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メディアグランプリ

僕が、本を出版する日。雲の上へ行っちゃう日。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:加須谷英男(ライディング・ゼミ平日コース)

 
 
「うわっ、やられた……」
目の前に表れたFacebookの投稿を見て、僕は動揺した。
それは、友達が本を出版したという投稿だった。
 
「本を出したんだぁ」
少し落ち着いてから、投稿を読み直してみた。
すごい〜、おめでとう! という気持ちといっしょに
羨ましい、悔しいという嫉妬の気持ちが複雑に入り交じった。
 
本を出版できる人はすごい人。
ずっとそう思っていた。
 
遠い知り合いや、友達の友達が本を出版することは
今までもあったが、それとは違い彼女は近しい人だった。
そんな彼女がいきなり本を出版した。
彼女は一瞬で雲の上の存在になった。
 
人は、同じ地面を歩いているようで、
ひとりひとり違う高さの階層を歩いているのだと
僕は思っている。
その階層というやつは見えないのだけど、
上の階層には、手を伸ばしても届かないし、
大きな声を出しても聞こえない。
そんな遠いところへ彼女は、行ってしまったように感じた。
 
ぼくは、本を出版することに憧れていた。
ということを彼女の投稿を見て思い出した。
それは、思い出さないように奥の方にしまいこんでいた。
いや、本を出すことなんて僕には無理だと諦めていた。
 
なぜ、僕は本を出したかったのか。
それは単純で、有名になりたかったからだ。
 
なぜ、有名になりたいのかというと、
人からすごい! と思われたい、尊敬されたい、カッコいいと思われたい
など、地味な人間にありがちな承認欲求と、
これからデザイナーとして生き残るための戦略もあった。
 
これから十年後、
現在の職業の半分はなくなると言われている時代に
現在、掃いて捨てるほどいるデザイナー。
他のデザイナーとの差別化の手段として、
本の出版は知名度アップになるだろうと考えていた。
 
しかし、
自分には、本を書くほどの経験値や知識、
そして人に伝えたいという強い思いもなかった。
だから、諦めていた。
 
だけど、彼女の出版の投稿を見てから数日後、
やっぱり、本を出版したい! 諦めていたはずの気持ちが
フツフツと込み上げてきた。
 
きっかけは、仕事仲間と勉強会をしていた時だった。
その日、僕は友達とセミナーの練習をしていた。
 
友達というのは、女性のライターさん。
今度、知り合いの会社から頼まれて
「文章を書くためのセミナー」を開催するらしい。
その予習をしたいというので、僕は練習相手をやっていた。
 
友達のライターさんは、セミナーをするために
今まで自分の培ってきたノウハウを丁寧にスライド化していた。
素人さんが、普段の生活で使えそうなポイントや
プロならではの視点からみたアドバイスを上手くまとめている。
練習だからと、最初は聞き流す程度だったが、本当に良く考えられていた。
それは、彼女の仕事の集大成と言えるものだった。
 
それを聞いていて、ふと思った。
「自分の仕事について、まとめたことってなかったなぁ……」
過去やってきたことを事細かく、人に説明する場面は今までなかった。
 
「自分の過去を整理してみたい!」そう考えると
なぜかワクワクしてきた。
 
家に帰り早速やってみた。
どうせまとめるなら、先日ライティングゼミで習った
本を1冊書く方法でやってみようと思った。
過去の実績やスキル、人に教えられそうなことを
紙にたくさん書き出してみた。
 
細かいところまで書き出すと、結構な量になったので、自分でも少し驚いた。
書くことなんてあまりないと思っていたのに結構あったのだ。
この4ヵ月、ラィティングゼミの練習でやってきた
「ない」ところからでも絞り出すこと。
それを体得できているのを実感できた。
 
僕にも「人に伝えたいことがあるかもしれない!」
そう思うとまた、ワクワクしてきた。
 
ホームページの制作を中心に20年以上デザインをやってきた僕だが、
他のデザイナーがやっていないこと。
もしかすると、あるかもしれない。そう思えてきた。
 
書き出した紙を何度も眺めていると、
以前、ホームページのある記事を見て驚いたことを思い出した。
 
それは、小規模事業者のホームページの活用についてのアンケートだった。
2014年発表のものでデータとしてはそれほど古くない。中小企業庁の発信ということで信頼性も高そうだった。
 
驚いた記事の内容というのは、
「小規模事業者がホームページを活用し、販売先数が大幅に増加した」
という回答結果だ。
大幅に増加したという数字は、わずか「3.7%」。
ホームページを作って成功したと喜んでいる会社は、「3.7%」しかないという。
 
逆の見方をすれば、残り約96%の会社は、ホームページを作ったが、大きな成果が得られなかったということになる。この数字を見て僕は驚いたのだ。
残念すぎるというより、ホームページを制作するひとりとして申し訳ない気持ちになった。
 
この低い数字の原因は、ホームページ制作会社の大多数が、
ホームページを作ることを目的にしているからだとひそかに思っている。
 
お客さまが、ホームページを作りたいと依頼されるには、理由がある。
たとえば、集客がしたいとか、売上を上げたいとか、いい人材を集めたいとか、それがお客さまの本音だ。
それを理解しないまま、ただホームページを作ることを
目的にしてしまっているのだろう。
 
お客さまの本音の部分をどれだけ深く理解し、
問題として認識するのが大切だと思う。その問題を解決する。
それがホームページを制作する目的だと僕は思っている。
手前味噌だが、今のお客さまのホームページは、
集客や売上にも貢献していて、大変感謝していただいている。
 
そう、考えると僕がやっているホームページの作り方は、
他のデザイナーたちと違うらしい。それなら価値があるのではないか。
もし本を出版して、多くの人にノウハウを伝えることができれば、
ホームページで困っている人の助けになれるかもしれない。
そう思えてきた。
 
そんなふうに思うとスーパーワクワクしてきた(笑
 
今まで、
本を書いても、人に伝えることなど何もないと思っていたが、
自分にしかできない「書くことは、サービス」がありそうだ。
だから、本を出版したい。そう強く思うようになった。
 
本を出版して、雲の上の存在となった友達のところへは、
自分自身で上っていこう。
以前の僕は、はじめから無理だと諦めていたけど、
願えば叶うのではないだろうか。今は、そんなふうに思える。
 
きっと本は、出版される。
僕は、自分を信じようと思うんだ。

 
 
***

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2018-06-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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