京都の夏はやっぱり長袖が一番
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:木戸 古音(ライティング・ゼミ平日コース)
「半袖は気持ち悪いでしょう」
と私はきっぱりと即答する。
「なんでこの、くそ暑いのに長袖着てるのや、見るからに暑そうやで」
私のいでたちを見た周囲の人のあっけにとられた、こんな問いに対する私の答えが冒頭の言葉。
私は声を大にしても京都の夏は長袖をと主張したい。
考えると年がら年中長袖を着ていることになる。
もっとも夏用冬用の季節ものの生地の薄い厚いは分けてはいるが。
みなさん、特に京都の皆さんはやはり夏は半袖?
私が半袖を外出着として嫌う理由をもっと詳しくあげてみる。
電車、バス車内でたまたま出くわしたお隣と腕があたったり、
摺れたりしたときを想像してください。
どちらか一方か、またはお互いがべっとり汗をかいた腕だとしよう。
「もし相手がノースリーブの美人だったらどうすんねん」
と鋭い質問がくるかもしれない。
私は一瞬それだったら構わないのか、
「いやいや」
わたしは頑として戸惑うことは無い。神に誓っていやなのだ。
「ノン」
「あのおぞましいべたつき感、気持ち悪さ、ほんま、ぞっとするよ」
マッサージ、美容院、その他、スキンシップが大好きな私でも耐えられない。
これが私の答えのすべて。
あの気持ち悪さは堪えられない。
西欧では日本のように「じねー、じねー」とはしていない。
からっとして快適だ。
ここは悪名高き京都の夏である。
それに屋外で仕事をしているひとの上腕半袖からの日焼けした
白と茶色の境目があんまりカッコいいとは思わない。
たぶん私が絵描きだからなのか、決して美しくない。
まあ、健康的ではあるかもしれないが。
焼くならいっそう上半身すっぱり焼くかのほうがよほど美しいと思わないだろうか。
女性ならノースリーブスなら半そでよりも美的に違和感が少ないかも知れない。
特に女性は日焼け止めをうまく使っているから
「ぜーンゼン、大丈夫」というのかもしれないが。
あとは冷房が苦手なこと。長袖の袖を適当に伸縮して「くそ冷え」から
身を守ろうとしている。
映画館、お店なんでこんなにも冷やすのだろうかとは寒がりの言い分である。
職場の先輩のはなし。先輩は京都大阪間の移動の阪急の特急列車内でちょっと
「うとうと」していたという。
先輩曰く、
「大阪に着いたらノドがおかしかったな。風邪ひかされた」
と言っていた。
まだ弱冷房車のなかった時代の話である。
パチンコ屋さんの店先を素通りするだけで「ひーんや、ひーんや」
するのはいまも昔も変わらないが。
先輩がさらに言う、
「そのころは、声のでかいやつの苦情が優先された」
らしいのだ。
ほんまかいな。
真偽のほどはともかく、世の中よくある話ではある。
困るのはTシャツ、ポロシャツ、アロハシャツの類だ。
ロゴで何かを主張ないし表現しているTシャツを買うことがある。
だけど考えてみれば、Tシャツのままで外出することはほとんど無い。
長袖の上にTシャツを重ね着をすることも考えられる。
しかし、それも本来の着方ではないだろう。
何かの会で会場でパーフォーマンスなんかをやるときに主張のある、あるいは
場にふさわしい、アピール度のあるロゴかデサインのを着るぐらいかな。
いわば意図的な着用。
同様にバミューダ、半パンツもわたしは外出には、にがてだ。
概して暑がりの人は大げさに抗議する。声もでかい、と思う。
だから暑がりの人に世の中の基準が定まる傾向にあるのだろう。
そうではなくて人間は概して暑さには我慢でき無い人が多いのだろうか。
暖房が効いてなくて
「おい、この車内寒いな。何とかせえや」
とは、あまり聞かない。
それが証拠に
「弱暖房車」とか
「強暖房車」なんていうのは
聞いたことがない。東北、北海道など寒冷地域のことは
知らないが。
この場合も強いて言うなら
「なんや、この電車暑いな」
と上着を脱げば済むことだろうから。
「ああ、やっぱり暑がりが多いんや」
と私はあらためて思うのである。
長袖半袖、これは一つの例に過ぎない。
「冷コー、おねがい」
暑がりの人は3月にもなれば冷たいコーヒーの方を要求する。
夏が近づくと喫茶店で冷たいコーヒーを頼む人が多いんでしょうかね。
いや、血の気の多い人なら年中つめたいコーヒーを飲んでる人も見かける。
真夏のコーヒーみなさんはどうですか。
私は冷房が苦手なせいか、どうせ氷の入った水が必ず付いてくるのだから
せめてコーヒーは温かいのを飲みたい。
バリ島にスケッチ旅行したときのこと。
10年余前のことだ。
毎日、描き疲れてコッテージに帰ってくるとメイドの子が
「おかえーり」
と言って程なく「熱い」ジュースを運んでくる。
この習慣は毎日だった。
最初こそ意外で、驚きもした。
暑いバリ島の気候から言って不思議に思うかもしれないが
これがかえって疲れを「ドーッ」
と癒してくれる気がしたものだ。
当時はまだ公衆電話も少なかった島の小さな町のこと。
冷蔵庫もまま成らなかったかもしれない。
食中毒を一番恐れていたのかもしれない。
私は変わっているのだろうか。
でも夏の京都はやっぱり長袖で過ごしたい。
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