小さな一歩、大きな喜び!焦らず進んだトイレトレーニング
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:エミリー(ライティング・ゼミ9月コース)
「どうしてうちの子だけ、全然オムツが外れないんだろう……」
そんなふうに悩む日々が続いていました。
我が家の次女は年少さんになってもオムツ生活が続いていました。
保育園の参観日では、他の子たちが自信満々にトイレを使う姿を見せている一方で、次女は一人でオムツを履き替えていました。
その姿を見た瞬間、私は思わず目をそらしてしまいました。
「なんでうちの子だけ……」そんな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡り、保育園の帰り道では涙をこらえるのに必死でした。
この状況に拍車をかけたのは、長女のトイレトレーニングが非常にスムーズだったという過去の記憶です。
長女は2歳の終わり頃には、トイレで用を足すことに慣れ、パンツ生活がすっかり定着していました。
どこに行くにも自信を持ち、トイレで困ることなどまるでなかった長女の姿を知っているだけに、次女の状況に対する私の焦りは日々大きくなるばかりでした。
保育園で担任の先生に相談したこともあります。
「なかなかオムツが外れなくて困っています」と伝えると、先生は「焦らずに本人の意思を尊重してあげてください」と穏やかに答えてくれました。
しかし、その言葉は私の心に響きませんでした。どうすればいいか具体的な策を聞きたかったのに、どこか他人事のように感じられたからです。
私の焦りは家でも次女に伝わっていたのでしょう。「そろそろトイレに挑戦してみない?」と何度声をかけても、「イヤだ!」と泣き叫ばれることばかりでした。
自分の態度が彼女を追い詰めているのではないかと思いつつも、「どうしてできないの?」という思いを押し隠すことができませんでした。
転機が訪れたのは、小さなきっかけからでした。
ある日、私は次女に「履かなくてもいいから、好きなパンツを保育園に持って行ってみない?」と提案しました。
それまでの声かけは「トイレに行こうよ」や「オムツもう無くなっちゃうよ」と、どこか私の都合を押し付けるものでしたが、このときは彼女自身の気持ちを尊重しようと心がけていました。
次女は少し考えたあと、引き出しの中からお気に入りのパンツを選び、「これがいい!」と嬉しそうに笑いました。
そのパンツを保育園のリュックに入れることは、次女にとって大きな一歩だったのです。
その後、彼女はお昼寝後にそのパンツを履くようになり、少しずつトイレに対する拒否感が和らいでいきました。その小さな変化を見た私は、「この子なりのペースがあるんだ」と少しだけ心の余裕を持てるようになりました。
しかし、トイレで用を足すことについては依然として強い拒否が続きました。「トイレに行ってみない?」と誘うたびに「イヤだ!」と顔を背けられ、期待してはがっかりする日々が続きました。
それでも、焦りを表に出さないよう心がけることで、少しずつ次女とのやりとりに変化が現れたように思います。
そんなある日、次女に思いもよらない変化が訪れました。
その日は保育園からパンツのまま帰宅し、歯医者へ向かう予定がありました。
私の頭の中には「オムツやパンツの予備がないし、失敗したらどうしよう」という不安ばかりがよぎっていましたが、表情には出さず軽い調子で「ママ、トイレ行くけど、一緒に行く?」と声をかけました。
すると次女は「わたしも行く!」とすんなり立ち上がったのです。
驚きとともに彼女を見守り、「本当に? 座ってみる?」と促すと、次女はなんと初めて自分からトイレに座りました。
そして、「できた!」と満面の笑みを浮かべたのです。
その瞬間、彼女が見せた誇らしげな顔は、今でも私の心に焼き付いています。
その日以来、次女は少しずつトイレに前向きな姿勢を見せるようになりました。
この経験を通じて、私はママ自身の心の余裕がいかに大切かを痛感しました。
それまでは「どうしてできないの?」と詰め寄るような態度を取っていましたが、次女が「お水が怖い」と教えてくれたとき、初めて彼女の不安に気づくことができたのです。
それからは、「ママがそばにいるから大丈夫だよ」と声をかけ、トイレに行くときは必ず付き添いました。
また、トイレを楽しい場所に変えるために「シール作戦」を導入しました。
トイレに座るだけで1枚、おしっこが出たら2枚のシールを貼れるルールです。次女が100円ショップで選んだ可愛いシールは彼女にとって大きな楽しみとなり、「シール貼りたいから座ってみる!」と言い出すようになりました。
今では、トイレトレーニングはただオムツを卒業するための作業ではなく、親子で挑戦を乗り越える大切なプロセスだったと感じています。
同じように悩んでいるママがいるなら、「焦らなくて大丈夫」と伝えたいです。
子どものペースに寄り添い、小さな成功体験を積み重ねることで、親子の絆が深まり、かけがえのない思い出になるはずです。
どうか心に余裕を持って、笑顔で見守ってください。その笑顔はきっとお子さんにとって、何よりも大きな励みになるでしょう。
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