メディアグランプリ

掃除でアンチエイジング


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:よくばりママ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
最近、私は新しいアンチエイジンググッズを手に入れた。
掃除用品という名のアンチエイジンググッズをだ。
 
昔から、私は家事をこよなく愛している。そして、その中でも最も好きなのが掃除だ。
整理整頓、拭き掃除、掃き掃除、磨き方、掃除をしていると若返るような錯覚を覚えるくらいに楽しく、思わず時間を忘れるくらい熱中してしまう。
身体が丈夫でないため叶わないが、もし私が身体に何の心配もない状態だったならば、おそらく家政婦や掃除、整理収納関係の仕事を選んでいたかもしれない。そう思うくらいに、掃除は私の人生において大きな存在になっている。
 
そんな私が、最近手に入れた掃除用品が二つある。
一つは、ダチョウの羽でつくられた「はたき」。そして、もう一つはトイレの便器の縁裏を掃除する掃除棒だ。
 
まずは、「はたき」について。
『掃除の基本は上から』という言葉があるように、家や部屋の掃除をするときには上の方(天井やらんま、上の棚など)から始めるのがセオリーだ。幼い頃実家には当たり前のようにはたきがあり、障子や飾り棚などのホコリを取るのに家族全員が使用していた。
そうした習慣があったにもかかわらず、なぜか私は結婚して10年、はたきを持っておらず、ほうきや乾いた布で「取りにくいなあ」と思いながらホコリを取っていた。
 
そんな私だったが、先日何気なく眺めていた雑誌の中で、かつての盟友・はたきを見つけた。
なぜ私はあなたのことを忘れてしまっていたのか!
激しい後悔とともに、私はすぐさまネットで購入を決めた。
そして2日後、ふわふわでモフモフとした黒いダチョウの羽で作られた長さ50㎝ほどのはたきが手元に届いた。
早速私は、おそるおそる部屋のインターホンの操作盤の上部を撫でてみる。
ぱたぱた、ぱたぱた。
軽いはたきの動きともに、操作盤の上にうっすらあったホコリがなくなる。
「!!!!」
どうしてもっと早くに気づかなかったのだろう? 古来から使われているはたきの実力は誰もが認めるものなのに、なぜ私は、私は……。
けれど、そんな後悔以上に、もうほうきや雑巾で取らなくていいんだ! 障子も破れないようにと力加減に気を遣わなくてもいいんだ! テレビの裏の届きにくいところにも目くじらをたてなくてもいいんだ! 想像以上の喜びと感動が押し寄せてきた。
 
なんということだ。
はたき一つで、私とホコリの関係性が一変してしまったではないか!
溜まったら嫌だな、と思っていたホコリも怖くない。むしろ、はたきのために多少は溜まってくれ給えと、余裕の気持ちすらある。
気付けば、気分的に5歳若返っている私がそこにいた。
 
そして、同時期に出会ったもう一つの新しい掃除用品・トイレの掃除棒についても私は語らねばならない。
 
そもそも、一般的なトイレのブラシの形は、便器の縁の構造を実に無視している。これについては、かねがね納得がいかなかった。
あの便器の内側に汚れがたまるのは構造的に避けられるわけはなく、製品として初めからメンテンナンスしにくいのだ。実に様々な種類の便器用ブラシが販売されているが、その多くは主に目の届く範囲を対象にしており、隅に追いやられたものの気持ちを汲んではくれなかった。
しかし、私は出会ってしまった。
はたきを注文しようとネットで調べていた最中、トイレの掃除棒に。
 
それは、便器の縁裏にすっぽり入る大きさの商品で、長さ20㎝ほどの太い割りばしの先端にヤスリのついたスポンジがついたシンプルな構造のものだ。これで物理的に磨くのだ。洗剤と併用すると効果がさらに増すらしい。
 
そう、この物理的というのが極めて大事なのだ。
 
見えない洗剤のチカラによってではなく、目で見て確かに、手を動かして確かに私は汚れを落としたかったのだ。かゆいところに手が届くとはまさにこのことではないか。
知らずテンションは上がり、気付けばはたきとともに、ポチっと購入をしていた。
 
トイレの掃除棒の効果は、素晴らしい、の一言であった。
そしてはたき同様、なぜ私はこれまで気づかなかったのか! と後悔するとともに、その仕事っぷりに尊敬の念を寄せるのだ。
3歳は若返ったな。
きれいになったトイレを見て、思わず口角が上がる。
 
巷では、テレビや雑誌やらで多くのアンチエイジンググッズの効果がうたわれている。
その良しあしについては言及しないし、それ相当に根拠があるものなのだろうと思う。
けれど、はたきや掃除棒以上に細胞を活性化させ、これからの生活を楽しくしてくれる、そんなアンチエイジンググッズはそうそうないだろうとみている。
 
「ママは掃除しているときがご機嫌だから」
家族は私をよく理解し、掃除に集中できる環境をつくってくれる。
 
家の中がきれいになり、ママもきれいになる。
掃除用品は実に素晴らしいアンチエイジンググッズなのである。

 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

http://tenro-in.com/zemi/62637

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2018-11-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事