第20回 《週間READING LIFE「けっこん、します」》
記事:藤原 宏輝(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
前回は、‘現実的な生活設計・子育て’についてお伝えしました。
新しい家族としてスタートしていくと、人生設計にはあるであろう‘子ども’の育て方。
第20回は‘お互いの価値観・働くことと、これまでの環境’について触れたいと思います。
働くこと。仕事に対しての価値観は、昭和・平成・令和までの時代の変遷という観点から、こちらの連載の第3回でも一度触れています。
お互いの価値観が働くことに、そもそも「なぜ?」関係あるのか?それは、これまでの環境とも大きな関わりがあるようです。
結婚生活において、それぞれが育った環境の違いや見解、価値観の相違で、ぶつかる壁はいくつもあります。
それぞれの見解で異なりますし、個人差もございます。これらをよくご理解頂いた上で、ここから先は、読み進めて頂きたいと思います。
両家の顔合わせがいかに重要かを示す、実際の話をさせてください。
愛知県出身のご新郎様と、 横浜出身のご新婦様のカップルがいました。 お2人は東京の大学で出会い、そのまま付き合って結婚を決めました。
結婚に対する考え方が、ご両家でまったく違いました。
横浜のご新婦側のご両親は「個人の自由だから好きにしなさい」というスタンス。
愛知のご新郎側のご両親は、 代々続く会社を持っていて「家と家の話だ」というスタンスでした。
「うちの息子の相手はどういう家の子なのか」を確認することから始めようとした親御さんを、 当のご新郎様は理解できませんでした。
「今どき何を言っているんだ」と、お2人はそのまま突き進みました。
名古屋で結婚式を挙げ、 東京の会社にそのまま就職して、 東京に住み続けました。
愛知のご両親が思い描いていた「息子が会社を継ぐ」という未来は、 静かに消えていきました。 跡継ぎがいなくなった、という結果だけが残りました。
誰も悪意を持っていなかったんです。 ただ「家と家の話」 を最初にしておかなかった。 それだけで、 長年積み上げてきた家族の想いが、すれ違ってしまいました。
この話で大切なのは、どちらが正しくてどちらが間違いという話ではない、ということです。 最初からすれ違っていた。 だからこそ早い段階で「うちはこういう考えです」を相手の家族に伝える場は必要です。
恋愛と結婚はなぜ違うのか?
似たような話は、長男・長女問題でもよく起きます。
「次男って聞いていたから跡継ぎの心配はないと思っていたのに、 実は地元に戻らなきゃいけないことがわかった」
というケースも珍しくありません。 転勤の多い職種なのに、それを伝えないまま交際を続けてしまうこともある。
「言いにくい」という気持ちは、よくわかります。 でも言いにくいことほど、早めに話しておく方が、後々の関係のためになります。
「働くとは何か」という価値観が、昭和・平成・令和という時代の変化と、育った家庭環境によって異なり、その違いが結婚した新郎新婦の人生にどう影響するのか。
昭和・平成・令和で変わった「働く」という価値観
- 昭和時代 会社に尽くす時代
・年功序列・終身雇用が理想とされた時代。
・会社に長く勤めることが安定につながる。
・男性が外で働き、女性が家庭を守るという役割分担が根強い。
・「仕事を頑張ることは、家族を守ること」という考え方。
仕事は、家族を養うための責任。
- 平成時代 会社と個人の間で揺れる時代
・バブル崩壊・雇用の変化・共働きの広がり
・会社に勤め続けても、将来が保証されるとは限らない。
・女性の就業が広がり、夫婦で働き家計を支える家庭が増える。
・仕事の安定と、自分らしい生き方の両方を求める。
仕事は、生活を支えながら自分の可能性を広げるもの。
- 令和時代 自分の人生を選ぶ時代
・多様な働き方・共働き・キャリアの選択
・会社だけに依存せず、転職や独立などの選択肢を持つ。
・仕事だけでなく、家族との時間や自分の幸福も大切にする。
・性別によって役割を決めず、夫婦で話し合って分担する。
仕事は、自分らしく生きるための選択肢の一つ。
もちろん、昭和の人が全員そうだったわけでも、令和の若者が全員そうだというわけでもありません。これは、時代の変化を捉えるための大きな傾向です。
そして重要なのは、令和に結婚する二人が、必ずしも令和の価値観だけで育ったわけではないということです。
本人たちは令和を生きていても、その価値観の土台をつくったのは、昭和や平成を生きてきた両親なのです。
- 昭和を生きてきた親世代
・安定した会社に勤めてほしい
・苦労しても仕事を続けるべき
・仕事を頑張るのが家族への愛情
・結婚したら家庭を優先してほしい
・住宅や貯蓄など、形に残る安心
- 令和に結婚する子世代
・自分に合う仕事を選びたい
・心身を壊してまで働きたくない
・家族と過ごす時間も愛情の一つ
・結婚後も自分の人生を大切にしたい
・お金に加え、時間や心の余裕もほしい
厚生労働省の分析でも、働く目的として「お金を得るため」を挙げる人は増えており、収入の安定と私生活とのバランスが重視されています。つまり、仕事への責任がなくなったのではなく、仕事と人生の関係を考え直すようになったのです。
親は、子どもに苦労してほしくないからこそ、自分たちが信じてきた生き方を勧めます。
一方、子どもは親の苦労を見てきたからこそ、違う生き方を選びたいと思うこともある。
どちらも、幸せを願っている。
それなのに、すれ違ってしまうのです。いかがでしたか?
次回、第21回は‘お互いの価値観・働くこと’について、もう少し深掘りしていきます。
❒ライタープロフィール
藤原宏輝(ふじわら こうき)『READING LIFE 編集部 ライターズ俱楽部』
愛知県名古屋市在住、岐阜県出身。ブライダル・プロデュース業に25年以上携わり、2200組以上の花婿花嫁さんの人生のスタートに関わりました。思い立ったら世界中どこまでも行き、知らない事はどんどん知ってみたい。好奇心旺盛で、即行動をする。
何があっても、今を全力で生きる。切り替えが早く、とにかく前向き。
これまでのブライダル業務の経験を活かして、次の世代に、未来に何を繋げていけるのか?
といつも模索しています。2024年より天狼院で学び、日々の出来事から書く事に真摯に向き合い、楽しみながら精進しております。
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