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メディアグランプリ

「書くこと」は花を咲かせることだった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:りりこ(ライティング・ゼミ 日曜コース)

 
 
「あと4時間しかない……。もう時間が無い……。書けない。何にも書けない」
これが、今年の4月からの毎週月曜日の20時の私だった。
「うわ、みなさん、早いなあ……」
月曜日を前に、金曜日くらいからフェイスブックの通知がにぎやかになる。
通知を受けるたびに、心臓がどきどきする。焦る。
毎週月曜の24時は、天狼院書店「ライティング・ゼミ」の、フェイスブックのグループページへの課題の投稿の締め切り時間なのだ。
 
私は、小さなころから文章が好きだった。読むのも、書くのもである。
本だけが親友だった幼少時代を過ごした私の得意科目はもちろん国語だった。
国語の時間は至福の時間だった。
 
 特に作文は好きだった。書けば、書いただけ褒められる。夏休みの宿題で悩みがちな読書感想文などは、どのように書けば先生や大人から評価されるのか、ということだけを意識して書き上げていた。その結果、狙ったように評価を得ることができる。もはや、作文の時間は快感だった。
 
そんな私は、文章に人生を助けてももらっている。
本の虫ではあったが、勉強は大嫌い。高校時代は特に、国語(現代文・古文)以外の科目の成績は壊滅的だった。
受験を控えた時期の担任との面談では「りりこさん、このままではどこの大学にも入れません」などと言われる始末。親も交えた三者面談でも、受験する前から「来年、浪人しますか?」と言われてしまう。
試験勉強ができない自分をめちゃくちゃに責め、面談では泣き崩れた。模試の成績がどうやっても伸びない。しかし、幸いにも範囲が短い定期テストの成績は良かった。
どうにかして大学に入りたいと願う私に、救いの手が伸びた。
「りりこ、小論文と面接、内申点で入れる大学があるぞ。受けてみるか?」
現代社会を受け持って頂いていたA先生からの一言だった。
「え? 小論文って作文だよね? 学科試験無いんだ……。これならイケるかも!」
私は、わらにもすがるような気持ちで、A先生からの提案に飛びついた。その日から、A先生との小論文の特訓が始まった。私にとっては、特訓でもなんでもない。先生からその日の新聞の中からテーマが与えられ、論文を書く。どんなにやっても伸びない試験勉強に比べたら、私にとっては天国のような時間だった。試験勉強のストレスを晴らすかのように、夢中になって論文を書いた。私は文章に助けられ、普通に受験したのでは絶対に受からないであろう大学に合格することができた。家族からは、「りりこは、大学受験で一生分の運を使い果した」とまで言われているほどだ。
 
奇跡の大学入学から20年余りを経た私は、冴えない毎日を送っていた。
全く気が進まないお見合いに向かう電車の中で、気晴らしにフェイスブックを開いた。
スマホの中は、
「○○ちゃんも、何歳になりました!」
「優しい旦那様に感謝」
「仕事は大変だけど、本当に楽しい! 天職に就けて感謝! 出会いにも感謝!」
「『ご報告』このたび、お付き合いしていた○○さんと結婚させて頂くことになりました!」「彼とハワイ!最高!!」
友人・知人たちのキラキラした投稿の嵐だった。
「まったく……、どこの芸能人だよ」「みんな、いいなあ」と心の中で毒づいた。
「私、何やってるんだろ……」
結婚を考えていた彼には振られ、ストレスをうまく飼い慣らせずに大病をし、仕事はうまくいかず、悶々としている今の自分とのあまりの差に愕然とした。
何なら、電車の中で少し泣いた。
 
そんな涙目の私の目に飛び込んできたのが「天狼院書店 ライティング・ゼミ」の投稿だった。
「え? 人生を変える? 文章を書く学校なんてあったんだ?!」
「こんなにも人生が冴えなくて、自信を失っているんだから、好きな事をやってみたい!」
「好きなことをすれば、何か変わるかもしれない! これは良い転機だ!」
何かに突き動かされるかのように、お見合いの30分前、ライティング・ゼミに申し込んだ。
 
講義は刺激的で、店主の三浦さんの人柄や熱量、可愛らしいスタッフのみなさんに惹きつけられた。
講義が始まって1か月くらいのうちは良かった。毎週1回の課題も難なく書けた。
「やっぱり、好きなことをしているって、いいな。文章を書くのは、私にとっては天職なのかもしれない!」などと思っていた。
 
そのうち、全く書けなくなったのだ。筆が進まない。文章に気持ちが乗らない。
フェイスブックに上がる、みなさんの投稿、川代さんや木村さんのフィードバックを拝読するにつれ、焦りが湧く。みなさん、上手い。
投稿を拝読し、感動して涙し、涙目になるほど笑ったことは数知れない。
 
人生や経験を語るには、まだまだ未熟な若輩者ではあるが、書くネタには困らないはずの経験をしてきているはずだった。
辛いことがあるたびに「これは、ネタになる!」と思っていた。そうやって、自分を励まし続けていたのだ。
なのに、こんなにもたくさんのネタを持っているはずなのに、書けないのだ。
 
書けない時は、その経験であるネタを、種にできていない時だった。
余りにも辛くて書き進められないのだ。書きながら涙が止まらない時もあった。
最後まで書けたネタは、自分の中で種にして花を咲かせることができたものだ。
辛く心が揺れるネタをきれいな花の咲く種にするには、そのネタを受け止める視点を変えて、自分の気持ちを養分にしてその種を育てていくことが大切だ。私にとってはその作業が、書くことなのかもしれない。
 
私の中には今も、たくさんのネタがある。私は、そのネタを種にしてひとつ残らず花にして咲かせるために、書き続けたいと思っている。そしていつか、たくさんのきれいな花を咲かせたい。

 
 
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2018-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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