外の世界に引っ張り出されるのは怖い、でも世界が広がるんだなぁ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:しゅん(ライティング・ゼミ平日コース)
友人からメッセージが来た。
「例の件やってくれない?」
見た瞬間、心臓がバクバクしだした。
あぁ、また来た……
人生で何度も来るやつだ……
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10年くらい前まで趣味でプログラミングをしていた。自分で作ったプログラムをネットで公開したり、ブログを書いたりしていた。
そのうち、ネット上で同じような趣味の人と知り合い、やりとりをするようになった。
「今度、こういうの作ってみてよ」
「今度、こういうの一緒にやらない?」
と、声を掛けてくれる人が出てきた。
こういうとき普通はどんな反応をするんだろう?
「楽しそう! やるやる!」なのかな?
私の反応は、
『いやいやいや、そんなん無理無理! そんなのやったことないし、出来なかったらどうするの? 怖い怖い!』
だった。
今思えば、やったことないことに挑戦すること、失敗すること、相手をがっかりさせることが怖くて仕方がなかったみたいだ。
自分一人でやる挑戦は大丈夫。失敗したらそれを活かして次また挑戦したらいいと思えるし、実際そうしている。
ただ人に対して「やる」と宣言して、できないことが恥ずかしい、恥をかきたくないと思っていたようだ。実は今でもまだ少し思っている。
結局、返事ができないままやり取りが途切れてしまうことが何回もあった。
2年くらい前からは、筆文字を書いてInstagramに投稿するようになった。
それをみた3名の友人から同じ日にメッセージが届いた。
「今度、何か書いて」
「○○って書いて」
「名前書いて」
正直、また来た! と心臓がバクバクした。
これまで自分が好きなように書いてただけなので、人にあげるとなると、どんな紙に、どんな大きさで、どんな書体で書いたらいいのかがまったくわからなかった。
気に入ってもらえるものができるだろうか?
怖い。逃げだしたくなった。
でも、『このまま逃げたら、これまでと変わらないよ?』って心の声も聞こえた。
そう、ちょうど人生を変えたいと思っていた時期だった。
怖いけど、飛び込んでみるか。
最悪、気に入ってもらえなくて、がっかりされるだけだよね。
「ちょっと時間掛かるかもしれないけど、気長に待っていてください」
メッセージに返事をした。
やる決意はしたものの、それ以降も悩む悩む。
相手はどういうのを望んでるんだろう? と悩みながら色々と書いてみるけど、何がいいのかわからなくなってしまった。
一ヶ月ほど悩んだ挙句に、吹っ切ることにした。
『そもそも、私が書いた文字を見て、書いて欲しいって言ってくれたんだから、私自身がいいと思うものを書いたらいいんじゃないか?』
こう考えてやっと吹っ切れた。無事に作品としてお渡しすることが出来た。
ちなみに、作品を作ってる時に娘さんとこんな会話をした。
「なに書いてるの?」
「お友達に頼まれたのを書いてるの」
「ふーん。自分で書いたらいいのにね」
「お父さんの字がカッコイイから書いてほしいんじゃない? (笑)」
「ふん(笑)」
これをFacebookに投稿したところ、作品をお渡しした方からこんなメッセージを頂いた。
『お嬢様にお伝え下さい。「お父様の字体、雰囲気、期待があり、お願いした次第です。期待以上の文字をいただき感謝しています。私もお父様のような特技を私自身も持ち、その事で人に喜んでいただけて、世の中にお返ししようと思っています。あなたのお父様はそれをすでにスタートされていて、私はとても尊敬しています」と』
ありがたくて涙が止まらなかった……
こんな温かい言葉をもらえるとは……
やって良かったと思えた瞬間だった。
そして、これをきっかけにさらに多くの友人から依頼を受けることになった。あまり喋ったことのない人とも仲良くなるきっかけを作る大切な特技となってくれた。
以前何処かで、『天職は頼まれごとの中にある』と聞いたことがある。
周りの人は、「この人こういうことができるんだったら、きっとこういうこともできるんだろうな?」って可能性を感じて声をかけてくれるんだと思う。
ただ本人はその可能性に気づいてないので、快適な空間でぬくぬくしてるのに外に無理矢理引っ張り出されるように感じる。そして、外の世界が怖いから抵抗するんだと思う。
うちの猫も温かい寝床に潜ってるときに引っ張り出そうとすると嫌がって抵抗するもんな。それと一緒かな。
でも、引っ張り出されてみると世界が広がるんだよなぁ。
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あっ、今回の頼まれごとは、「短い動画を作るんだけどストーリー書いてくれない?」だった。
「今、天狼院ライティングゼミで書いてるのすごくいいよね。だから、ちょっと感動して、おもしろいの作ってくれると思うんだよね」
だそうだ。
相変わらず心臓がバクバクした。また来た! と思った。人生で何度も来るやつだ。
「ありがとう。でも、ちょっと考えさせて」
しばらくしてメッセージに返事をしておいた。
さて、どうしようかな。
やったらまた新しい世界が広がるんだろうな……きっと。
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