・ゼミ 9月コース）
私がもし「パートナーや夫を愛する秘訣はなんですか？」ともし聞かれることがあったら、「パートナーや夫が推しキャラだと思って毎日接すると最高に愛せますよ」と伝えたい。
私は現在結婚して夫と子どもがいるが、その夫が当時まだ彼氏だった頃の話である。
私はある友人から「ご自身の推しキャラの推しポイントは、パートナーや旦那さんの好きなところの一つの要素なんですよ。もし現実にパートナーや旦那さんがいない場合は、推しキャラの推し要素が入っている方を好きになる傾向がありますよ」という話を聞いた。
私はその話を聞いた時、「へぇー、そうなんだ」と当たり障りのない返事した。
なぜかというと嘘くさいように感じたからだ。推しキャラは推しキャラ。パートナーはパー
トナー。それ以上でもそれ以外でもない、そういう風にその時は感じた。
きっと友人には「嘘くさい。ありえない」と言っている私の心の声が聞こえたのだろう。
友人は「嘘だと思うなら、まずは推しキャラと彼氏さんの推しポイントでも書き出してみたらどう？」と提案された。
「本当かどうかわからないけど、一応やってみるか」と私はまだまだ疑いつつも、書き出すことは簡単だから、と書き出してみることに。
思い立ったが吉日。
さっそく机の上に紙とボールペンを用意し、着席。
まずは推しのキャラクターを思い浮かべてみた。
すぐに思い浮かんだ。私の推しキャラは「くまのプーさん」だ。
私はプーさんのことが子どもの頃から好きで、子どもの頃はリュックもプーさん、リュックの中に入れているものもプーさんグッズ、しまいにはディズニーランドで一番大きいプーさんのぬいぐるみを昔買ってもらって毎晩プーさんのぬいぐるみをギュッと抱っこしながら寝るのが好きなぐらい大好きなのだ。
思い浮かべるだけなのに幸せホルモンがドバドバ流れてくる感覚。
「へへへ」とニヤニヤしながらも、プーさんの推しポイントを考えてみた。
そこにいるだけで癒されるあの丸いフォルム！
表情がやわらかくて特に笑顔が素敵！
好きなものになると一生懸命になるところ！
仲間想いで100エーカーの森の住民を家族のように大切にしているところ！
どんなことに対しても肯定的なところ！
黄色いところ！
もう全部が推しポイントと言っても過言ではない。
最っ高の推しである。
推しキャラの書き出しが終わったところで、次は彼氏の推しポイントを考えてみた。
少し悩むのかも？ と思ったが、彼氏の推しポイントもわりとスラスラーっと書き出すことができた。
おおらかで表情がやわらかくて笑顔が好きなところ！
好きなアニメやゲームをしている時、一生懸命楽しんでいるところ！
家族想いで、自分の家族はもちろん私のことも大切にしてくれているところ！
話上手で人を楽しませることができるところ！
肯定的な言葉をかけてくれるところ！
触り心地の良い腕！
丸いフォルム！
少し気持ち悪いかもしれない。しかしこれが私の彼氏の推しポイントなのである。
プーさんと彼氏の推しポイントを書きだしてみて、はっと気づいた。
「あれ、もしかして、プーさんと彼氏って……似ている？」と。
確かに同じ内容や似たようなことを書いているところがあるのだ。
よく考えたら丸いフォルムも、素敵な笑顔も、仲間や家族想いなところも、肯定的な言葉をかけてくれるところも、似ている。考えてみたらなんとなく雰囲気も似ている気がする。
顔の形、身長も、身体の色も、そもそもくまのぬいぐるみと人間って全然違うものであるはずだが、なぜか似ているのである。
私は雷にでも打たれたかのような、そんな衝撃だった。
友人に一瞬でも「嘘だぁ」と疑ってしまったことに対して心の中で平謝りしつつ、頭の中で推しキャラと彼氏について整理をしていく。
推しポイントが似ている推しキャラと彼氏。
ということは推しキャラ＝彼氏なのでは？
推しキャラと彼氏がイコールになるということは……私の推しが目の前にいるってことじゃないか！ とパズルがハマったような感覚に陥った時、私は最高に嬉しい気持ちになった。
こんなに近くに推しがいるってことは唯一無二の推しを手に入れた感覚になったからだ。
推しキャラ＝彼氏と気づいてからは、ら堂々と「推しは彼氏とプーさんです」と言えるように！ とはいえ人から聞かれることは皆無に等しい（笑）
推しの彼氏はいつの間にか私の夫へと変化し、現在は子どもも2人いる。
家族想いの良いパパである。
彼氏から夫になった今でも推しは変わらない。
パートナーや夫の愛する方法は推すこと、なのかもしれない。
推すということは、相手を尊敬したり、相手に対して思いやる気持ちや感謝の気持ちが自然と生まれてくる。そして、その尊敬や思いやる気持ち、感謝の気持ちがパートナーや夫とのより良い関係に繋がっていくのではないかと私は思う。
さぁて、今日も推し活をしよう。
もちろん私は夫の、ね。
＊＊＊
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