ライティングは国語より体育
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:YokoKita(ライティング・ゼミ7月コース)
子どもの頃から「読むこと」「書くこと」が好きだった。学校の図書室はパラダイスで、放課後によく入り浸っていたし、国語の授業で「創作文」なる課題が出たときは、原稿用紙5枚程度というところ、20枚くらい書いてしまい、先生に呆れられてしまったこともあった。
だから「書くこと(ライティング)」は苦にならない、と思っていたし、実際、今までに何か書くときに“苦しい”とまでは感じたこともなかったように思う。が、今、このライティング・ゼミ第二回目の課題締めきりを前にして、ゆ、指が……なかなか動いてくれない……、という“苦しみ”に襲われてしまった。
書くという行為自体は、さほど特別なことではないだろう。
私自身、以前から、例えばビジネスの場面では、企画書、提案書や報告書の類から、ちょっとした論文のようなものまで、多く書いたし、プライベートでも、日々思う事を綴ったり、いくつかの公募に文章を出したりしたこともある。ただ書く、というだけなら、もちろん企画や提案の内容自体に頭は悩ませるが、書けてしまう、のかもしれない。
ビジネスにしろ、プライベートにしろ、読み手はある程度限られている。上司であったり、顧客であったり、自分自身であったり。公募にしても、テーマや対象が予め設定されていて、それによって書く内容や文章のスタイルも自ずと定まってくる。それは、書く作業の難易度を少し下げてくれるのかもしれず、確かにそういう条件で書くのであれば、中身の評価や点数はともかく、書くこと自体は苦にならない。
それに対して、「不特定の、第三者に届ける」、「何のつながりも、関係性もない人々に伝える」、というのは、同じように「何か伝えたいことがあって」それを「書く」という作業でも、まったくその質が異なる。質が異なるだけでなく、難易度もぐぐーんと跳ね上がる。こうして実際に体験してみて、しみじみとそのことを感じている。
このように、基礎はそれなりにあっても、応用編になったらまったく出来なかった、難しかった、という感覚を、別の場所でも感じたことがあるなぁとしばし考えていた。そこで思い出したのが、趣味で習っている太極拳のレッスンだ。
太極拳を始めてもうかれこれ10年以上経つが、第一回目のレッスンを今でもよく覚えている。何を覚えているかというと、とにかくうまく動けなかったということだ。先生の説明が“頭では解っても”身体で表現できない。周りのベテランの皆さんはとても上手に動けているのに、私だけどうにも不格好で恥ずかしくてしょうがなかった。
私は若いころから運動好きで定期的に身体を動かしていたから、勝手に「まぁ運動には慣れているし、ちょっとやればすぐに上手く出来るだろう」と思い描いていたのだが、その期待は数十分であっさりと崩れ去った。動き方はなんとなく似ているのである。しかし、初心者のやることと、経験者のそれとでは、本質的な部分でまったく異なっていた。
それでも、身体を動かすことは気持ち良く、独特の動きにも魅かれて、その後もレッスンを重ね、今となっては、かつて羨ましく見ていたベテランさん達と同じような(どや)顔で動けるようになったのだが、この習い始めの頃を思い出して感じるのは、「あのころとは身体、というか“筋肉”が違う」ということだ。元々ある程度の基礎体力とそれなりの筋肉はあったが、とにかく量も、そして質も、変わった。ただし、これは、運動を続けていれば当たり前のことなので、筋肉自体はあまり自慢にならない。
ポイントは「続けている」ということだ。
時折、初心者の方がレッスン参加されることがあるのだが、初回のレッスンですぐに辞めてしまう人も、少なからずいる。あるいは、2、3回で、「もういいです」、「難しいです」、「思っていたのと違います」、などの理由で辞める人もいる。
人それぞれに思うことがあり、自分の感覚に合う合わないということもあるから一概には言えないが、もったいないな、と思う。筋肉の量や質が変わり、身体も変わっていくには時間がかかる。どんな運動でも、いや、運動に限らず何事においてもそうだろうが、1回や2回では何も変わってはこない……。
と、この太極拳を通じて得た「時間をかけて根本から変えていく」という感覚。これを今、まさにライティングに感じている。読み書きが好きだし、これまでにも文章はたくさん書いてきた。が、いわゆるコンテンツとして書けるかどうかはまったく別物で、ちょっと学んだくらいではそう簡単には身につかなさそうだ。それは、運動が好きである程度筋肉もついていても、最初から太極拳の動きをマスターできるものではなかった、ということに似ている。
最初に受講した“1DAY講座”の時に、講師の方が仰ったことで、私にとっては驚きだったので赤字でメモした言葉がある。それは「理解よりも体得」ということ。“ライティングは自転車に乗るようなもので、誰でもやれば出来る、ただし、練習が必要! 理解よりも体得です(だから課題は出して!)”、ということだった。私はどちらかというとライティングについて、そのセオリーとかコツのようなものを頭で「理解」することが大事だと思っていたから、この「理解よりも体得」というのはとても印象的だった。
そして今、確かに体得だわ……と実感している次第である。太極拳の学びを当てはめるならば、「体得」には「継続」が必要であり、「継続」には“スポ根”的な「根性、根気」が必要だ。
継続こそ力なり、スグにあきらめないこと! と、呪文のように呟きながら、もしかしてライティングって、科目で言ったら国語っていうよりも体育なのかも、と思い始めている。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「名古屋天狼院」
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「湘南天狼院」
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00