生まれの不幸は変えられる
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:レント(ライティング・ゼミ平日コース)
「自分は世界で最も幸運だ!」
これを自分から言えたなら、その人は間違いなく世界一幸運だ。
そして私は、自分は世界で最も幸運だと自分から言うことができる。
私は産まれつきのアスペルガーだ。
死にはしないだけで、社会に適応できるはずのない虚弱体質でもある。
親はそんな私に対して、見ず言わず聞かずの、メッキのような表面だけの教育を続けた。
みてほしいも、いってほしいも、きいてほしいも、全て押さえつけられたままの生活が続いた。
何事も1から始まるのが基本。
どんな人間でも1から順番に、速さ以外は変わりなく間違いを直しながら数えていく。
だが、数え方を教えなければ1が2になることはない。
私は親から、見様見真似の衣食住以外を教わることがなかった。
自分に何ができるのか、何をすればいいのか。
周りの同級生たちに、数え方を知らない人はいなかった。
傍から見れば、普通の一般家庭だったのかもしれない。
メッキが剥がれることもなく、助けを呼べばいいのかどうかも分からない。
そうして自信も才能もその概要すらも知らないまま、20年を生きていた。
劇薬でしか軽減できないアレルギー体質。
あたたかい飲み物が入った容器すら持てない過敏な神経。
写真を見返すように幼少からのトラウマが見える記憶力。
幻視幻覚幻聴が普通で、宇宙が見えて発狂する思考と感覚。
見えたものの情報を片っ端から受け取り、考えが止まず発熱し続ける脳と体。
自殺を何度も未遂にする生命力。
そして何よりも、私の異常は他人には伝わらない現実。
「見守ることにした」
「まだ若いから知らない」
「まずは自分のことを考えろ」
私の相談に対して、親はこれしか言わなかった。
決して見た目からは分からない張りぼての愛情に、私は騙され続けていたのだ
私は自分のあたりまえを、誰にも理解されないまま独りで生きていた。
そんな才能とも自信とも無縁だった私の人生はある日、オセロのようにひっくり返った。
それは、私が友達と遊んでいる時だった。
ふと、妙に運が良い事に気付いたのだ。
その時私達はトレーディングカードゲームをしていたのだが、まるでイカサマのような偶然ばかりが起こり続けていた
ためしに今までの記憶を引っ張り出し、並べて確認しても、友人の中で私は運の良さが際立っていた。
二十年以上の記憶を見返しながら、私は自分の運を疑い確認し続けた。
どうやら、好きなことになると運が非常に良くなるらしい。
マンガやアニメのようなことを引き起こしていくうちに、私はこれを才能と認め自信にすることができるようになった。
そしてその過程で、記憶は引っ張り出して並べられるものではないと知り、もしやと自分自身を見返した。
そして私は自分を見返すと同時に、見方を変えることにした。
そして私は誰からも教えられず、自分から行動することで数え方を知った。
自分に何ができるのか、何をすればいいのか。
自分の親は、ここまでの行動力を持っていなかった。
一般家庭というメッキを剥がした自分には、もう助けを呼ぶ必要がなくなっていた。
強すぎる症状に対応し続けた結果、対抗策を生み出せたアレルギー体質。
気温や湿度から天気を読み取り、料理の隠し味を言い当てるほどの鋭敏な神経。
写真を見返すように過去からも学べる記憶力。
幻視幻覚幻聴に耐え、宇宙に比べればと寛容になった思考と感覚。
鉛筆一本からの情報で創作活動ができ、発熱の影響で風邪にならない脳と体。
どんなことになろうとも、必ず全快する生命力。
そして何よりも、私の努力だけでこれまで活かしていた事実。
「今まで見てもいないし守れてもいない」
「経験して知ったものが根本的に違う、あなた達は私を知らない」
「親自身が自分のことをできていない、参考にすらならない」
私の言葉に対して、親は何も言えなくなった。
決して見ず言わず聞かず、私を分かろうとしなかった張りぼての愛情を、私は破って捨てることができたのだ。
私は他人のありえないを、誰にも頼らないまま一人で当たり前に変えた。
これは才能だと、自信になると、私の人生は黒から白へと変わっていた。
こうして私は、人生観を変える幸運を手にしていた。
幸運といえる理由は、自分から気付いて行動する自我があったことだ。
自分の長所に気付き、どういった時に発揮されるのかを確認して、そしてそれを認めて自信にすることができた。
短所があったとしても、見方を変えれば長所にもなると気付くことができた。
行動力を持ち、見方を変え、長所を認める。
長所は自信になり、自信は行動力になる。
このサイクルを続けている限り、私はこの言葉を言い続けるだろう。
「自分は世界で最も幸運だ!」
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