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『養生訓』とAIとご先祖様と《インフィニティ∞リーディング体験レポート》


*この記事は、「ハイパフォーマンス・ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2025年6月開講】目標達成するための文章講座「ハイパフォーマンス・ライティング」〜たとえどんなに上手くとも、効果がなければ意味がない。〜

記事:吉田実香(ハイパフォーマンス・ライティング)

読書会とおばあちゃん

母方の祖母は、98歳の大往生だった。

農家の長女として生まれた祖母は、婿に来た祖父とともに田畑を守り、自給自足に近い生活を送り、6人の子どもを育て上げた。

規則正しく、畑や田んぼで体を動かし、野菜中心の素朴な食生活で、質素に暮らしていた。

唯一、健康には良くないこととして、お酒が好きだった。

でも、特に健康を害することなく、晩年まで飲んでいた。子どもや孫たちと一緒にお酒を楽しんでいた祖母は、とても幸せそうだった。

そんな祖母を思い出し、祖母の人生に思いを馳せたのは、読書会の冒頭だった。

主催者の三浦さんが、「和食と腹八分がいちばんいい。健康のために必要なのは、おばあちゃんが言っていることを実践するだけでいいのではないか」と話したからだった。

天狼院書店が究極の読書会と謳う「インフィニティリーディング」。

AIを駆使し、本をより深く、広く、速く読む方法を実演し、読書と学びの可能性が無限大に広がる読書会だ。

インフィニティリーディング読書会は4タイプある。

TYPE-W:ウェルネス」、「TYPE-P:実践型」、「TYPE-C:古典」、「TYPE-S:ストーリー研究所」の4つだ。

今回は、TYPE-Wのウェルネス、健康に関する本を読み解く読書会で、課題本は『養生訓』だった。

『養生訓』は知っている。

というか、タイトルは聞いたことがある。

けれども、作者も知らず、内容も「ウェルネスの読書会の課題本なのだから、健康に関すること?」という程度。

読書会当日になって、慌てて課題本についてAmazonで調べた。

作者は、貝原益軒。ディスカヴァー・トゥエンティワンから『超訳 病気にならない体を作る 養生訓』として出ていた。

そして、表紙には、体は本来、100年でも長持ちするものだと書かれていた。

さらに食事、睡眠、運動、マインドまで。300年読み継がれる「健康」の大名著を現役医師が超訳と続く。

300年も読み継がれる大名著であり、しかもそれを、医師である奥田昌子氏が超訳したということだ。

とても、面白そう。

まさに、人生の後半戦に必要な本だ。

読んでみたいと思いつつ、本日の読書会にはとうてい間に合わない。

インフィニティリーディングは、読んでいなくても参加できる、読んでいなくても読んだ以上の学びが得られるという、おおらかでありがたい読書会だ。

過去にも読まずに参加したことが何度もあるが、参加して本当によかったと大満足だった。

本日もそれに期待しよう。

冒頭は、おばあちゃんに思いを馳せ、おばあちゃんとの思い出の世界に浸りそうになったけれど、三浦さんが「今日は変わったことをやる」と語り始めたので、現実へと引き戻された。

過去のインフィニティリーディングTYPE-Wで扱ったウェルネス系の本のレポートをすべて投入したAIがあり、『養生訓』との適合性を検証するというのだ。

それはそれは、面白いではないか。

過去すべてのTYPE-Wの読書会に参加できているわけではないけれど、『休養の科学』とか『腸と脳』、『眠っている間に体の中で何が起こっているのか』、『最強の食事』など、多くの健康に関する本と出会えた。

