非社交的な人の限界と可能性
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記事:朝香(ライティング・ゼミ平日コース)
私は今年で50歳になりますが、ちょうど25年前に英語の勉強を始めました。私は何の苦も感じず英語の勉強に没頭しました。勉強が楽しくて仕方がなく、「趣味は勉強」と公言していたほどです。出会った先生が英単語オタクの先生だったので、私は英単語をたくさん覚え、英検1級に合格しました。
話は変わりますが、私は、最近になり社交不安障害という病気をもっているのではないかと疑うようになりました。いわゆる対人恐怖症です。コミュニケーションが苦手で、友達が作れなくてずっと寂しい思いをしてきました。私はきっと寂しさを埋めるために英語の勉強に没頭してきたのです。勉強は一人作業なのでとても性に合っていました。勉強さえしていれば寂しくないのです。苦手な人間関係もないのでストレスもありません。スタバなどでコーヒーを飲みながら勉強する生活を25年続けてきました。
英語の勉強の目的はもちろん英語でコミュニケーションをとることです。私は25年間勉強して英検1級に合格するほどになりましたが、英語でコミュニケーションが取れません。私は、最近までその理由を、運悪く英単語オタクの先生に出会い英単語ばかり覚えていたからだと信じてきました。英単語を覚えるのに時間を費やしすぎた。もっとリスニングやスピーキングを重視するべきだった。しかも、リスニングで使った教材が受験用の文法書のCDで、それを何百回も聞いて英語のリズムを習得しようとしたのが間違えだった。アメリカの映画やドラマなど生の英語を教材にするべきだった。それが私の英語学習失敗の最大の理由だと信じていたのです。
しかし、問題は英語力ではなく、コミュニケーション力ではないかと思うようになりました。私は30代半ばに単身でシンガポールに行き4年間むこうで働きました。現地で就職活動する場合、たいてい日系の会社に就職が決まりますが、私は運よくシンガポールのローカルの会社に就職が決まりました。運よくというのは、英語を話す人に囲まれて働ける環境だったからです。私が就職した会社には日本人は私一人しかいませんでした。しかし、私ができるのは、そのような恵まれた環境作りまでなのです。そこから先は、コミュニケーション能力がものを言います。どれだけ英語を使えるか、どれだけ英語で人間関係を築いていけるかはコミュニケーション能力にかかっているのです。
タイの北部にチェンマイという都市があり、そこでは小さな村々を1泊~2泊で歩いて回るトレッキングツアーが人気です。ツアーは、偶然その日に申し込んだ初対面の5~10人位がグループになって旅行します。外人に囲まれて旅行ができるので、私は英語の勉強のために何回か参加したことがあります。私が持っているのは、そのようなツアーに申し込む勇気までなのです。そこから先、知らない人と友達になるというのは私にはできないのです。
私が、このトレッキングツアーで驚いたのはそのガイドさんたちの英語力です。タイの田舎で育った彼らは、アルファベットも知りません。しかし、ネイティブと難なくコミュニケーションととるのです。私たち日本人が中学生の時から一生懸命英語の勉強をしても身に着けられないリスニング力、スピーキング力を彼らはもっているのです。ガイドをしながら、実地で身に着けるそうです。私だってシンガポールの会社で英語を話さなければいけない環境に身を置いたはずなのに、この違いはなんでしょう。語学の才能がないのでなく、勉強のやり方が間違っていたわけではなく、コミュニケーション能力がないからだと思うのです。
このように、非社交的な人には限界があると思います。英語の勉強に限ったことではないのです。仕事も人と協力してやることは難しいです。だからといって1人でやる仕事には限界があります。大きい仕事はできません。あきらめるしかありません。
限界はあるけど絶望ではありません。私は今、英語教室を開いて小・中学生に教えています。講師という仕事は生徒とコミュニケーションをとらなければなりませんが、教えること自体はかなり一方通行です。英語が大好きだから、授業準備にも余念なく、楽しんでやっています。
そして英語講師だけで終わりたくありません。英検の面接試験のデモをYouTubeに載せたり、翻訳や通訳に挑戦したり、映画やドラマなどの生の英語を教材に使った学習法でリスニングをマスターして、成功者として学習法を発表したいです。
友達が少ないから、社交に時間がとられない。一人作業が好きだから、勉強が苦にならない。この利点を利用して、社交的な人ができない偉業を成し遂げられるかもしれません。楽しみながら一つ一つ実行していきたいです。
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