第16回 《週間READING LIFE「けっこん、します」》
記事:藤原 宏輝(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
前回は、第4章‘現実的な生活設計’でかなり重要な ‘家計管理’についてお伝えしました。
「結婚前にお互いの事を、もっときちんと話し合っておけば良かった。今さら聞けない」というお話をよく耳にします。
結婚生活において、それぞれが育った環境の違いや見解、価値観の相違で、必ずぶつかる壁はお金の問題でしたが、今回はさらにぶつかりやすい壁。
それは、家事の問題です。
それぞれの見解で異なりますし、個人差もございます。これらをよくご理解頂いた上で、ここから先は、読み進めて頂きたいと思います。
第16回は、‘現実的な生活設計・価値のすり合わせ続編’ さらに深くその先へ進みます。
それぞれに育った環境の違いからくる「家事の当たり前」についてです。
5年前、交際歴2年。お互いに30歳を目前に控え「そろそろかな」という空気の中で、静かに結婚を決めた。
大恋愛の末の結婚というわけではなかった。燃えるような情熱よりも「安定」を求めていた。仕事もそれなりに安定し、互いの価値観も似ていて、ケンカも少なかった。
「この人なら、大丈夫だと思った」となんとなく、お互いに思っていた。
共働きで経済的な負担を分け合い、家事もできるだけフェアにこなす。何もかもがバランスよく、無理がなかった。相性・価値観・収入・将来設計などを冷静に判断して決めてきた。
お互いに「結婚によって得られる利益」がはっきりしていた。
感情に流されず、安定した生活基盤を築くことを優先してきた。いわゆる合理的結婚だったのかもしれない。
「私たちって、いつまでこのままでいるのかな?」
そう、このひとことを奥様が発するまで「これで、いい。これが、幸せ」と思っていた。
きっかけは、1週間ほど前に友人夫婦の家に招かれた時のこと。
ほぼ同じ時期に結婚し、5年目の友人夫婦。
学生時代に出会い、卒業と同時に22歳で結婚。就職も不安定なまま、勢いで結婚した。
「子どもはまだ、いいね」というお互いの納得。
どちらのご夫婦も‘お2人様家族’で、共働き。状況は似ている。
しかし、何かが違う。それは、家の中の生活感と笑い声が満ちていた。
夕食後、テーブルを囲んで4人でお酒を飲んでいると、友人は笑いながら言った。
「俺たち、貯金もほとんどなかったし、将来設計も甘かったよ。でもさ、なんか“この人とじゃなきゃダメだ”って思っちゃったんだよね」
隣で奥さんは笑いながら、
「だから怖くて、子供も作れないし。お家も買えないし、将来は不安でしかないんです。でもお金の事だけじゃなくて、主人は家事は全くダメなんです」
この言葉が、奥様の心に刺さった。
奥様は帰宅したあと、ふと御主人に
「ねえ私たちって、情熱的だったことってあったかな?」と聞いてみた。ご主人は少し考えて、
「うーん、あんまり記憶にないな。でも、それって悪いことなのかな」とポツリと言った。
「俺たちは、ちゃんと未来を見て、一緒に生活を組み立ててきた。恋愛のドラマは少なかったけど、そのぶん、壊れにくくて頑丈な家族関係を積み上げてきた気がする」
奥様は「そうだね、確かに私もそう思う」と御主人の言葉に黙ってうなずき、それ以上は何も話さなかった。
そして、あらためてお2人が仲良くしていく為の‘作戦会議’で、新しいルールみたいなものを作った。
平日はこれまで以上に、家事の分担は明確にした。
お休みのお出かけの時は、これまでのように生活用品や食料品の買い出しだけでなく、1か月に2回は、お互いがデートプランを考えたりして、今まで行かなかったようなデートスポットや、少し冒険するような企画などを提案したり、サプライズをしたり。
とにかく、これまでのお2人とは全く違うカタチで“非合理的な時間”も作るようになった。
共働き世帯における「家事分担」の意識や実態について、公的機関(内閣府)の調査や各種民間企業の最新意識調査データをもとに、現実的なポイントをまとめました。
現代の夫婦における家事分担の実態・データ
- 共働き世帯でも負担比率は「妻7〜8割」が主流
意識と実態の差:共働きだから折半(5:5)」というイメージが浸透しつつありますが、実際の調査データでは共働き世帯であっても家事の約70〜80%を妻が担っている家庭が主流です。
理想と現実:若い世代(20代・30代)を中心に「もっと自分が分担すべき(男性)」「もっと配偶者にやってほしい(女性)」という意識は高まっていますが、実際の行動や行動時間のバランスにおいては偏りが残っているのが現実です。
- 「家事の種類の違い」と「見えない家事」
夫が担当しやすい家事:ゴミ出し、風呂掃除、週末の買い物など、単発で完結するタスクが多い傾向があります。
妻に集中しやすい家事(見えない家事):毎日の献立作り、日用品の補充、清掃計画、名もなき家事(詰替え・片付け)」など、日常的・連続的かつ管理業務に近い家事は妻側に寄りがちです。
すり合わせで使える「現代の家事分担パターン」
※現代のカップルが現実的な生活設計をする際、よく用いられるアプローチ方法です。
① 時間帯・生活リズムで分担する(時間軸アプローチ)
例: 「朝の掃除・洗濯・ゴミ出しは夫」「夜の料理・皿洗い・洗濯物たたみは妻」
メリット: お互いの勤務体系や得意な時間帯(朝型・夜型)に合わせやすい。
② 得意・苦手で役割固定する(カテゴリーアプローチ)
例: 「料理全般・買い物=妻」「水回り掃除・ゴミ捨て・機械系=夫」
メリット: 相手のやり方に細かく口出しせずに済み、ストレスが減る。
③ タスクの数値化・「見える化」
家事を細かくリストアップ(名もなき家事を含む)し、お互いの分担比率を可視化する。
気づいた方がやる」という曖昧さをなくすことで、不満の蓄積を防ぐ。
④ 家電・外注による「手間抜き(アウトソーシング)」
食洗機、ロボット掃除機、ドラム式洗濯乾燥機などの「時短家電」の導入。
ミールキットや家事代行、テイクアウトの活用。
ポイント: 「ふたりの時間を確保するため」の投資として、家事そのものを減らす視点。
現代は「不公平感が少ない」「お互いに自由になるお金を残せる」という価値観。
昭和・平成の「どっちかが我慢する・合わせる管理」から、
令和の「ふたりが納得して自立し合う管理」へと、変化しているのです。
家計とは、単なる計算合わせではなく、おふたりがどんな人生を送りたいか?
という『価値観のすり合わせ』そのものなのです」
いかがでしたか?
次回の第17回は、‘現実的な生活設計・価値のすり合わせ続編’で、仕事についてです。
次回も関係性を丁寧に育てていく為について、触れていきたいと思います。
《終わり》
❒ライタープロフィール
藤原宏輝(ふじわら こうき)『READING LIFE 編集部 ライターズ俱楽部』
愛知県名古屋市在住、岐阜県出身。ブライダル・プロデュース業に25年以上携わり、2200組以上の花婿花嫁さんの人生のスタートに関わりました。思い立ったら世界中どこまでも行き、知らない事はどんどん知ってみたい。好奇心旺盛で、即行動をする。
何があっても、今を全力で生きる。切り替えが早く、とにかく前向き。
これまでのブライダル業務の経験を活かして、次の世代に、未来に何を繋げていけるのか?
といつも模索しています。2024年より天狼院で学び、日々の出来事から書く事に真摯に向き合い、楽しみながら精進しております。
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