睡眠の質を上げる努力をするようになったり、休養はただ寝ればいいわけではなく活力を得るための休み方を学んだりしてきた。

300年前の『養生訓』と最新の医学や科学がどこまで適合するのか。

楽しみな展開だ。

140歳を目指す人のための指南書

インフィニティリーディングのマスターを務めるのは、天狼院書店店主の三浦さん。

本気で140歳まで生きることを目指し、「AIウェルネス倶楽部」という講座も開催している。

AIを駆使して食生活を改善し、人間ドックで体中を調べ、着々と体重を減らし、確実に健康になっていっているのだ。

平均寿命が40歳の江戸時代に、作者の貝原益軒は、なんと85歳まで健全に生涯を全うしたというのだ。

まさに、三浦さんのお手本の益軒さん。

その貝原益軒は儒学者であり、文系から理系まであらゆる学問を学び、極めた博識者だ。

『養生訓』は、身体と精神の両面から長寿を全うするための日常心得を説く指南書とのこと。

全八巻で構成されていて、総論の「儒教思想に基づく心身養生の基本」から始まり、食養生についてや具体的な運動・栄養・休息の方法などを解説している。

また、医者との付き合い方や病を防ぐ方法、薬の害など、多岐にわたる内容が網羅されているのだ。

具体的には、そしてざっくり言うと、以下のようになる。

食事は腹八分、薄味、温かいものをバランス良く食べなさい。生ものや冷たいもの、硬いものは体に良くない。

運動は、軽い散歩などを日常的に行い、血行を促進しなさい。

休息は、夜更かしは厳禁、適度な睡眠時間と質を確保しなさい。

心の安定のためには、怒りや憂いを減らし、感謝と前向きな心持ちで過ごしなさい。

人間関係は、調和を重んじ、社会的なつながりが心の安定をもたらします。

そして、病気になってから対策を講じるのではなく、予防に力を入れなさい。医者選びや薬の飲み過ぎにも注意しなさい。

反論の余地は、とうていない内容だ。

すべてに納得だけれど、硬いものが体に良くないというところだけが引っかかった。

消化に悪い、胃に負担がかかるという意味だろうか。

現代人は柔らかいものばかり食べていて、あごが衰えていると聞いたことがあるけれど。

そして、三浦さんによると、やはり「和食最強」とのこと。

今までのインフィニティリーディングでも、和食がよいというのはよく聞いた。

ごはんにお味噌汁に納豆。大好きな組み合わせだ。これに卵焼きとか、鮭の塩焼きとかが加われば、ステキな食事になる。

日本人でよかった。なるべく和食を食べよう。

そして、運動量を維持し、質のよい睡眠を確保し、心穏やかに過ごし、人間関係は調和を保ち、病気の予防に努めれば、今よりももっと健康になれるはずだ。

だがしかし、大きな問題がある。

「腹八分」は今までも頭ではわかっていたが、腹八分どころか九分も通り越して、「お腹いっぱい」まで食べることが当たり前になってしまっている……

過食は親不孝、お酒はもっと親不孝

貝原益軒は、「身体は親や祖先から授かった貴重な賜物であり、不摂生や過剰によってこれを損なうことは、親不孝の極みである」と説く。健康を維持することは、私たちに課された道徳的な義務であると。

それに基づくと、「過食をして体に負担をかけることは親不孝だ」となるのだ。

大変だ。

私は毎日毎日、親不孝をしていることになる。

腹八分がいいのはわかっている。

お菓子も食べないほうがいいのはわかっている。

でも、ついつい、お腹いっぱいになるまで食べてしまう。

腹八分で食事を終了しても、結局もの足りなくて、お菓子を食べてしまう。

それならば、ごはんを満足いくまで食べてお菓子を食べないほうがまだいいのか? とか、食後のお菓子は空腹時に食べるより血糖値が上がらなくていいと聞いたからよしとするか、とか考えていたけれど、そもそもが間違っていた。

腹八分で食事を終えることは義務であり、自分を大切にすることであり、親孝行につながるのだ。

お腹いっぱい食べ、さらにはお菓子も食べた上、睡眠を確保するため消化もそこそこに寝てしまう生活リズム。

睡眠時間の確保はそれなりにできているけれど、食事や入浴のタイミングなど、根本的に生活を改めなければならないということだ。

そして、私はさらに親不孝をしている。

お酒が好きなのだ(おばあちゃんに似て)。

今や「酒は百薬の長」ではなく、お酒は体に害しかないのだ。

それも、知ってはいる。

三浦さんが言うには、「お酒は油を飲んでいるのと同じくらいのカロリーがある。だから、体に良くないし、太るのだ」と。

でも、毎日は飲んでいない。

平日は飲まないと決めていて、週末の楽しみとしている。

あとは、友人と飲みに行くのはよしとしている。

それも、飲みに誘われたら何でもかんでも行くわけではなくて、ちゃんと厳選もしている。

でも、週末の楽しみだからとついつい飲み過ぎたり、久しぶりに会う友人と飲むと盛り上がってしまい、翌日激しく後悔することになったり……

「ついつい」で親不孝が過ぎる。

ついつい食べ過ぎ、ついついお菓子をつまみ、ついついお腹が重たいまま就寝し、ついつい週末に飲み過ぎ、ついつい友人と盛り上がって深酒をする……

親不孝が過ぎて、おばあちゃんにもご先祖様にも申し訳ないことをしている。

でも、やめられずに今日に至る。

これは、「気」が乱れ、滞っているから、欲望に負けるのだろうか……

「気」の答えはロールプレイングゲーム、そして結論は

『養生訓』には「気」の概念が出てくる。

AIの解説によると、「健康とは、気が豊富で、滞りなく循環している状態」であり、「病気は、気の消耗(過労や過剰な欲望による)か、気の停滞(運動不足や精神的苦悩による)のいずれかによって引き起こされる 」のだと。

