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セミナー講師は名俳優にならなければならない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:月岡カツヒロ(ライティング・ゼミ平日コース 2018年10月開講)

「ご静聴ありがとうございました!」

語尾にかけてあげながら締めくくると、聴衆は拍手しやすい。
と、とあるカリスマプレゼンターがいつかのセミナーで言ってたので、それから意識している。どこで話が終わったかも分かりやすいし、拍手も多くもらえるようになった気がする。

現職で本格的にセミナー講師として登壇するようになって、3年ほど経っただろうか。それまでに勤めた会社では数回登壇したことがある程度だったが、今では規模の大小さまざまだが、登壇が年間100回を数えることもあった。3~4日1回くらい登壇してる計算になるが、10名程度のワークショップ形式、200名超の大規模会場、単独登壇もあれば、数名での対談形式のセミナーなど形式も多様だ。

小学生時代、クラスのみんなの前でしゃべるだけで緊張、冷や汗ダラダラだった幼い自分からは、全く想像もできなかった未来だ。人生初めてのセミナー登壇の聴衆は20名程度だっただろうか。ものすごく緊張した。講演が終わった後、何を話したかよく覚えてないといえば、どれほどの緊張か伝わるだろうか。結果は散々だった、と思う。

そんな私でも、今ではすっかり「セミナーの人」である。直接会ったことない人に認識されていることも増えてきた。おかげさまで「面白かった」「ためになった」などの好評をいただくことも多い。カリスマプレゼンターになったわけではないし、まだまだそんなポジションは遠い先なのだが、いまお伝えできる「セミナーで上手くしゃべるコツ」のようなものがあるとすれば、自らを「名俳優」に仕立て上げてしまうことかなと思っている。

舞台の上で、登場人物になりきって演技している、あの俳優さんになりきるのだ。

セミナー登壇の数十分間は、自分が主役の物語の舞台。監督も自分、なんなら脚本も自分だ。セミナーで使用する「スライド」は、舞台演出でもあり、小道具でもある。そ れらを駆使して、1つの物語を作っていく。

舞台から見える観客のみなさんも物語の重要な要素。笑ったり、頷いてくれたり、肯定的な反応をしてくれる人がいたらラッキーだ。その舞台は、その人だけを見つめ、その人のためにあるかのごとく演じたって構わない。誰も気づかないし、より魅力的なプレゼンにも見えるだろう。

逆に、寝ている人、途中で退席する人などが目についてしまうかもしれない。というよりも、何故だか、そういう人たちのほうが目立つようになってるのだ。もう、そういうものだと割り切ろう。とはいっても気になってしまうと思うが、万人に受け入れられるなんて無理だと、自分に言い聞かせて演技に集中すればいい。どんな名俳優にもアンチはいるものだ。

「抑揚」や「間」も意識したい。プロポーズのシーンで淡々と愛の言葉を述べたって、感動は生まれない。大事なフレーズは語気を強めて、伝えたいメッセージは1~3つに絞って、繰り返し、繰り返し伝えよう。人間は忘れやすい生き物だ。一瞬の静寂もスパイスになる。無音が怖くて言葉で時間を埋めたくなってしまうのだが、ぐっと我慢しよう。「えー」とか「あー」とか「えっと」などの意味のない言葉を多用すると、そればかりが気になって物語に集中できない。

ただ、名俳優が名俳優であるために、もっとも大事なことは「稽古」ではないかと思っている。ハリウッドスターは何ヶ月も前から肉体改造までするらしい。マッチョになったり、激ヤセしたり、相当な努力が必要だろう。それも含めての圧倒的な稽古量が、舞台での演技に自信を持たせてくれる。セミナー登壇のために、リハーサルを入念にやっている講師がどれくらいいるだろうか。登壇者としてはもちろん、観客側の視点ももって稽古をしている人は皆無だと思う。

稽古でも観客側の視点がないと、専門用語の解説がなかったり、重要な小道具であるセミナースライドの作り込みができずに営業資料の転用、なんてことになる。営業資料の転用は見たら一発で分かるのだが、とにかく1つのスライドに情報が多いし、何よりも字が小さい。大きめの会場後方から見えるかどうかの観点があれば、そんな資料にはならないはずなのだが……。

なので、講演状況になるべく近い形での稽古ができると尚良い。数名でいいので聴衆もいれよう。会社での稽古ならば、できれば全く当該業務に関係ない部門の人(経理とか人事とかがいいかもしれない)にも参加してもらって、初心者としての意見を聞けるといいだろう。

私もセミナー登壇するようになった当初は、相当な数の稽古を色々な方を巻き込んでやらせてもらった。特に厳しい意見をくれる人は貴重だ。あまりに厳しくて、セミナー本番前日に半分くらいの講演内容を入れ替えることになったとしても……。そんな経験があったからこそ、いまの自分があるとも思っている。

あらゆるケースを想定した稽古を重ねていれば、セミナー当日は堂々と役を演じきるだけだ。稽古の量が、演技の迫力に比例する。堂々としていれば、自然と話の説得力も増すだろう。悦に浸って喋りすぎないよう、タイムマネジメントは忘れずに。

セミナー冒頭は「アイスブレイク」と呼ばれる、ちょっとした笑いを入れることで会場の雰囲気を柔らかくするためのネタを仕込むことが多い。こればっかりは稽古すればするほど上手くいかないようで、全力でウケを狙うとかなりの確率でスベる。

最近の私のアイスブレイクは、生まれたばかりのかわいい息子の写真をスライドに映し出すことにしている。

「かわいいでしょ?まだスポンサーはついてないので、御社の広告モデルにどうでしょう」

ちょっとした笑顔が生まれるだけだが、しばらくはこれで押し通したい。

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2018-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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