メディアグランプリ

迷い狂うわたしは、ライティングゼミで何を得るか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:芦野 すみれ(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
「ごめん。別れてほしい」
大学に入って人生で初めてできた彼氏と別れてすぐ、わたしは失恋後の過ごし方という難しい問題にぶちあたった。
そもそもわたしが欲しかったのは彼氏ではなく、彼氏がいる自分だった。
当時のわたしは、「大学の夏休みになっても彼氏ができない子は、 一生できない」と入学前に姉から言われて焦っていたのかもしれない。
 
わたしがはじめて付き合った彼氏は、夜になると寝るのがこわいと毎晩泣く男だった。
そもそも、付き合うことになったのも夜の長電話だった。
はじめて徹夜したのも、彼との長電話だった。いまになってなぜその男と付き合ったのかと降り返ると、顔が好みの彼と付き合えたら人生バラ色だと信じていたからだとおもう。
大学の講義中も彼のことばかり考え、わたしの頭の中のおしゃべりはとまらなかった。
 
「彼に明日会うときは、どの服着ようかな?」
実際に考えているのは彼のことでなく、彼の目にうつる理想の自分のことだった。
半年足らずの付き合いで彼に振られてしまったわたしは、すっかり自分を見失ってしまった。
失恋後、どう過ごすのか。
自分はどうなりたいのか。
 
この難しい問題について手っ取り早く答えを出したいとおもい、わたしは料理で男を手玉にとる作戦で次なる彼氏をゲットした。
当時は男女共同のシェアハウスに住んでおり、新入生に積極的に料理をふるまい、仲良くなったのである。
その当時のなりたい私は、料理ができていつも笑っている癒し系女子。
本当は、料理は得意ではなく、不満や文句が多い面倒な女なのに偽っていたのだ。
結局、わたしのほうが辛くなって半年足らずで振った。
 
それからは八方塞がりである。
これでよかったのか、私の10代はこんな終わり方ではなかったのではないか。
なんでわたしは付き合ってもすぐに別れるのだろう、と思った。
 
相変わらず失恋後の過ごし方は苦手だった。
男の人にちやほやされたいとあからさまに媚を売り、面と向かって「安い女だな」とも言われた。
そういわれて傷つくどころか、どことなく安心している自分がいた。
その言葉で目が覚めたのか、それからしばらくは媚を売る癖はぬけなかったが、あれから4年がたちわたしは冷静に周りも自分もみられるようになった。
 
10代というのは情熱や勢いがすごい。
自分の力量や限界わからないまま、1つのやり方がだめでも違うやり方を試してみる。
そのやり方がたとえ間違っていても自分では気づきにくい。
だからこそ、わたしに「安い女だな」といった人のように、厳しくも本当のことを伝えてくれる人の存在は貴重だ。
 
天狼院書店のライティングゼミもフィードバックが厳しい。
はじめて出した課題は、着地が弱いと指摘された。
自分の青春時代について書いた記事である。
大学を卒業し、学生ではなくなったわたしだが、仕事に全力を注ぐことができておらず時間が有り余っている。
 
青春時代のように、情熱をもって取り組むこともなければ、勢いもなく風のようにふらふら流されているいまのわたし。
 
「あんた今東京で何してる? キラキラしていた高校生のあんたはどこいった」
家族のグループラインで姉からメッセージか届いた。
姉がひとりひとり家族の不満をぶつけはじめて、わたしはそういわれた。
わたしは、ほっといてほしいとまともに向き合わなかった。
 
でもよくよく考えてみると、東京でいま、わたしは何をしているのだろう。
東京は夢をかなえる場所で、夢をかなえた人に住む権利が与えられる。
高校生のわたしはそう信じていた。
 
高校生のころの勉強に熱中していたわたし、
10代終わりの恋愛のことばかり考えていたわたし、
そしていまのわたし。
 
自分のことでまだまだ頭がいっぱいで、過去の失敗をおもいだし、これからどうなるか不安になる。
ただ、いまのわたしは風のように流されながらも、周りの人からたくさんのメッセージをもらっている。
 
 
天狼院書店のライティングゼミの講義やワークショップ、フィードバック、
それからほかの人の投稿など、いろいろな角度から受け取るものが大きい。
決してこの場では、ちやほやされないけれど、厳しいからこそ本気度が試されるとおもっている。
  
わたしだけでなく、周りの人も様々な出来事を経験し、変わっていく。
失恋してもその後の過ごし方は人それぞれだし、ライティングゼミに入ったきっかけも人それぞれだとおもう。
たった23年しか生きていないわたしは、ほかの人から学ぶべきことがまだまだたくさんあるのだ。
 
一方で、受験勉強を一生懸命頑張ったことも、上京して故郷を離れ暮らしていることも、
浮気されて失恋したことも、手術と入院がとても大変だったことも、
就職した会社を10カ月でやめ転職したことも、
わたしは自分の生きてきた過程や出来事から学ぶべきことがたくさんあるはずだ。
だからこそ、書いて、書いて、その意味を考えるのだ。
私は風のようにふわふわ流れて、そう簡単に着地できない。
4カ月だ。
 
この4カ月で、しっかり着地できるようこれからも書き続けよう。

 
 
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2018-07-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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