そして、「『養生訓』における全ての助言は、最終的にはこの「気」を保存し、循環させることを目的としている」とのこと。

「気」とは、「元気」とか「やる気」、「気力」などのように、健康に生きる上で重要な要素であるのだろうと推測はできるが、いまいち、この「気」というものがわからない。

三浦さんも、最初は「気」についてわからないと言っていたものの、AIの解説を読んですぐに「わかった!」と。

なぜ? どうして?

どこをどうしたら、わかったの?

私の頭にはハテナしか浮かんでいないのに、三浦さんは納得した表情で解説を始める。

三浦さんによると、「気」とは「マジックポイント」なのだと。

ドラゴンクエストなどのロールプレイングゲームのマジックポイントで、敵を倒す呪文を唱えるために蓄えておかなければならないマジックポイントと「気」は同じだというのだ。

三浦さんは、タイムマネジメント講座などで、マジックポイントを「モチベーションポイント」として解説している。

いざというときに使えるようにモチベーションポイントを貯めておかなければならない。

疲れていると、朝起きるだけでモチベーションポイントを使い果たしてしまうことになる。

だから、『養生訓』を実践してモチベーションポイントを貯めておくことができれば、いざというときに使えて、循環していくということだ。

ふむ、納得。

たしかに、「気」というか、マジックポイントなのかモチベーションポイントなのかが貯まっていれば、「ついつい」を阻止することができると思う。

「ついつい」の誘惑に対し、貯めておいたモチベーションポイントを使い、「ごはんをおかわりするの?」とか、「この時間にお菓子を食べるの?」、「ストレッチをサボるの?」、「もう1本飲むつもり?」などと自分で自分に声をかけることができるだろう。

読書をして、さらにAIを駆使できたとしても、結局はそれを読み解く力がなければ、知識は知識のまま素通りしてしまい、自分の中に落とし込むことはできない。

私には、その能力が圧倒的に不足しているのだ。

インフィニティリーディングの魅力はやはり、AIの叡智と三浦さんの英知をもって本を読み解いてくれることなのだと、改めて実感した。

そして、読書会の終盤。

冒頭に言っていた、過去のインフィニティリーディングTYPE-Wで扱ったウェルネス系の本のレポートをすべて投入したAIが、『養生訓』との適合性を検証し、「現代の脳科学、健康科学、休養学の最新の研究結果が導き出した多くの結果は『養生訓』と驚くほど一致している」という結論だった。

『養生訓』は、現代の医学や科学の最新エビデンスと適合した、普遍的な健康指南書だということだ。

TYPE-Wの読書会のクライマックスだ。結論は『養生訓』でいいのだ。」と三浦さんは言った。

さらに続けて、「最初に『養生訓』を読んだとしても、人は納得できないだろう。今までのインフィニティリーディングで知識を積み重ねてきたからこそ、『養生訓』への納得度が高まるのだ」と。

たしかに、いろんな本で得た知識があるからこそ、『養生訓』への納得度は高まったし、やはり日本人に合っているのだと思った。

自分一人で読むだけでは到達できないところまで連れて行ってくれるのが、インフィニティリーディングの魅力だ。

私は今回のインフィニティリーディングに参加して、『養生訓』に倣ってできることを実践していき、自分の心身を大切にして親孝行をしたいし、ひいては祖父母孝行、ご先祖様孝行もしていきたいという結論に至った。

でも、たまにはおばあちゃんやご先祖様も一緒に飲みましょう、だから、ほどほどのお酒は許してね、とも。

インフィニティリーディングは、回を重ねるごとに進化していく。

なぜなら、AIは進化していくし、三浦さんも進化していき、さらにはインフィニティリーディングの膨大な知識が積み上がっていくからだ。

まだ、参加したことがない方は、ぜひ一度参加してみてほしいと思う。

より進化したインフィニティリーディングは、これからもどんどん進化し、想像もつかない場所へと連れて行ってくれると思う。

≪終わり≫

***

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2025-10-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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