天狼院ゼミを始めて知りあいを発見した話
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記事:かず(ライティングゼミ・9月コース)
「ああ、元気にしているんだ」
その日私は、フェイスブックで昔の同級生の名前を検索していた。そしたら見事本人にヒットしたのである。
SNSは、極力しないようにしている。やむを得ず天狼院のゼミでフェイスブックをする必要があったためアカウントを作ったが、こんなことでもない限り一生しなかったであろう。閲覧することはもちろんあるが、発信はしないと自分で決めていた。理由は言うまでもなく、ネットは怖いからである。特にパソコン関連に疎い私は、自分自身でも何をどう設定しているかもきちんと把握できず、どこまで情報を開示させてしまっているかもきちんと理解できないまま使用しているような状況である。そんな状況では、極力使わないに限るという結論に達するのもやむをえまい。
ましてやフェイスブックである。原則本名。よくある苗字ではない私は、同姓同名はいないと思われる。本人特定は容易だ。極力個人情報はネット上に乗せたくはない。
しかし、今回使わざるを得ない状況になり、せっかく使い始めたのだからと過去の知りあいの名前をいろいろ検索していたら、冒頭の状況になったのである。
フェイスブックを始めて約二か月。過去にも何度か知人の名前を検索してみたが、本人を特定できたことはなかった。同姓同名の人が出てきても、写真を見て別人だったり、写真自体がなくて特定できなかったり。
大学で地元を離れ、その後実家も県外に引越しした私にとって、連絡の取りようのない知人は多い。本気で探せば連絡できるのかもしれないが、そこまでする気もない。地元を離れて20年以上がたっている。当時は携帯電話が出始めの頃で、今のようなSNSもなく、今よりもずっと連絡の手段は限られていた。
同窓会が行われていたとしても、連絡すら来ない状況である。行方不明になっているのは私のほうだが、別にそれでいいと思っている。同窓会はせいぜい帰省のついでに行くものだ。わざわざ交通費や宿泊代をだして行くほどのものではない。地元を完全に離れてしまっている私にとって、そこで過去の人間関係を見直したところで、もう一度発展する可能性はないと思っている。いくらSNSが発展しても、直接会うことがない関係は、長くは続かない。
ずっとそう思っていたし、今もその考え方は変わっていない。親が転勤族だったため、地元といっても私としては「高校を卒業する時点で実家があった場所」という定義である。生まれも育ちもずっとそこだったたわけではない。もっと言えば、「自分がいなくなるのが前提でたまたまその時に住んでいた場所」である。ずっとここにはいないというのが常に頭の片隅にあるため、思い入れは薄い。
それでも気にかかる人というのは何人かいて、探すというほどではないが、せっかくフェイスブックを始めたのだからと検索した人が何人かいたのである。
彼はそのうちの一人だった。友人というほど親しかったわけではない。最後に会ったのは成人式で、二言三言言葉を交わした記憶がある。
地元では小学校ごとに集まって成人式が行われたため、実質小学校の同窓会である。私の住んでいた地域では、中学校に上がるときに他の小学校と一緒になったため、中学校は同じでも小学校は違う子というのも多くいた。そのため式が終わった後、ほかの小学校に行って中学校の同級生とも会うということをしていた。彼とは小学校は違ったため、式の後にこちらに来ていたものと思われる。
なにぶん、20年以上も経つため記憶は定かではない。
今回発見したからと言ってこちらから連絡をする気はない。もう二度と会うことはないであろう。ただ、それでもSNS上で元気そうにしていて、幸せそうな姿を見てただただ嬉しかったのだ。
SNS上で起こる問題に関しては、今更ここで述べる必要もない。だが、つくづく道具は使い方次第なのだと思った。今回こんなことがなければ彼がその後の人生どうしていたかは知る由もないことであった。別に知ったところでどうということはないのだが、自分に過去縁があった人が幸せそうに生きている姿を見るだけでとても嬉しかったのである。
時代は逆行することはないのだから、今後も今以上にSNSは普及していくだろう。それに伴ってトラブルも続くのであろう。使い方に慎重さを求められるのは仕方のないことである。しかし、それでももう二度と会うことはない人の近況を知る、ということができたのは今回私にとってとてもうれしいサプライズであった。
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