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挫折してわかった、朝活がしんどくなる本当の理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安井 智世(ライティング・ゼミ5月コース)
 
 
「朝活」
この言葉は爆発的に日本中を駆け巡った。
朝勉、モーニングメニュー、朝ラン、朝カフェ……。朝を有効に使おうという風潮はすっかり定着した。
 
かく言う私も朝活を好む一人だ。
朝は大体4時台に起きる。4時半前ぐらいに目が覚めることが多いので目覚ましもかけずに起きたいときに起きる。その後は30分ほど運動をして1時間から2時間ほど勉強をして、朝ご飯を丁寧に作って食べ、身支度と掃除を終わらせて家を出る。というのが私の朝のルーティーンだ。
絵にかいたような朝活だと我ながら思う。
このルーティーンは試行錯誤してたどり着いた私が継続しやすいベストなルーティーンなのだがこれに至るまで私は何度も挫折を繰り返してきた。
5年ほど前から朝4時や朝5時に起きる生活を始めたが継続できて1~2か月くらいだった。
なぜそんなに継続ができなかったのか。
挫折するときには決まったパターンがあった。
 
・1回失敗するともうダメだと思ってしまう
・無理に起きようとして寝不足になる
・朝起きてもやることが分からない
 
この3つだ。
これは朝活を始めようとする人が誰でもひっかかる挫折パターンなのではないかと思う。
よくある話なので当然解決策も大体ある。
例えば、
「1回失敗するともうダメだと思ってしまう」ならば「週2.3回から始めろ」と言う。
「無理に起きようとして寝不足になる」ならば「起きる時間を固定するのではなくて睡眠時間を固定しろ」とか「就寝時間も起床時間から逆算して固定する」と言う。
「朝起きてもやることが分からない」に関しては「ジャーナリングをしてみろ」と言う人や、「興味のある分野を勉強してみろ」「散歩に行け」「仕事の準備をしろ」などいろんなことを言う人がいる。
このように「朝活」というワードが流行っているがゆえに悩みの解決策はある程度、探したら見つかるようになっている。
私もネットやチャットGPTを使って今の朝4時起き生活を完成させることができた。
 
 
4時起きも定着し始めたしばらくたったある日の朝。
私は言いようのないだるさと共に目を覚ました。朝の4時半。
そのころ私は就活を始め、周りの人間関係が変わるなど変化の大きい時だった。疲れがたまっていた。
それでも「今日もやらなきゃ!」そう自分を奮い立たせて起き上がり窓を開けて外の空気を吸う。
「眠い……」
いつもは気持ちいいぐらい美味しい朝の空気が何の味もしなかった。
絶望的な気持ちで立ち上がり、顔を洗って、白湯を飲む。
「ストレッチはいいや……」
余りのだるさに朝の運動はパス。次は机に向かって今日一日のやることを整理して、勉強を始める。
「あーやりたくない……」
究極にめんどうくさくなってしまった。
結局この日はただ机に座ってスマホを眺めたり、勉強の動画を流してみているフリをした。なんの身にもなってない時間だった。さらには無理矢理起きたので疲れとだるさが朝からピークで1日中なにか重いものを背負っているかのような感覚で過ごした。
 
その日を終えたときには疲労困憊、へとへとで帰るなりしゃがみこんでため息をついてしまうくらいだった。
 
次の日。またとてつもないだるさと共に目が覚めた。
朝の4時。なんなら昨日よりだるい。
「もうなにもしたくない……」
朝活どころか、外にも出たくない。行きたくない。
絶望に絶望が乗っかる。
 
その時ひらめいた。
「よーし、こうなったら私を回復させるための朝活にしてやる!!」
朝活を使って回復する。そう決めた私はそのまま目を閉じた。
 
6時半再び目が覚めた時にはどことなく体が軽くなっていて、気持ちも心なしか軽かった。それでもまだ「なにもやりたくない! 朝活なんぞできん!」という気持ちはあった。というわけで次の作戦を決行する。
 
しめしめという顔でお風呂場に向かうとバスタオルを1枚取り、布団の上に広げた。そしていつも通りの朝ご飯を作り(ヨーグルトは気持ち大盛にした)布団に運ぶ。そしてすべてを運び終わったら私の登場。これで朝ごはん完成! 
布団の上に容赦なくパンくずを落としてむしゃむしゃ食べる。窓から入ってくる日光を全身で浴びながら食べる朝ご飯はいつもより格段に美味しかった。
「あー! 元気出たー!」
元気100倍の私は食器を片付けて身支度に移る。
いつもより少し丁寧にメイクをして、いつもより少し凝った髪型にする。すると何か薄いベールで包まれたような気分になる。このベールが今日の私の笑顔を守ってくれる。
 
掃除に手を付けるころにはもう気分はルンルンだったが、とっておきのご褒美を加える。
いつもお昼のお弁当はあらかじめ作り置きしておいたおかずを詰めるだけだが、今日は違う。冷凍庫から前に焼いてとっておいたホットケーキを取り出す。解凍している間に大好きなトマトを大量に切る。電子レンジからホットケーキを取り出しトマトと一緒にお弁当箱に詰める。100均のタレビンにメープルシロップを入れる。これだけで特製ホットケーキ弁当が完成する。すれ違う人はまさか私のお弁当箱の中身がホットケーキだとは思っていないだろう。今日私に色々言ってくる人がいてもその人も私のお弁当箱の中身がホットケーキだとは知らない。そう考えるとニヤニヤする。
 
そうして私は家を出た。
元気に一日を終えた。(お昼ご飯にホットケーキは血糖値が上がり過ぎて午後は超眠かった)
 
次の日から私はいつも通りのルーティーンに戻ることができた。
 
「活動」と名のつくからにはなにか活動しないといけない、なにかをやり遂げなければいけないと私はずっと思い込んでいた。
やり遂げられた時の達成感が好きだったし、目標に近づいていく感覚もすごくうれしかったからなにか身になることをしようとしていた。
でもそうじゃなくてもいいと知った。
朝にゆっくりとした時間を作る。自分をいたわる。
そんな時間も朝活じゃないとできないことだと知った。
二度寝ができたのも、布団の上をセッティングする時間があったのも、メイクを丁寧にできたのも、お弁当を作ったのだって、早く起きたから出来たのだ。
 
早く起きて、ゆっくりする。早く起きて、なにもしないをする。
それって自分に優しくするってことだ。
 
朝はバタバタしてしまいがちな時間。
でも1日を作るためのゴールデンタイム。
あなたがあなたに優しくできる時間でもあるかもしれない。
 
あなたの朝があなたに優しくあれる時間でありますように。
それがきっと、今日を少しだけ好きになれる方法。
 
 
 
 
***

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2025-07-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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