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時間とお金と自己否定をかけ合わせて、友人との会話を足したら

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:吉田実香(26年9月ライティング・ゼミwith AI)

 

「今、話していて気付いたんだけど、私が羨んでいる人たちみたいになりたいのかと言われると、違うのかも」

言った瞬間、戸惑いました。

自分の言葉の真意がわからず、キョロキョロしてしまいました。

友人も、画面の向こうで首を傾げています。

いつもなら、これは負のループの中で言ったり思ったりする言葉でした。

しかし、いつもとは違うような……。

「私はね……」

 

 

「何者かになりたい」

いつもそう思っていました。

「ならなければいけない」とも思い込んでいました。

 

いつから、そう思っていたのでしょうか。

それは、学生時代に遡るかもしれません。

肩書きを名乗れる職業に就きたい、就かなければいけないと思っていました。

しかし、就職氷河期を言い訳に、なりたかった職業を早々にあきらめてしまいました。

いや、もっともっと遡るかもしれません。

「あなたたちが成人するまで離婚できない」と破綻した結婚生活を我慢し続けた、専業主婦の母を見下していたからかもしれません。

 

どうして何者かになりたいのかといえば、今の自分ではダメだから。

努力して、成長して、今の自分ではない自分に、新しい「何者か」にならなければいけないから。

 

そのために、自己投資にお金をかけてきました。

しかし、いくら時間やお金をかけても、そもそも何者になりたいのかが、いつまでたっても定まりません。

ライター、コーチ、犬や猫の保護活動、いやいや本業に専念すればいいのでは、と。

 

私の周りでは、どんどん何者かになったり夢を叶えたりする人が現れます。

それは、いろんなスクールで出会ったステキな方々です。

コーチやライターとして活躍、本を出版、出世して重役に、自分のオリジナルのビジネスを展開。

 

でも、いつまでたっても、私の見ている景色は変わりません。

毎日会社に行って、仕事をして、休日はだらだらしてみたり学んでみたり。

何者にもなれていない、変わらない日常です。

「何者か」がふわふわしているから、なりようがないともいえるのですが。

 

もう、すべてやめてしまおうかな。

そう思いました。

本業の仕事は辛いことも多いけれどやりがいがありますし、生活には困りません。

仕事を頑張って、あとは趣味を楽しんで、のんびり生きていくことの、何がいけないのだろう。

そうやって、あきらめとも開き直りともいえる心境になり、でも吹っ切ることはできずにモヤモヤと過ごしていました。

 

そんな、ある日。

さきほどのコーチングスクールの仲間が連絡をくれて、zoomで近況報告をすることになりました。

その友人も悩んでいて、お互いにスクールでは話せないあれやこれやを語り合いました。

 

「本を出したりセミナーを開いたり、みんな凄いよね」

私は、ふと、言いました。

そして、自分だけ何者にもなれていないのだ、と。

 

今まで誰かと比べて自己否定することをずっと繰り返してきました。

比べても意味がないことは頭ではわかっているのですが、つい比べてしまい、そして落ち込み、自己否定に陥るという負のループです。

 

今回もその流れで、「私が羨んでいる人たちみたいになりたいのかと言われると、違うのかも」と言いました。

しかし、違和感がありました。

でも、その違和感の正体がわかりません。

わからないながらも話を続けたところ、ハッとしたのです。

彼らを羨んでいるのは事実だけれど、自分が目指している方向はまったく違うのではないか?

 

「私はね、誰かのサポートをしたり、応援したりしたいのかも」

私が今までずっとそう思っていたかのように、ごく自然に言いました。

そうしたら、自分の中に「あるもの」が次々と見えてきたのです。

 

子どもの頃から、お姉ちゃんとして、妹やいとこたちの面倒を見ることが楽しかったこと。

相手の表情や声色から機嫌を察知したり、その場の空気を読んだりするのを、やりたくなくてもやってしまうこと。

リーダーとして采配を振るうよりも、そのリーダーが動きやすいようにサポートしたり根回ししたり調整したりすることの方が得意だということ。

誰かを手助けしてその人がやりたいことができたり、縁の下の力持ちの役割を果たして物事がうまく運んだりすることに喜びを感じること。

 

 

何者にもならなくてもいい。

 

急に心が軽くなって、目の前が開けた感じがしました。

何者かになれていなくても、自分にあるもの、すでに持っているものに気付けたことに、自分へのダメ出しの気持ちが和らぎました。

そして、もう何者かにならなくてもいいと思えたのです。

 

ここにたどり着くまでに、どれだけの年月と、自己投資と、自分を責めることに費やしてきたのでしょう!

その膨大な時間やお金への後悔の念は、今すぐには消せません。

 

しかし、何者かにならなくていいと思えた直後、新たな展開が待ち受けていました。

話の流れから、その友人のコミュニティ運営を手伝うことに!

やりたいと思ったことが、目の前ですぐに実現したのです。

 

zoomを閉じたときに、友人が言った言葉を思い出して、思わず笑顔になりました。

「いずれ大金払えるようになるから、待っててね」

そして、その言葉を聞いて、私は初めて気付きました。

ずっと探していた「何者か」は、すでに私の中にあったのかもしれない、と。

 

 

《終わり》

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