メディアグランプリ

世間との「相違」は最高の武器となった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:坂田光太郎(ライティング・ゼミ平日コース)

「物を書くのは好きだ」と自分では思っていた。
小学校の卒業文集には「小説家になりたい」とあった。
中学生の時には数点の公募にも作品を出した。
高校の時も、小説、絵本シナリオ、SS、とジャンルを問わず書いてみた。
全ては、「物を書くのが好きだ」と思っていたから。
今回天狼院の扉を開いたのも、自分の心の底にあの思い込みがあったからだ。
「物を書くのは好きだ」
でも、なぜ物を書くのが好きだったのであろう。
小学生の時に特別本を好きだったわけでもない。むしろ嫌いな方だった。
図書室で読書をする時間は、ひたすら迷路の絵本で遊んでいた。
六年生なっても、文字の少なく絵で雰囲気が伝わりそうな本を読んでいた。
そんな私がなぜ。
「物を書くのが好きだ」
と思い込んだまま私は中学の時にブログを開設した。
日常の出来事を書き投稿していた。
普段思っている事や先生の愚痴をただただ書いていた。
14歳の感情が散乱しただけの文章。今読み返すと、恥ずかしい代物だ。
投稿に名前も知らない人からコメントを貰ったり時にはコメント返したりしていた。
そんな折、ブログにいつもコメントをくれる子から「会おう」というコメントが来た。私は断った。
その子を疑っているわけではない。怪しい子だとも思っていなかった。
私と気が合うのも分かっていた。
会って話したら、絶対友達になれるとも知っていた。
でも断った。それは私自身に問題があった。
私には世間との「相違」があった。
柔らかく言えばコンプレックス。的確に言えば病気だ。
その「相違」は実際に会ったらすぐ気づかれてしまう。
中学の頃は世間と「相違」する身なりのせいで随分バカにされものだ。
いつしか内気な学生生活となってしまった。
そんな日常の経験からブログの子とあうことにも前向きにはなれなかった。
会ってしまったら、ブログの中で普通の中学生だった私が異質な中学生になってしまう気がしたのだ。
「物を書くのが好きだ」
そう思い始めたのもその頃からだった。
自分の事と、世間の事と、その狭間に「相違」がある事について考える年頃に
小説を書いた。自分自身じゃないヒトになれる時間だ。
小説を書いてる時は「相違」を感じなくてもよかった。
ブログでも他者と違う部分を書かなかったら、普通の中学生だ。
小説を書く、ブログ書くどちらも世間との「相違」から逃げるために書いていた。
自分自身から逃げていたのだ。
やがて「物を書くのが好きだ」と聞こえがいい言葉に変換して心に染み込ませてた。
「自分じゃないヒトになれる時間が好きだ」これが物を書くようになった本当の理由だったことすらも忘れて。
天狼院の1回目の講義。「まずは自分の身近な事から書く」と言われなければ思い出さなかったかもしれない。本当に物を書き始めた理由なんて。
大変な作業だと思った。自分から離れた人間になりきるために、物を書いていた私にとって、それは真逆の作業だったのだ。
そこで受講前から拝読していたメディアグランプリを改めて見てみた。
先輩はどんなことを書いてのか。驚いた。
そこには自分のことを書き世間と自分の「違い」を題材にしているものが多く投稿されていた。ある人は自分の離婚経験談、ある人は死別した最愛の人との話など。
世間とは「違う」境遇。世間とは「違う」体験。世間とは「違う」意見。
「違い」の大きさは投稿されたものによって異なるが、皆さん自分を正直に文字にしている。
真逆の作業をしていた私にとっては衝撃であった。
自分を書くこと。その投稿がメディアグランプリに選ばれるということは
読者が求めているということ。読者は何を求めているのだろう。
多分、自分との違う考え方や違う経験だ。
私も読む記事を選ぶ際自分と違う考えを持つ人の記事に目が映る。
その記事を見ることで固執した考えら離れて物事を見ている投稿者の考えに衝撃を受けたり、共感したりする。
そこで考えてみる。もしかしたら、私が持つ世間との「違い」がだれかの共感を生むのではないだろうかと。「違い」が武器になるのではないかと。
「物を書くのが好きだ」
それは自分についていた嘘だった。
本当は「自分自身ではない者になれる時間が好きだった」だ。
今までは世間との相違する自分が嫌いで文字を書いていた。
しかし、「違い」が読者の心に響くなら自分を書いてもし評価されるなら。もしだれかが共感してくれるなら。
「違い」が武器になるなら。この4ヶ月は自分と世間の「違い」について書こうと思った。
「物を書くのが好きだ」は嘘だった。
だからライティング講座の4ヶ月で、今度はこう言えるようなりたい。
「違いを書くのが得意だ」と。

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2018-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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