ライティングゼミを受講するのに必要なもの
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:原雄貴(ライティング・ゼミ平日コース)
「あれ、何を得たのだろうか」
こんなことをふと思った。
天狼院ライティングゼミを受講し終えてから。
僕は天狼院書店という書店で行われているライティングゼミに通っていた。
ライティングゼミとは、平たく言ってしまえば文章を書くコツを学ぶ講座のことだ。
文章を書くコツと聞くと、手っ取り早くうまい文章を書けるようになるのではないかと思ってしまう。実際、天狼院書店のホームページではライティングゼミの紹介文に「あるコツを教えたら、みんなバズを起こすような文章を次々に書けるようになった」と書いてあり、ますます手っ取り早くコツが掴めそうに思えてくる。
「文章を書くコツか。なんか面白そうだな」
僕もライティングゼミを受講しようと決めたときはそんなことを思った。
しかも、「ライティングで人生が変わる」というとんでもなくスケールの大きいことまでホームページに書いてあったものだから、何か新しいことを始めようとしていた当時の僕はこのゼミの虜になってしまった。
実際にライティングゼミが始まると、その内容は目から鱗だった。
「ABCユニット」「マーケティングライティング」「感動曲線」
聞くもののほとんどが新鮮で、時間も忘れるくらい集中して講義を聴いた。
さらに、このゼミでは習ったことを実践するというシステムがあった。それは、自分の書いた文章をFacebookにアップすればコメントがもらえて、好評価の場合は書店のホームページに掲載されるというものだ。
書店のホームページに掲載されるということはかなりのモチベーションになるけど、それ以上に僕は文章を書くことが楽しかった。
楽しいといっても、ただ何の苦もないという意味の「楽(らく)」ではない。
書くからには人に読んでもらえる文章を書かなければならず、ネタ探しをして内容構成を考え、書き終えてから見直しをするのは大変なことも多かった。だけど、見直しも含めてアップし終わったときの達成感は格別だった。慣れてくるとネタ探しや内容構成など苦に思えそうなことすらも楽しみになっていた。
そんなことを繰り返すうちに、あっという間に時間は経ち、遂にライティングゼミの最終講義も終わった。
「これでゼミでの最後の文章をFacebookにアップし終えたら、これまでにない達成感が得られるんだろうな」
最終講義を終えた直後はそんなことを思っていた。
いよいよ最後の文章をアップする日が近くなってきた頃、僕は文章を書けずにいた。
書き始めて間もなく、ふとしたことからライティングゼミでの学びを振り返りはじめて、何かがおかしいのに気がついたから。
僕は講義にほぼ毎回出席し、熱心にノートも取ってきた。
苦しみながらも文章を書いてFacebookにアップし、何回かホームページに掲載された。
コメントでは書店の人から「基本が身についてきましたね」とも言ってもらえた。
ノートを見ても、書店のホームページを見ても、全く実績がないわけではない。
しかし、何度振り返ってもこう思ってしまう。
「あれ、何を得たのだろうか」
たった12文字のこの疑問文がいつまでも頭にまとわりつく。
何日考えても答えは出なかった。
「このまま答えが出ないまま人生が終わるんじゃないのか」
そんなことすら思い始めていた。
疑問の答えが出ないまま、何日か過ぎたある日のこと。
僕は休憩しながら、天狼院書店のホームページに掲載された他の人達の文章を読んでいた。
ある人の文章を見たとき、忘れられない2文字が飛び込んできた。
「覚悟」
思わずハッとした。
「もしかして、僕はライティングゼミに「覚悟」をもって臨まなかったんじゃないのか」
そう考えたとたん、思い当たる節が次々と出てきた。
ライティングでは、文章を書けるようになるには文章を書く量をこなすことも重要であると教えられてきた。でも、僕は毎日文章を書いてこなかった。当然アップする回数も少なかった。
さらによく考えると、ライティングゼミの講義の復習も足りていなかった。ライティングゼミでは最終講義でこれまでの講義の理解度を試す機会があるが、満足いく成績は出なかった。
「文章を感覚で書いていることが多かった」「そもそもこのゼミには目的もなく興味本位で入った」
人が何かを始めて、何かを得たり結果を出したりするまでにはそれ相応の努力が要る。それには目標などのモチベーションも必要になるが、それ以上に要るのが「覚悟」だと思う。
多かれ少なかれ、甘えやいい加減な気持ちがあればその分得られるものは少なくなり、目標も低くならざるを得ない。それはこのライティングゼミでも同様だ。
「覚悟がなかったんだ」
思わずため息が出た。それと同時に、急に気持ちが楽になったような気がした。
「覚悟がないと分かったのなら、覚悟をもってやり直せばいい」
過ぎたことは戻ってこない。でも、これからはいくらでも変えられる。
もう一度覚悟をもってライティングに向き合ってみよう。そうすれば、今回のゼミでやれなかったことがだんだんできてきて、見られなかったいい景色が見られるかもしれない。
「無駄にしている時間はないな」
そんなことをつぶやきながら、次のライティングゼミに備えるべく、僕はまた文章を書き始めたのだった。
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