カラーセラピーという嘘発見器は仕事好きな私の新たな友達
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:丸尾 知実(ライティング・ゼミ日曜コース)
カタカタ……カタカタカカタ……
パソコンを叩きながら、肩のコリを実感する夕方。
長時間パソコンの前に座っている事で、目も疲れたし、腰も疲れた。
就業時間を過ぎても、区切りのつかない仕事を無理に終えて、帰り仕度を始める。
仕事をするって大変だなと実感しながら、帰路につくというのが、私の日常でした。
仕事って、こんなもんなのかなって、この時は思っていました。
家に帰って、もしくは、帰宅前に居酒屋に寄って飲む1杯が一番のフレッシュの時。
みんなと一緒に、「お疲れ様!乾杯」とする時もあれば、
家で静かに「お疲れ様、私」と心の中で唱える時もあります。
そして「プハー。うまい。これこれ」
このお酒が喉を潤す瞬間を楽しみます。
おっさん臭いと言われようとも、社会人になって覚えたこの幸せは譲れません。
この一連の流れが、私にとっての、生き返るリフレッシュ方法でした。
このまま、お酒を楽しみに仕事を頑張るってのも、良いかもしれないと考えていましたが、
大きな問題が立ちはだかりました。
ゆっくり1杯を飲む時間すら取れなくなってきたのです。
それでも、楽しく仕事をしていましたが、今思うと、周りから危険信号を出ていました。
「最近、仕事頑張っているみたいだね」
「おかげさまで、取引先と親しくなってきたので、今が頑張り時ですね」
始めはこんな和やかな会話だったのに、いつの間にか周りに言われる言葉が変わってきました。
「残業多いのが続いているよね、大丈夫」
「まー。まだ、大丈夫じゃないですかね。やるしかないんで、頑張りますよ」
仕事の状況がなかなか変わらなく、忙しい日々が続いていたのです。
とにかく、目の前の仕事をこなすことで精一杯で、周囲の声が聞こえていませんでした。
もちろん、私自身から悲鳴も「大丈夫」という呪文で蓋をして、平気なふりをしていたようです。
やるしかない状況が続いていて、自分ではどうしようもできなかったのです。
仕事終わりのリフレッシュの1杯を飲む時間もろくに取れず、いつの間にか、なかなか回復できない身体になっていました。
その時の私といえば、ひどいものです。
スッピンに近いくらいボロボロの化粧に、出来るだけ締め付けの少ないゆるゆるの洋服。
朝から、寝てるんだか、起きているんだか分からないような表情でパソコンに向かいます。
ただ、唯一、自分でやるネイルカラーだけは、ボロボロになる前に塗り直していました。
今日は赤の気分かな。
赤が鬱陶しくなってきたから、青に変えよう。
いや、気分が沈んじゃうし、夏も近いんだから、明るく黄色!
こんな風に、気分に合わせて、色を変えることが、私にとって、もう一つのリフレッシュ方法になっていたました。
値段を安く抑えたいから、ジェルネイルじゃなくて、マニキュアを選びました。
不器用なので、爪からマニキュアがはみ出ることも少なくありません。
せっかちなので、マニキュアが乾く前に触ってしまって、ボコボコになてしまうこともありました。
どんな出来でもいいから、好きな色のネイルを身に付けたかったのです。
一番私がボロボロだった時、ネイルは、グレーがメインで、1本だけ赤色に塗っていました。
お洒落がしたいわけじゃなく、気分で色を選んでいたのに、この色です。
口では「まだ、大丈夫じゃないかな」と言っていましたが、これが私の発する危険信号でした。
何故、このネイルの色が危険信号だったのか、分かりますか。
私がその解説を知ったのは、後にカラーセラピストとの出会いがあったからでした。
この後、私は仕事のしすぎで、身体を壊します。
その時期にカラーセラピーというものに出会いました。
このカラーセラピーは色彩心理学に基づいたもので、深層心理がわかるというものでした。
出会った時はよく分からなかったけど、カラーセラピストの先生が紡ぐ言葉は不思議でした。
カラーセラピストの先生と話していると、その時の私の気持ちが明らかになってくるのです。
グレーが落ち着くのは、私の気持ちが落ちていたから。
1本だけ赤だったのは、気持ちは落ちているけれど、気持ちを奮起したかったから。
やる気を出すために、ちょっとだけ赤だったのです。
そんな深層心理にあったのだと、気づかせてもらいました。
先生と色々と話していくうちに、自分で気づいていなかった事を口にしているのは、驚きました。
まだ、大丈夫!
まだ、行ける。
まだ、耐えられる。
そんな呪文をかけていたから、自分で自分のことが分からなくなっていました。
本当は、大丈夫じゃなかった。
カラーセラピーは私が自分についていた嘘を見破ってくれました。
自分が自分に嘘をつくのだから、タチが悪い。
そんな嘘でも見つけてくれるカラーセラピーという嘘発見器は便利なツールだと思います。
私は今も、ネイル色はボロボロになる前に変えています。
同じ赤でも、明るい赤、暗い赤、気分に合わせることを大切にしています。
最近はネイルを塗りながら、なんでこの色なのかなって自分に聞くことにしています。
無意識に気になっている洋服の色があれば、なんでこの色なのかしらと考えます。
そんなことをしていると、自分を客観的に見れるから不思議です。
あ。私は今、疲れているんだな。
そんなことに気づいた時は、倒れる前にケアをしてあげればいい。
仕事終わりの1杯の時間をいつも以上に長く取るとか、マッサージに行くとか、自分のメンテナンスをしてあげる。
仕事好きで、仕事にはまりがちな私には、カラーセラピーという嘘発見器は、大切な友達になりそうです。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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