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抽象的に考えるとは


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:千葉とうしろう(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「抽象化して考えなさい」
 
これは、私が商品のコンセプトを考えていた際に、先輩から言われた言葉です。2年前、私は起業すべく、自分の商品のコンセプトを考えていました。自分のこれまでの経験から、どんな独自性を生み出すことができるか、どうすれば差別化できるかを考えていたのです。
ですが、どうやって考えても「自分のこれまでの経験を生かした独自の商品」なんて出てきません。自分のこれまでの経験とお客様の問題解決が、どうしても交差しないのです。自分のこれまでの経験を前面に出そうとすると、お客様の問題解決なんてできそうにありません。お客様の問題解決を前面に出そうとすると、これまでの経験が生かせなくなりそうです。
 
そんな悩みを先輩起業家の人に相談した際に言われたのが、「抽象化して考えなさい」という事です。私には、抽象化という言葉の意味がよくわかりませんでした。だって、具体化ではなく抽象化です。誰かにアドバイスするときに「具体的にしなさい」ならよく使いますが、「抽象化しなさい」なんてアドバイスは、それまで聞いたことがありませんでした。
 
そこで私は、抽象化について色々と調べてみました。その結果分かったのですが、抽象化とは物事を鳥の目で見るようなものです。物事を俯瞰する視点を持つ、と言う事です。例えば、地面に立って周りを見ると、街中であればいろんな人の顔がハッキリ見えます。
 
男性もいますし、女性もいます。年配の人もいますし、若い人もいますし、子どももいます。スーツ姿の人もいますし、ラフな格好の人もいます。明るく笑っている人いますし、真面目な顔をしている人もいます。
 
地面に立って周りを見ると一人一人がよく見えるんですけど、例えば建物の2階から見ると、街中を広く見渡せる代わりに一人一人の顔が見えにくくなります。
 
そしてもっと高く、飛んでいる鳥のように大空から街中を見れば、遠くまで広く全体を見渡せる代わりに、一人一人の顔なんて判別できないほどに、人間はどれも同じように見えるでしょう。
 
抽象化して考えるっていうのは、具体的に考えることの逆です。世の中に東西南北の方向があるように、物事にも具体的と抽象的があるんです。
 
具体的っていうのは、1つ1つにフォーカスして考えることです。その特徴には、分かりやすい、はっきりしている、現実的、細かい、などの特徴があります。
 
抽象的っていうのは、まとめて1つって考えることです。その特徴には、分かりにくい、ふわっとしている、非現実的、おおざっぱ、などの特徴があります。
 
具体的に考える事には、「分かりやすい」っていうメリットがあります。では、抽象的に考える事のメリットは何でしょうか。それは「視野が広がる」っていう事です。
 
例えば目の前に、器に盛られたイチゴが10個ほどあります。1つ1つを細かく見れば、色も違うし、形も違うし、盛られている位置も違っています。明確な違いがあるんです。けど、要はイチゴであることに変わりはありません。
 
1つ1つ見ることが具体的、まとめて見ることが抽象的です。では、その器の中のイチゴを1つ食べたとして、もしそのイチゴが美味しかったら、あなたは次にどう思います? 
 
「その器に盛られている他のイチゴも美味しいだろう」
 
って思いませんか? 想像が広がるんです。器に盛られたイチゴをまとめて見ることができれば、実際に食べた1つのイチゴから、まだ食べたことのないイチゴにまで想像が広がるんです。これが視野が広がるってことです。
 
抽象的に見ると、視野が広がるんです。具体的に見る事とはまた違った見方ができます。
 
具体的に見れば細かくハッキリと見ることができます。具体的な見方は分かりやすいので、現実感もあります。
 
対して抽象的に見ることは、離れて見ることです。明確さは無くなります。どれもこれもが一緒に見えます。ボヤーっと見えることでしょう。分かりにくくなるので、現実感も無くなります。ですけどその分、全体が見えるようになるんです。それぞれを一緒にまとめて考えることができるので、「要は何なのか」「つまりは何なのか」が見えるようになります。空を飛んでいる鳥の目線で、世の中を見るようなものなんです。
 
ちなみに、抽象化の視点を使って、私は商品のコンセプトを作ることができました。それまでの自分の経験を抽象化して見ることで、「要はどんな経験だったのか」と、まとめて考えることができたのです。
 
抽象化して考えることは、大きな方向性を考えるときに使えます。実際の行動は具体的に考えることが必要ですが、それより前の段階、方向性やコンセプトで「どう行動するか」を考えるときに有効です。ぜひ試してみてください。

 
 
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2018-11-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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