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メディアグランプリ

37年目で初めて許されたサラリーマンは、個人事業主になることを決意し、そして天狼院書店と出会った


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:藤森融和(スピードライティング特講)
 
「そもそも君は、時間の使い方がおかしいよね」
 
転職してからというもの、私は仕事がまったくうまく行かなくなってしまった。40歳を目前にしての転職だから、周りからはいろんな期待があったと思う。だからこそ、思うようにいかない現状をなんとかしたいという一心で、4ヶ月間、仕事に打ち込んできた。そんな気持ちをよそに、上司はどこか呆れたような口調のまま、面談を続けた。
 
「仕事の優先順位がつけられていないし、全体の見通しも立てられていない。これから、毎日の出退勤時刻や行動を細かくチェックします。記録を付けて毎日提出してください。外回りのときの直帰は禁止。それから……」
 
大学を出てから10年以上、それなりに頑張って社会人をやってきたつもりだ。なのに、今さらそんな対応を受けている自分がとても情けなかった。ときおり苦笑いの混ざった上司の表情は、私をさらに惨めな気持ちにさせた。いろんな感情がグルグルと回る頭のなかに、ふと、ネットニュースで見かけた記事のことが浮かんだ。
 
「大人になってから、発達障害だと診断される人がいる」
 
仕事の段取りがうまく立てられない、忘れものや細かいミスが多い、空気が読めず同僚やお客さまとのコミュニケーションがうまく取れない。仕事でつまずき、生きづらさを感じる人が増えているのだという。
 
発達、という名前のとおり、本来は子どものころに発見される障害のことだが、一般的に知られるようになったのはこの10年くらいのこと。つまり、「それ以前に子どもだった、大人たち」は、障害という概念すらなく、何もケアを受けることなく、社会に出てから働きづらさ・生きづらさを感じているというのだ。
 
記事の内容と、上司から受けたフィードバックの内容が、私のなかで重なっていく。病院へ行ったらなにか変わるのかも……そして私は「発達障害」だと診断を受けた。
 
自分では何も悪いことをしていないつもりなのに、気が付くと友だちの輪からはずされていた。何かを続けることが苦手で、勉強もスポーツも中途半端だった。理由はよくわからないけど、自分の性格に問題があるのだろう、自分の努力が足りないのだろうと、子どものころからずっと思ってきた。
 
「でも、それは自分が悪いのではなくて、障害のせいだったんだ」
 
私は37年生きてきて、初めて自分のことを許せた気がした。しかし、社会人として生きていくことは、それとはまた別の話だった。私にはもう、今の仕事を続ける自信がなかったし、上司があんな評価をしている以上、自分がこの会社にとって必要な人材であるとは、とても思えなかった。私は転職を決意したが、その先にはさらに厳しい現実が待っていた。
 
「月収14.6万円」
 
企業には障害者雇用枠というものがあるが、そこで雇用される場合の賃金の全国平均だ。配慮をもらって働く以上、一般の社員とは給与のレートは違うしキャリアパスも異なる。今のまま仕事を続けられる自信はない。でも、これまでの働きづらさの原因が障害のせいだと分かって、普通の人たちと同じように働ける自信もない。もう、選ぶ道はないように思えた。
 
だけど私は、とても運が良いのだと思う。だって、別の道を選ぶことができる時代に生きているのだから。
 
「一つの仕事で足りないのなら、複数やるしかない」それが、私が出した答えだった。昼間は、配慮を受けられる仕事をする。給料が足りない分は、夜や休日に、空いた時間で副業をする。今の時代、パソコン1台あればできる仕事がたくさんある。スマホを使えば、移動中だって作業できる。副業やフリーランスという言葉も、当たり前になってきている。
 
10年以上、どうにか頑張って働いてきたのだ。その知識と経験をすべて使って、できるだけのことをしよう。そして私は、障害者だけれど、個人事業主として登録した。
 
いま、私は3つの仕事をかけもちしている。ひとつは、私と同じ大人の発達障害の人を支援する会社で、事務のパート。もうひとつは、以前の仕事のツテでもらってきたWebディレクターの仕事。そして最後は、ライターの仕事だ。
 
いま、収入のほとんどは昼間のパートの仕事に頼っている。Webディレクターの仕事は、いつまで続くのか分からない。ライターの仕事は、1文字0.3円からスタートして、半年かけてやっと2円までたどり着いたが、まだ、自分の名前が記事に載ることはない。
 
この先どうなるのか、正直いまは何も考えられない。子どもたちを養うためにガムシャラに書くしかない、という気持ちだ。スキマ時間を1分も無駄にはできない。もっと早く、もっと効率よく……そして私は、天狼院書店の「スピードライティング講座」と出会った。
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-06-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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