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メディアグランプリ

天狼院書店が出前を始めたってさ! ホント……??


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:國正 珠緒 (ライティング・ゼミ 日曜コース)

 
 
「天狼院書店が出前を始めたらしい」 という噂を聞いた。
メニューは豚汁とおにぎりのみの限定メニューだという。
 
どうやらその豚汁は博多美人が作っているらしい。
 
具沢山なのに、どんなに食べても太らないという。
 
天狼院が普通の本屋じゃないことは十分承知していたが、これは幾ら何でも誇大広告ではないか!「どんなに食べても太らない」 なんて!! 嘘とわかっていても気になるけど……。
 
これから寒くなるこの時期に「豚汁」とはさすが天狼院、とことん顧客目線だ。
しかも「博多美人が作った」なんて枕詞をつけられては、男子がそそられるのはもちろん、女子もコラーゲンたっぷりの豚肉を想像し、思わず注文したくなる……。うまいなあ。
 
配達エリアは確認しなかったが、池袋に住んでいる人から聞いたので、うちも配達エリアなのだろう。まずは天狼院書店のサイトに行ってみた。
 
う〜ん。どこにも出前のことは書いてない。まだ始まったばかりでアナウンスされていないのかもしれない。
仕方がないので検索窓に「豚汁」と入れてみた。本屋のサイトで豚汁を検索するって(笑)
 
なんとトップに「川代ノート」の11月5日の記事が出てきた。
 
題名は「【福岡天狼院の新メニュー】なぜこれほどの豚汁を作る女に彼氏がいないのか?」 
なるほど、これはその博多美人の豚汁のストーリなんだろう。これを読んでいけば出前の仕方がわかるかもしれない。
 
どうやら店主の三浦さんも大絶賛しているらしい。他の定食屋で豚汁を食べても物足りなくなるという。
店の後輩のくみこさんが尋常ではない量の具材を鍋に入れて作っていく様が事細かに、ものすごい熱量で書かれている。ぐんぐん引き込まれた。「川代ノート」のライター川代さんは私が参加しているライティングゼミの課題の講評をしてくれている女性で、その記事は何度もバズを起こしているという人だから書くものが面白いのは当たり前なのだが、今回の記事は群を抜いている!!
 
山盛りになった具材が鍋の中で互いに主張しあい、さらに豚肉がその中で激しく主張しているらしい。しかも! 白菜が入っているという!! 豚汁に白菜!?
豚汁の調理過程から、川代さん自身が試食する場面までだけでおよそ40行に渡っているのだ!!
と、このあたりまで読み進んだ時……! ん?  どこからかふわっと白味噌と豚肉の出汁の甘い香りが漂ってきた。
 
キッチンでは誰も調理していない。近所で調理している香りが舞い込んだわけでもなさそうだった。
もう一度クンクンと鼻を効かせてみたけれど、もうその香りはしなかった。舌にはなんとも言えぬ白菜の甘みと豚肉の風味が残っていた。
 
 
そうか、そういうことだったのか! 川代さんの食レポエッセイはなんと、テレビでさえ不可能だった「食べ物の香りや味」までも遠く福岡から東京まで1000キロを超えて運んでしまったのだ!
 
これは究極ではないか! たった数千字の文章だけで読む人にその味や香りまで堪能させてしまう。
実はこの3ヶ月あまり、ライティングゼミに参加して「書くこと」で表現しやすいテーマと表現しにくいテーマがあることに薄々気づいていた。
 
心の動きや言葉を中心とするテーマは比較的文章にしやすい。共感も得やすい。それは文章が「言葉」で成り立っている以上当たり前なのだと思う。
 
 
それに比べて視覚、臭覚、味覚に関するテーマは難しいと思っていた。
 
ぐるなびなどを見ても、美しい写真と解説があっても、味を想像することは容易ではない。みんなが評価した星の数や感想文を読んで店を選ぶが、本当のところはお店に行ってみないとわからない。かなり賭けだ。お店に行って後悔したことは何度もある。
 
ところが川代さんは今回、いとも簡単に?(簡単ではないかもしれないけれど)あくまで軽やかに、「味と香りを届ける」ということをやってのけた。
 
私はテレビを見たり文章を読んだだけで、まるでそれを食べたかのように味を感じたのは初めての経験だった。
 
「優れた文章表現はそれだけで味や香りをも体感させることができる」
 
少なくとも一回はその経験をしたので、敢えてそう言い切ろうと思う。文章表現にはきっと限りない可能性があるのだ。川代さんは大先輩で足元にも及ばないが、可能性を信じて精進したい。
 
 
冒頭の「天狼院書店が出前を始めた」は実はデマだった。
 
正確には「まるでその場で食べたかのように味わえる」だったのだ!
 
川代ノートのすごさをゼミの誰かが言い出したことが誇張されて伝わったのだと思う。
 
食べたような気になるだけだから「いくら食べても太らない」のは事実だし、それは福岡天狼院の新メニューで博多美人が作っているのも事実だ。
東京に住んでいて、普通に仕事をしていて豚汁だけのために博多に行くのは容易ではない。
 
福岡天狼院新メニューの「博多美人が作った具沢山の豚汁」を食べたくなったら、天狼院書店のサイトの「川代ノート」の11月5日の記事を読むといい。
 
十分味わえるはずだ。無料で! でも残念ながら、空腹は満たされない。それどころかますますお腹が空いてしまう。
 
だから、「川代ノート」の豚汁の記事は読まないほうがいいと思う。少なくとも空腹時には……。

 
 
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2018-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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