メディアグランプリ

本屋で糸が光っていたら迷わずつかめ!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山田 真知子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
初回の講義の翌日、務めていた会社を退職することが決まった。
書店でキラリと光るライティングゼミというものを見つけ、受講申し込みをした時には会社を辞めるなんてちっとも考えてもいなかったが、自身のステップアップのため会社を辞めることにした。
 
仕事を辞めると決まると、周りの空気は一変し、私は社内ニートと化した。
仕方のないことだとはわかっているが、引き継ぎ後から仕事はなくなり、席もなくなり、メールアドレスもなくなった。
自分で決めた道なのに、退職前の干された空気に耐えられず、倉庫やトイレでこっそり涙をこぼして数日、ふと気づいた。
 
「この泣いてる時間もったいなくない? この泣いている無駄な時間に次に書く文章のことを考えよう」
 
退職前の干され地獄の中で見つけたクモの糸、つまりライティングゼミに私はしがみついたのだ。
自分がいままで体験してきたことで、いろんなABCユニットを作り、お昼休憩の時間にそれを文章にした。めちゃくちゃ一生懸命文章を書いたのは、保育園実習の実習日誌以来なので実に17年ぶりだろうか。受けた講義を頭の中でぐるぐる回らせながら、文章を書いていくこの作業は本当に楽しくて仕方なかった。
この毎週提出の課題がなければ、会社のことでナーバスになり“うつ病”になってたに違いない。
ライティングゼミというクモの糸にしがみついた私は、順調に課題提出をするとともに、無事に退社することができたのである。
 
ニートとなった私に“転職活動”というの新たな地獄がのしかかってきたのはすぐのことだ。20代の転職活動とは違い「35歳」「女性」「独身」という条件が私の足を引っ張る。エージェントに登録して、毎日求人の申し込みボタンを押してもすぐに不採用メールがきて、面接はおろか、履歴書/職務経歴書の書類送付すら認めてもらえないのだ。50社くらい落ちただろう。
そんな中、一社だけ「書類を持参して面接に来てほしい」と連絡をくださった会社があった。
私は大喜びで提出用の書類作成に取り掛かる。
 
「ん……まてよ……こないだ山本さんのエントリーシートの講義があったような……」
 
履歴書/職務経歴書をほっぽりだし、ライティングゼミの講義ノートを読み返す。
 
「そうだ! これだ!」
 
求人の募集要項を熟読し、相手が欲しくなるような人材だと伝えられるよう自己PRの欄を作成した。書類作成地獄において、ライティングゼミというクモの糸を自ら引きずりだし、再びしがみついたのだ。かつて転職時に作成した自己PRは500字程度のマニュアルに沿った書き方だったが、今回は違う。
自分を存分にアピールし、1000文字ちょっとの武器となったのだ。
 
武器を手に挑む面接はとても心強かった。
面接官を前に私は自己紹介を済ませ、自分の職務経歴を簡単に説明すると、絶好のチャンスが舞い込んだ。
 
「山田さんのアピールポイントはありますか?」
 
心の中で「待ってましたぁーー!!!」とガッツポーズする私。(さすがに実際はしてません)
ここでまたもや、クモの糸を引きずりだした。
 
「私は学もないですし、ずば抜けて何かができるわけではありません。このあとに一般常識やPCのテストがあると思いますが、おそらく平均値以下の点数になると思います。ですが……」
 
ヒーローズジャーニーではないが、主人公(ここでは私)を低く見せてから、存分に自己PRの内容を説明してみた。ほぼ賭けのような面接スタイルだが、どうせ落ちるなら自分が思うままにアピールしてみようと思ったのだ。
面接官も興味をもってくださり、とても有意義な面接となった。
 
面接も終盤に差し掛かかると、面接官が耳を疑うことを言い始めた。
「本来なら面接の場で言うべきことではないのですが、〇月〇日に二次面接にきていただけますか?」
「?! あの、私まだ一般常識テストもPCテストも受けていないのですが……」
「はい、大丈夫です。〇月〇日に二次面接来ていただけますか?」
「はい、もちろんです」
面接と履歴書/職務経歴書だけで一次面接に合格したのだ。
二次面接も同様のスタイルで進みなんとか無事に転職活動に成功したのである。
 
 
あの日ふらりと立ち寄った本屋で、キラリと輝いていたライティングゼミだが、正直“人生を変える”ということを全く考えていなかったが、最終講をうけて「これは私のことだ!」と、思うくらい私の人生の方向転換を支えるだけでなく、何度も地獄から救ってくれた最強のクモの糸だ。
人生のピンチは、天からクモの糸が垂れてくるのを待ってはいられないだろう。
だから私はピンチが訪れるたびに、図々しくも最強のクモの糸を引きずり出して乗り越えていくに違いない。

 
 
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2018-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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